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【書籍化】ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました【web版】  作者: 富士とまと


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307/343

番外編===前書き読んで===その1ですぞ

閲覧注意の話

番外編といいつつ、実は分岐版です。

ご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、なろうでは書くなと言われ「ツギクル」に掲載していた「ツギクル版」です。ツギクルより削除するため行き場がなく、せっかくなので、UPしておきます。

189話からしばらく分岐した内容です。10万文字くらいあるのでしばらく番外編が続く……。

えーっと「ローファスの実家」にユーリとキリカちゃんとカーツ君が行くところから始まります。

ローファスの母親リリアンヌ様と一緒に……。


「ただいま帰りましたわ!」

 馬車に、収穫したカカオ豆やハズレポーションを積み込んだ結果、キリカちゃんとカーツ君と私は、リリアンヌ様に抱きしめられるような恰好でぎゅうぎゅうになりながら馬車に乗り込んだ。

 ぷはー。

 うぐぐぐ、よかった。転移魔法が一瞬で。窒息するかと思った。リリアンヌ様の豊かなお胸につぶされて……。こういうの、よく漫画とかであったけれど、伝説だと思っていたのよね。違いました。

 本当に、お胸で窒息します。

「リ、リリアンヌ様!ご無事で!」

 って、あれ?

 ここ、どこ?


「細かい話は落ち着いてからするわ。まずは食事と風呂とそれからこの子たちの着替えと寝室を用意してちょうだい」

 キリカちゃんもカーツ君もきょろきょろとしている。

 うん。馬車は、すんごい大きなお屋敷の前に出た。

 ただいまーとリリアンヌ様が言っていたから、リリアンヌ様の家だろうか。貴族らしいし。

 お屋敷が家というのも分かるけど……。

「お城みたいなのー」

 そうだよね。キリカちゃん。お城みたいだよね。

「ふふふ、キリカちゃん、残念だけど、お城はあっちよ」

 残念じゃないです。お城だったらむしろ困ります。っていうかあっち?確かに、目の前のシンデレラが住みそうなお屋敷よりも、大きな建物がすぐ後ろに見えます。

 ち、近い!

 っていうか、お城があるってことは……。

「ここって、王都なのか?城って、王様がいるとこ?それとも領主様の城?だったら、領都?」

 ですよね。カーツ君もどこだろうって思ってますよね。

 どう考えても、なんか、知らない場所ですよね。あ、私、知ってる場所のが少ないですけど。

「まぁまぁ、細かい話は後々。お腹すいたでしょ。ご飯食べてからお風呂に入って着替えて寝ましょうね。あ、お風呂が先でご飯が後のほうがいいかしら?」

 お、ふ、ろ!

「お風呂にはいれるんですか?」

 もう、ここがどこだとか、そんなことどうでもよくなった。

 とりあえず、今はお風呂、お風呂、お風呂!

「入り方は分かるかしら?分からなくても侍女をつけますからね」

 え?

「あ、いえ、あの、大丈夫です!一人で、えっと、その、むしろ、一人でゆっくりしたいというか……」

 温泉も好きだし誰かと一緒にお風呂入ることは気にならないけど、しばらくお風呂入ってなかったから、今日はゆっくり一人で堪能したい。

 キリカちゃんとカーツ君と一緒にお風呂に入るのも楽しそうだけれど、今日だけは……。幸い、キリカちゃんもカーツ君もお世話をしてくれる人がいるようだし。

 ぷはーって、ゆっくり一人で湯船につからせてください。

 ……。

 うん。西洋式だったよ。浅くて広くて泡のあれ。

 ……風呂は嬉しいんだけど、やっぱりこう、なんていうか、もうちょっと深くて肩まで沈めるやつがいいな。

 体を洗ってからお湯に沈む日本式がいいな……。そういえば、ローファスさん、小屋に樽を運んでくれるって言ってたけど、いつになるのかなぁ……。


 はー、でも気持ちいい。

 半身浴だと思えば悪くない。

 石鹸もいい香り。優しい花の香だ。

 ふぅ……。

 誘拐されたときはびっくりしたけど、こうして風呂に入るための寄り道だと思えばいい思い出。

 ハズレ魔石のお土産もあるし。ふふふ。はー、誘拐されてみるものね。

 って、誘拐はされちゃ駄目か。うん。いつもハズレ魔石が手に入るわけじゃないし。

 みんな心配しただろうし。あれ?

 誘拐……とは違うけれど、私、日本から突然この世界に来ちゃったけど……。心配してるかな?

 ……誰が?私の……友達に、主人は連絡入れてないだろうなぁ……。

 日本から突然この世界に来ちゃったのも、まさか転移魔法じゃないよね?

