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「凍らせて、冷凍食品として持って行ってもらうっていうのはどうだろうか?」
凍った状態の物なら、大きな葉っぱで包めば持ち運びできるよね。
我ながらナイスアイデア。でも、そうするとジャガイモは入れちゃだめだね。
ジャガイモって冷凍して解凍すると食感がふかふかになっちゃうもの。
牛肉使ったクリームシチューかぁ。うーん。
あ!そうだ!前にレシピで見て気になっていた物があったんだ。
ビーフストロガノフ風クリームシチュー。
材料は……ある。
まずは、ワイン……の代わりに、ハズレポーションの料理酒で牛肉を蒸す。酒蒸ししただけの霜降り牛もおいしそうだけどねぇ……。
アルコールが飛んで牛脂が混ざった料理酒も後で何かに使えないかな?
きのこと玉葱をバターで炒める。そこに蒸した牛肉を入れ、牛乳に塩とハズレ薬草のニンニクで味を整え少し煮込む。小麦粉でとろみもつける。
本当はヨーグルトの酸味が入るとさっぱりするっていうんだけれど、こってりでもいいよね。ローファスさんだもん。
初めて作ったビーフストロガノフ風クリームシチューの味見をする。シチューと言ってもほとんど汁はないので肉料理?
「あ、おいしい」
良い肉を使っているからと言うのもあるだろうけれど、バターの風味にニンニクがきいてて、ホワイトシチューとも違う肉料理になってる。
そうなんだよね。ビーフストロガノフって、もともとステーキ肉が高齢で食べられなくなった人のためにストロガノフ家で薄切り肉を使った肉料理をと考案されたって言われてるんじゃなかったっけ。だからシチューじゃなくて肉料理なんだよね……。
さて。あとは何を作ろうかな。
牛丼?あ、その前に、このアルコールとんだ酒蒸しに使ったお酒。
お酒と牛肉。
「あ!」
持って来た野菜を確認。
ネギ、よし!
白菜、よし!
豆腐……はない。大豆が手に入ったのだから、いつか豆腐を作りたい。そのためにはにがり!にがりは海。海水から取れる。
海に行きたい。ダメなら海水を手にいれたい。いや、せっかくならにがりを作って持ってきてもらいたい。
……ハズレポーションでにがりは出てこないよね?
あはは、流石にそれは無理か。うふふ。私、すっかりハズレポーションに過度な期待をし始めてる?
今回は、ネギと白菜と霜降り牛というちょっと寂しいラインナップだけれど、いつかここに焼き豆腐を入れます!
しらたきは……コンニャクイモが例えあっても加工できる自信がないなぁ。加工って、すごく色々な肯定があるんだよね?
なんか「なぜ、コンニャクイモを食べようとした!なぜ、そこまでして食べようとした!」って言われるくらいらしいし……。
そして、ちょっと贅沢に砂糖を使いましょう。砂糖が無ければ作れないというか、ハズレポーションのコーラやジンジャーエールではこればかりは代用したくないです。
何故なら……。
作るのは、すき焼きだからです!
お酒と砂糖と醤油だけで味を付けます。肉のうまみとネギの風味がしみ出して何とも言えない味になります。美味しいんです。
あああ、生卵も今はないけれど、小屋に戻れば生卵付きでも食べられますね。
エノキもほしいけれど……名前もよく知らないあっさりしたきのこを入れましょう。毒がないのは確認済。
さ、材料揃えれば食べる前に作った方が美味しいので。これはここまで。
……あ。そうだ。
今年もお世話になりました。ありがとうございます。
ユーリさんたちもお正月に向けて(というわけじゃないけれど)すき焼きの準備を整えてました。
よいお年を!
そして、来年もよろしくお願いいたします(*'ω'*)




