274無事
「あれ?ブライス君、肉タウ……じゃないや、ミノタウロスって、強いモンスターだって言ってなかった?」
簡単に氷の檻に閉じ込めちゃえるくらいのモンスターなの?
それともブライス君の魔法が特別にすごいのかな?
でも、そんなすごいならなんで、肉攻撃くらったのかな?
っていうか、攻撃くらってなかったら、和牛の存在知らなかったよ。むしろ、肉攻撃くらってくれてありがとう。
そんでもって、氷の檻に閉じ込められた肉タウロス、攻撃してこないかな。
肉をビュンビュンとばして、氷の壁に当てる。氷なら、綺麗。浄化魔法とかしなくても、綺麗な上に、冷やされる。腐りにくい。
最高なのではないかしら?
ああ、攻撃よ、攻撃して。
肉を、肉を……。
「あ、ユーリさんっ!」
ふらふらと肉の入った氷の檻に近づく。……ああ、もう、冷蔵庫、冷蔵庫じゃないのっ!天然の、いや、魔法の冷蔵庫!
いくらでも霜降り牛が出てくる魔法の冷蔵庫……。
ふらふらと吸い寄せられるように……。冷蔵庫に手を伸ばした瞬間、バリバリっと音がしたかと思えば、檻の中に入っていた肉タウロスが巨大化して檻を破ろうとしているとこだった。
「危ないっ!」
ブライス君が私の体を抱えて、飛ぶ。いや、飛ぶって、ローファスさんのようにジャンプして飛び上がるんじゃなくて、空中に浮かび上がる飛ぶだよ。
ま、魔法、すごい。
ブライス君の魔法がどんどんすごくなっていく。
そして、破壊された氷の檻から距離を取った場所に降ろされた。
「あ、危ないっ!」
肉タウロスがキリカちゃんのいる方へと突進していく。猪突猛進ならぬ、牛突猛進。早い!
ブライス君が必死にキリカちゃんを助けようと手を前に突き出し魔法を放とうとしたけれど、間に合わない!
ああ!ああ!
ふと、獣化したキリカちゃんを思い出す。
普段より体が良く動くと。素早い動きが出来ていた。こういういざというときにすぐに獣化できたらいいのに。
鰹節……キリカちゃんがいざという時用に持ち歩いていたら……。
「モッフゥー!」
その時、ミノタウレスちゃんが飛び出してぴょーんと飛び上がった。
かと思うと、華麗に前足で肉タウロスの頭を殴り、地面にめり込ませた。
うっわぁーっ。
「つ、強かったんですね、ミノタウレスって……」
唖然とするブライス君の前を通り過ぎて、キリカちゃんをぎゅっと抱きしめる。
「無事でよかった……キリカちゃん……」
ぎゅーっと、思わず力いっぱい抱きしめる。
「ユーリお姉ちゃん、く、くるし……」
え?ええ?
「ご、ごめん」
何?私、それほど腕力もないはずだけど、なんかステータス上がってたりする?
ぱっと慌てて両手を離すと、すぐにキリカちゃんが私に抱き着いてきた。
「違うの、キリカね、ギューッとされると、嬉しくて、胸がぎゅーって押しつぶされそうな感じになるの……」
今度はそっとキリカちゃんの背中に手を回す。
「それからね、キリカね、あのね……とっても幸せな気持ちになるの。でも……いつも……不安なの」
不安?
「恐怖を感じたのではなくて、不安なの?大丈夫よ、もう後はブライス君がいるから、肉……ミノタウロスはやっつけてもらうからね?」
ぎゅっと、力を入れすぎないように気を付けてキリカちゃんを安心させるように抱きしめた。
「違うの、キリカ………突然、みんながいなくなっちゃったらどうしようって、ときどき不安になるの……」
ごぶさたしております。
更新が滞りぎみで申し訳ないです(´・ω・`)
お知らせごとがある時に更新ではなく、お知らせすべきことがたまっているにも関わらず更新してないというのが正解です……。で、もう何をお知らせしたらいいのか分かりません……苦笑。
コミカライズ版の6巻が12月で発売になります。リスノ先生のおかげで好評のようで重版も何回かしていただいております。が、原作小説は売れていないんですよね。なろう版とはストーリーが違うのでお手に取っていただけると嬉しいです。と、言っていたのですが、なんとこの度、原作小説でなくweb版部分をコミカライズするかも?!ということになってしまったので、あわわ、となっております。嘘をついたわけじゃなくて、事情が変わったんだよ!(´・ω・`)と、ご理解いただければと。
それからハズポ姉妹作品ハズドもよろしくお願いします。
https://syosetu.com/usernovelmanage/top/ncode/1680440/
こちらはハズレドロップ品が味噌です。胸糞追放劇から始まりますが、幸せになりますぞ。
いかしたおっさん(どすこい)も出てきますぞ。
間が空いたので復讐。
ミノタウ レス 牛乳
ミノタウ ロス 牛肉
ミノタウ ルス ??
です。まだ、ルスは、食材にするか悩み中。食材だとしたら、どうすべ?牛ってあと何がある、ないよなぁ……あ、皮か!食べなくてもいい。牛側製品があるじゃないか!防具は無理でもユーリならば服や鞄なら縫えるな。縫ったらどうなる……って、もう別作品みたいになるからっ




