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【書籍化】ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました【web版】  作者: 富士とまと


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ブライス君すごい

昨晩閑話更新しました

「はい、ローファスさん返します」

 ローファスさんがあっけにとられてブライス君から差し出された革袋を受け取るのも忘れている。

「おまえ、魔法使えるようになって何日だ?まさか、付与魔法まで使えるようになったのか?」

 付与魔法?

「どうでしょう。うまくいってればいいんですけどね」

 ローファスさんがブライス君から革袋を受け取り「起動」と言った。そのとたんに、ぺしゃんこだった革袋が丸まると太った。中に水が満たされたのだろう。

「あったけぇな」

 ローファスさんが口を開いて、地面にお湯を出しながらそっと触る。

「あー、これ、さっきと同じ感じだ。火傷するほど熱くはないけれど、ぬるくもない。口に入れるとぬるく感じて、あとなんだっけ?」

 ブライス君がにっと笑った。

「このちょうどいい温度、63度というキーフレーズに対して使用料をとればいいんじゃないかな?」

「なるほどな。お湯の温度の調整は各自経験で覚えればできるようになる。持ち運びができて簡単に旅先でも捕まえた獣の加工が楽になる魔道具なら、多少高くてもある程度稼ぎのある冒険者なら間違いなく買うだろうな」

「毎日大量の処理をする食肉業者にも売れると思いますよ」

 ブライス君の言葉に、ローファスさんが大きく頷いた。

「そう数は出ないかもしれないが、そういうことでいいか?」

 どういうことなの?

 よくわからないけど、損する人はいない?ならいいよね?

「はい」

「じゃぁ、えーっと無属性の魔法石持ってますか?できれば魔力充電式の」

 充電式?電池みたいなの?無属性の魔法石って何?

 もうさっぱり分からない。

 ローファスさんがベルトについてたダイヤみたいな石を一つ外した。

「今はこれしかない」

「外しても大丈夫なんですか?そのベルト、何かしらの効果が付与してあるんじゃないんですか?」

「あー、俊敏性が20上がる程度の効果だ。そんなもん、ユーリの作った料理に比べたらへみたいな効果だ」

「俊敏性が20上がるって、金貨何十枚もするんですよね……」

 金貨!きっと高い!

「それに、忘れてませんか?ユーリさんの作った料理の効果は時間がたつと切れるってこと」

「あ、そうだった。食べてから2時間くらいたつな。ステータスオープン、あ、切れてる。まだ腹減ってないんだけどな……思ったより切れるの早そうだな」

 ローファスさんが頭を抱えた。

「おい、ブライス、やっぱりそれ返してくれ」

 ローファスさんが出した手をぱしんとブライスくんがはじいた。

 そして、左手の平に小指の爪ほどのサイズの無属性の魔法石を乗せ、右手でさっきのペンみたいなものを手にする。

「コピーで発動。呪文を魔力を練りこみながら押し当てられた物質にコピーして貼り付ける。コピー回数を記録。呪文:起動の声で以下の事柄を実行、解除の声で停止。水の魔法石は革袋の中を水で常に満たし続ける。火の魔法石は63度に水を温め続ける」

 ブライス君が再びローファスさんに手を差し出した。

「実験したいので、革袋をください」

「お前、俺がそうほいほいお前の欲しがるものを持ってるわけないだろう」

 ローファスさんが軽くブライス君をにらむ。

「キリカの貸してあげる。はいどうぞ、ブライスお兄ちゃん」

 いつの間に小屋に取りに行っていたんだろうか?キリカちゃんが絶妙なタイミングでブライス君にローファスさんが持っていたものより一回り小さな革袋を差し出した。

「コピー。成功しているか確かめてくれるか?」

 ブライス君がすぐにキリカちゃんに革袋を返す。

「えーっと、起動、だったっけ?あ、すごい、もうなんかあったかいお水でいっぱいになった!」

「よかった。どうやら成功みたいですね。はい、これどうぞ。ギルドへの報告と63度専売使用料の交渉もよろしくお願いします」

 手の平に無属性の魔法石を戻されたローファスさんはまだ納得できない表情をしていた。

「冗談だろう、魔道具を作り出す魔道具なんて聞いたことがないぞ。いや、伝説に出てくるエルフ王とかそんなレベルの話だ。昨日今日魔法が使えるようになった人間が使えるわけがない」

 あー。ブライス君、エルフの血が入ってるって言ってたし……エルフって魔法が得意な種族なんだっけ?

 だったら、不思議じゃないのかなぁ。

「いやまぁさすがに今ので魔力すっからかんですよ」

「って、特訓で魔法ぶっ放した後で、あんな複雑な付与魔法って、どんだけ魔力持ってるんだって話なんだが……」

 うーんと、ローファスさんがこめかみを抑えた。

「あ、すっからかんなら魔力回復の様子が分かっていいな。ユーリ、MPポーションを使った料理は」

 あ。

「まだです。えっと……朝食にと思ってたので……」

 レンコン料理に気持ちが言っていたとは言えない。ごめんなさい。忘れてました。


いつもありがとうございます。

ブライス君チート。むっはー。

チート+ユーリの料理の能力=無敵な予感

……。っていうか、なんか複雑な事情が絡んでいて内政や争いごとにユーリさん巻き込まれたりとか大丈夫なんですかね?(大丈夫です。でも内政関係読みたい人は無職独身アラフォー女子の異世界奮闘記を参考に。私が書くとああなる。影があるシリアスモードになると魔欠落者の収納魔法みたいになる。)

さて、忘れてばかりはいられません。

コーラ料理を作らねば!



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― 新着の感想 ―
[良い点] 魔道具を作り出す魔道具。 文法さえきちんとしていればいいなら、魔道具の作り出し方を作る魔道具なんかもできそうな感じでしょうか。 それを使うと「魔道具を作り出す魔道具」を作れる感じで。 [気…
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