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【書籍化】ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました【web版】  作者: 富士とまと


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37 幸せなキャラ弁

本日2度目です

 今も暇があるわけじゃないけど、食材を無駄にするような生活をしてない。だから、作るよ!

 鶏ガラスープ。ニンニクと生姜がないけど、臭み消しはネギと酒でもなんとかなるはずだ。たくさん見たレシピに、ニンニクや生姜を使わないレシピもあった。

 ただやっぱり塩が無いのが痛い。こう考えると、料理のさしすせそって、砂糖、塩、酢、醤油、ソースっていうけど、必要度で考えればさしすせそじゃないよね。圧倒的に塩。醤油はない国があっても塩がない国はない。砂糖は贅沢品で食べられなくても問題ないけど塩は食べないとやばい。酢やソースは出番がかなり落ちる。

 あ、違った。ソースじゃなくて味噌だ。

 いっつも間違えるんだよね。

 名古屋出身のスイちゃんにいつも叱られたなぁ。「味噌でしょ、味噌!そもそもソースより味噌の方が圧倒的に出番多いのになんで間違えるかなぁ?」って。

 ふふふ。味噌の出番が圧倒的に多くはないけどね?名古屋にはマヨネーズみたいな容器に入った味噌があるらしい。で、マヨネーズみたいになんにでもかけて食べるんだって。

 スイちゃんどうしてるかなぁ……。私と連絡取れなくなったら、心配してくれるよね……。

「骨?何に使うの?」

 おっと。

「スープを作るのよ」

「えー。骨を食べるの?キリカ、硬くて食べられるかな」

 キリカちゃんが骨を見て首を傾げた。

「ふふ、違うのよ、キリカちゃん。骨は食べなくて、スープに味をつけるために使うだけなの。ちょっと手間がかかるから、皆手伝ってくれる?」

 下茹でしたら、骨をきれいに洗う必要がある。臭みをなくすために。それから骨を砕いて、沸騰しないように注意しながらアクをとりつつ、6時間煮込む。

 夕飯までにできるかな?

 じゃなくって、今日はキッチン近くから離れられなくなっちゃうか。どうしようかな。

 いいや。せっかくだからポーション料理の研究に時間を使おう。夕飯の鶏料理もまだ考えてないし、そうそう、MPポーション渡されて何か作ってほしいって言われてたんだ。

 あれ?結局MPポーションって何なんだろう?

 まだ確認してなかった。

 とりあえず下茹して水で洗う。えーっと、湖に言ってる間に血抜きしとこうか。水につけて置けばいいんだよね。


「さぁ、終わった。あとはお昼を食べてからにしましょう」

「やったぁ!お弁当!弁当!」

 キリカちゃんがぴょんぴょんと飛び上がっている。

 かわいい。子供って全身で喜びを表現するよね。

 お弁当一式入れた袋を手に持つ。

「僕が持ちますよ」

 私の手からブライス君が荷物を取り上げた。

 うっわ、紳士!

 見た目は中学生なのに。スマートすぎるよ。

「楽しみだなぁー。キリカね、冒険者になって今が一番わくわくしてるの」

「俺も。まさかこんな楽しみがあるなんて思ってなかった。毎日スライム倒してレベル上げるだけの生活だと思ってたから。それが、冒険者としての修行だと思ってた」

 うっ。

 ううう、ちょっと涙が出てくる。

 日本だったらわがまま言って親に甘えて、それからいろいろ楽しいこといっぱいの毎日を過ごすような年齢なのに。

 右手でキリカちゃん、左手でカーツ君の手を握る。

 仲良く手をつないで歩いていく。

「えっとね、遠足のときは、歌を歌いながら歩いていくんだよ。えーっと、ランランラン」

 確か皆で歩いているときに歌う歌があったよね。なんだったかな、やまを……?えーっと、まぁいいや!どうせ誰も知らないし!

 適当に創作して歌う。簡単なフレーズ。

「今日は~たのしい~ピクニック~、おべんと持って~いきましょう~ランラランララ~」

 われながら才能はない。

「今日は~たのしい~ピクニック~、おべんと持って~いきましょう~ランラランララ~」

 それでも、繰り返し歌っているうちに楽しくなってきた。

「今日は~たのしい~」

「「ピクニック~」」

 みんなが歌に参加。

 もっともっと楽しくなってきた!

 なんだか、私、すごく今幸せだよ。


 湖のほとりに到着。

 石とか適当に座る場所を鳴らして、4人で輪になり座る。

 ブライス君から袋を受け取り、コップを取り出し水の入った瓶を取り出す。

 キリカちゃんがコップひとつづつに水を継いでいく。

 何をしてくれと言わなくても、こうして自然とお手伝いしてくれるかわいい子供たち。

「これがキリカちゃんの分ね。これがカーツ君。これがブライス君で、これが私。じゃぁみんなでお弁当食べましょう」

 上から順にお弁当を配る。

 私は両手を合わせていただきます。

「うわー、すごぃ、これ、これ、これキリカなの?」

 ふたを開けたキリカちゃんが大きな声を出した。

「これは僕ですか?」

「じゃぁ、これは俺だな!」

「あんまり似てなかったね」

 キャラ弁、考えた末、皆の姿を作った。

 胴体が肉巻きおにぎり。顔にはじゃが芋。ニンジンの手足。

 ブライス君の髪は金髪なのでじゃが芋ペースト、フォークで髪の筋を付けた。

 赤毛のカーツ君はニンジンとかぼちゃを混ぜたペースト。キリカちゃんは薄茶なのでカボチャに少し醤油を混ぜた。

 私は黒髪なので、カボチャの皮にしてみた。

 煮詰めた醤油で顔を描く。

 それから、ペーストにして丸めて団子にしたカボチャやじゃが芋に飾り切りした星型のニンジンやらカボチャの皮やらを乗せてある。



いつもご覧いただきありがとうございます。

活動報告その他ですでにご存知の方もいらっしゃると思いますが、

書籍化が決まりました。

皆様の応援のおかげです。


今後ともよろしくお願いいたします。


なかなか感想返しができませんが楽しく読ませていただいております。ありがとうございます。

ブクマや評価も励みになります。

SNSなどで「読んだ」報告もうれしいです。ツイッターは時々エゴサしてこそっと見に行っています。


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― 新着の感想 ―
[良い点] サシスセソ [一言] ソースでなく味噌だから あ?ネタか
[一言] 愛のこもったお弁当の中身を読んで、不覚にも涙が出てしまいました。
[気になる点] さしすせその「そ」って味噌では?というツッコミは無粋ですかね?
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