 もし、転移魔法だとしたら、今回誘拐されたときと、送り返されたときと2回経験したけど……場所を指定して転移できるってことだよね?だったら、日本に向けて転移してもらうこともできるっていうこと?

 ああ!もしそうなら!

 聞いてみる価値はある。

 転移魔法について詳しいのは……誘拐犯……おっと、もう心を入れ替えてるから誘拐犯と呼ぶのは失礼かな?あっちの国の人たちだよね?

 聞けるチャンスあるかな?

 

■192

 風呂を出たら、ワンピースが用意されていた。

 ドレスのように豪華でもこてこてでもなくて、メイドが身に着けるようなシンプルなデザインのワンピースなんだけれど……。

 スカートが膝丈。おまけに色が水色……。エプロンつけたら、不思議の国のアリスのコスプレみたいになっちゃいそう……。せっかく用意してもらった服なので、文句は言えませんが、言えませんが……。

 三十路のアリスコスプレ、誰得ですかっ!涙目。

 キリカちゃんはピンクのワンピースでした。ふわぁ!かわいすぎる!かわいすぎる!

 ど、どうしよう。写真が撮りたい。

 カーツ君は、白のカッターシャツに黒の膝丈ズボン。長ズボンじゃないところが、子供らしくてかわいい!七五三みたい!って、ちょっとカーツ君に失礼か!

 風呂が終わったら夕飯。

「お口に合うといいんですけど」

 なんか、めちゃくちゃ長いテーブルの端っこを使った食事ですよ。

 40人くらいずらっと座れそうな長さのあるテーブル。

 貴族……って、いつもこんな食事風景なの?

 お誕生日席に、リリアンヌ様と、見知らぬ男性が腰かけ、その前に私とキリカちゃんとカーツ君が座っている。

 見知らぬ男性は、50歳前後に見える。……誰だろう?

 体つきはかなりいい。武人という印象を受ける。

 顔はかなりのイケオジです。武人っぽさは顔にも出ていて、りりしく引き締まった印象。すっきりと短くした髪は薄い茶色で、瞳も同じ薄茶。

 リリアンヌ様が30歳くらいに見えるから、親子?兄妹?似てないけれど。

「妻が、世話になったようだね」

 妻?

 つ、ま?

「え?リリアンヌ様、結婚してたんですか?」

 待って、ちょっと待って。

 だって、ローファスさんの大切な女性だって……。

 あ、大切な女性がいるのに結婚できなかったのは、人妻だから?

 な、わけ、ないよね?

 っていうか、リリアンヌ様も大切な女性だって言われて否定してなかったし、ローファスさんが原因で誘拐されたって旦那様は分かってるのかな?というか、シャーグは、人妻だと分かっていてリリアンヌ様を誘拐した?どういうこと?

 一夫多妻も一妻多夫も問題ないとか?

 人妻……でもオッケーな世界とか?……ううん、ダメ。やっぱり人妻は駄目でしょう!日本の倫理観だと、一夫多妻が許されてると言われてもはいそうですかとはどうしても思えない。

 ……。主人が別の人と子供を作ったこと……。もし、一夫多妻の国だったとしたら?

 私はどう感じたんだろう。離婚してくれと言われず、新しく一人奥さんが増えると言われたら……。

「あら、気が付きませんでしたか?ほら」

 と、リリアンヌ様が腕輪を見せてくれた。

 ああ、そういえば、結婚の腕輪とかがあるようなことを聞いた気がする。

 リリアンヌ様の旦那様の腕にもリリアンヌ様とおそろいの腕輪がはまっていた。

「お話は食べながらいたしましょう。冷めてしまってはせっかくの料理が台無しですからね」

 フランス料理のコースのように、1品ずつ運ばれているのをイメージしていたら、そうでもなく、普通にメインディッシュとスープとパンが一緒に出て来た。

 メインディッシュは何かの肉のステーキ。スープは野菜たっぷりのもの。パンは丸パン。

 貴族の食事と言っても、それほどの派手さはない。

 なんて、油断した。

「うっ、こ、これは……」

 ステーキを一切れ食べて絶句。

 香辛料だ!


てなわけでいつもご覧いただきありがとうございます。

一時期は、なろう版、ツギクル版、書籍版、カクヨム版と、4方向にのびていて話が同時進行で何やってんだろう状態でした……。ふふ、懐かしいのぉ。


と、いうわけで、本編再開までしばらくツギクル版をお楽しみください。

番外編ばかり載せるなだとかいうご意見は必要ありません。読みたい人だけ読んでください。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 4方向だったのか……。 というかツギクル削除済み? ……まあ、書籍化してるもんな……いや確認はしないとな。 書籍化ほうこくからも何度もツギクル話してたし。
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