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【書籍化】ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました【web版】  作者: 富士とまと


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313/343

閑話*日本では=奈々視点=

大丈夫。旦那サイドじゃないよ。でも、旦那サイドとばしてる人には意味わからないよ。

「マンション売ろうと思うんだ……」

「え?まだローン残ってるだろう?」

 スーツ姿のサラリーマンが2人。

 休み時間だろうか。ファーストフードの店で、一番安いセットを食べながら会話をしていた。

「ああ、ローンな、あと半分……売った金で払うからそれはいいんだ」

「大丈夫なのか?中古だとマンションの価格ってがくっと落ちるだろ?」

 ふと聞こえてきた会話。何も盗み聞きしようと思ったわけではない。

 奈々は、一人で店にいる。

 待ち人がまだ来ないからだ。

「今日も……来ないのかなぁ……」

 奈々は店内の時計を見て小さくため息をついた。

 結婚した親友との約束。

 毎月第2火曜日にお茶しようという約束。

 あまり頻繁に連絡が取れないため、行けないときだけ連絡をする。行けるときは連絡不要という約束だ。

 約束の時間、12時をすでに40分もすぎている。

 先月も、先々月も、連絡もなく親友は現れなかった。

 これまで、10年……。連絡もなく来なかったことなんて一度も無かったのに。

 知り合いの子供を預かっていた時は、2年ほど会えなかったけれど。子供を預からなくなってからは、また毎月会うようになった。

「今日は、ちょっと贅沢してアップルパイも買っちゃおう」

 ニコニコしていた親友の顔を思い出す。

 貧乏しているわけではないのに、節約していた。自由になるお金が無いのは、見ていて明らかだった。

 無駄使いをするとすぐに旦那に叱咤されていたようだ。だから、いつも、買い物で貯めたポイントで支払いをしていた。一番安いハンバーガーとドリンク。

 奢るよと、一度だけ声を行ったことがある。でも、彼女は少しだけ寂しそうな顔をして笑った。

「いいよー。普段はちゃんと食べてるから、心配しないで。毎日手作り料理。むしろ、ごめんね。ポイント使える店にいつもしてもらって……」

 あの寂しそうな顔の意味は何だったんだろう。

 専業主婦で、毎日手料理。自由になるお金は少ないけれど、それでもポイントを貯めて時々そのポイントで楽しむ。

 奈々が再び時計を見た時には、12時50分になっていた。

「あと、10分……」

 待ち合わせは12時だけれど、13時までに来なかったらそれ以上待たないというルールもある。

 ……なんで、来ないの、優莉。

 先月も、先々月も連絡もなく来なかった。しかも、その後「連絡できなくてごめんね」の連絡もなかった。

 そして、今日……も、来ないなら……。

 何があったんだろう。

 優莉は今時携帯電話もスマホも持たされていない。固定電話でしか連絡は取れない。何度電話をしても、優莉は出ない。

「もったいないって言われてもさ、一刻も早く引っ越したいんだよ」

「なんで?」

「……実はさぁ……ちょっと怖い話なんだけど、もしかしたら、近々、あのマンション、事故物件になるかもしれねぇんだよ」

「は?事故物件?」

 不安をかき消すために、サラリーマンの会話に奈々は耳を傾けた。

「そう。事故物件って、部屋がじゃなくて、あのマンションの別の部屋がなんだけど……それでもさ、あのマンションで殺人事件が起きたとか言われたら、価値が下がるだろう」

「殺人事件?」

「しー、声を落とせって」

 殺人事件?


奈々って誰だよ。

読んだら分かったよね。

マタギになりたいって彼氏がいる友達だよっ!

ところで、しばらく本編週1、閑話週1での更新になります。なんと週2.

連載を追っている人にはその状況なのですが、まとめて読む人で、閑話飛ばしたい人は、1話飛ばしでごめんね。


下にリンクあるけれど「ハズレドロップ品に【味噌】」もよろしくー。「カフェオレはエリクサー」もよろしくー。★評価とか感想とかその他色々お待ちしておりますー。


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― 新着の感想 ―
[一言] お隣さんからベランダ丸見えだったそうな。 覗きこんだのかカーペット大きすぎてはみ出したかは知らね。
[気になる点] 血塗れのアレをきちんと梱包して出さなかったからゴミ捨て場で見つけられて大騒ぎ! とか? 生ゴミの腐敗臭を死体の腐敗臭ではと勘ぐられて大騒ぎ! とか? 自分の思うようにならなくて旦那は…
[一言] 連載再開を心待ちにしていました^_^ また、楽しく読ませていただきます。無理せず頑張ってください❣️
感想一覧
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