表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました【web版】  作者: 富士とまと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

306/343

閑話*日本では

すごく腹が立つ内容です。

 マンションの住民の目が俺を嘲笑っているようだ。

 朝、ゴミを出す。

 ゴミ置き場のじじぃどもの目。

 定年退職してマンションの自主管理と称して暇つぶしをするクズども。

 ごみの番が自主管理か?

 はっ。男がゴミ出しなんてと憐れんでいるのかもしれないが、俺から見ればお前たちの方がよほどみじめに見えるがな。

「おはようございます。いつもありがとうございます」

 ああ、確か上の階のやつが俺の前にゴミを出しに行っている。

 年は俺とそう変わらないはずだ。

 作業着を着ているから、今から出社なのだろう。

 作業着……ぷっ。ブルーカラーの人間だもんな。そりゃゴミ出しくらい率先してやらなきゃ結婚もできなかっただろう。底辺は誰も大変だな。

「ああ、今日はプラスチックごみの日だよ」

 ほーら、始まった。

 定年退職したじじいどものゴミチェック。

 間違えている人間を捕まえると鬼の首を取ったように話始めるんだ。

 自分たちは警察にでもなったつもりか。

 たかがゴミ番のくせに。

「ああ!そうでしたね!」

「どうしたんですか、伊藤さんらしくない」

「いや、実は妻が出産のために里帰りしてまして……」

「おお、それはおめでたいですね」

「はい。ありがとうございます。ですが、妻が家にいないとありがたさをひしひしと感じますよ。僕はいつも用意されたごみを出すだけでゴミ出しをしているつもりになっていたんだなーとか、反省しきりです」

「一人目かい?だったら、今の間に色々と覚えておくといいよ。本当に育児は大変だからね。イクメンなんて言われてやってるつもりのやつらも多いみたいだからなぁ。いや、私も何度も離婚されそうになって、この年になって……自分の娘みたいな年の子たちが話をしているのを聞いて反省してねぇ」

 じじいども、若い奥さんたちと話をして、うけを狙って話を合わせてるってことか?

 すけべじじいが。ろくでもないな。

 何が反省だ。

「まぁ、伊藤さんなら大丈夫よねぇ」

 隣の部屋の奥さんが現れた。

「なんでも、部長への昇進の話を、子供が生まれるからって断ったんですって?」

 部長だと?

 この俺でさえ、まだ課長だというのに。

 って、まぁ、ブルーカラーだし、どうせ中小企業の部長だろう。俺の会社は社員数何千人もいて、マザーズとはいえ上場企業だからな。

「あ、まぁ。部長になると、あちこち出張で家を空けることも多くなりますし……」

「まぁ、もったいない話ねぇ。だって、伊藤さん◯◯にお勤めよね?◯◯の部長なんて、給料も上がるでしょうし」

 は?

 ◯◯?

 東証一部上場企業の、◯◯か?

 いや、待て。いくら◯◯といえど、しょせん作業着で仕事するブルーカラーだろ。

「今でも生活は十分できますし、それに、現場を見るのが好きなんですよ。ずっと部屋に籠って書類とにらめっこしていると肩がこるので」

「ふふふ、現場がよく見える立派な人だって評価されてるって聞いてるわよ~。よく奥さんがのろけてるもの。ああ、そうだ。奥さんと話ていて、昔使っていたベビーグッズを差し上げる話になっていたのだったわ。時間がある時に取りに来て」

「ありがとうございます」

 頭を下げる伊藤。

 部長の座を蹴って育児だと?

 馬鹿じゃないか。

 いくら◯◯の社員でも、ただの馬鹿だ。

 それで、お古のベビーグッズをもらって喜ぶとか、みっともない。

 恥ずかしい男だな。

「あら、間違えて持って来たの?いいわ。今度一緒に出しておいてあげるから。貸しなさい」

「ええ?いいんですか?」

「もちろんよ。その代り、赤ちゃんの顔見せてよ~」

「はい、もちろんです。色々教えてください」

 2人が去ってから、ゴミをゴミ置き場に置く。

「あー、困るよ」

 じじいが俺の持って来たゴミを見て顔をしかめる。

 クソ、俺は間違えてないのに、何がダメだ。

「ペットボトルの中身が残っているじゃないか。こういうのまぜられるとだめなんだ」

 ゴミ警察め。

 クソうるさい。

「そうですか。中身が残っていてはダメだとは知らなかったので」

「知らない?常識じゃないか。ちゃんと覚えておいてくれないと困るよ」

 うるさい。うるさい。

「じゃぁ、今中身を捨てますね」

「困る困る。こんなところで捨てられたら困るよ。ちゃんと部屋で流しで捨ててくれないと。虫も寄ってくるし、べたべたするし匂いも……もしかして、時々このあたりを汚してるのはおたくか?」

 はぁ?

「いえ、中身が入っていてはダメだと今知ったところなので、汚すわけないですよね?」

「そうか。まー、どっちもどっちだが。とにかく、これ、持って帰って、中身捨ててもう一度持ってきて」

 何だと?

 くそっ!

 俺たちのやり取りを聞いていただろうに、隣のおばさんは「いいわよー、私がやっておいてあげる」と、俺には言わないのか。

 なんでだ?

 俺だって今から仕事だ。

 俺が一部上場企業の社員じゃないからって、馬鹿にしてるのか?

 見てろよ。俺の方が早く部長になってやるからな。

 くそっ。

 誰もかれも俺のこと馬鹿にしやがって。

 

ブルーカラーホワイトカラーと言う人間は大嫌いです。

企業の名前だけで態度を変える人大嫌いです。

この旦那、本当どこまで歪んでるのか……怖い怖い。現実にこういう人間いるのが怖い怖い。


不快な気持ちになった人はカフェオレはエリクサーで一息のんびりしてください<(_ _)>

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[気になる点] 作者はダンナみたいな人に何かされたんだろうか? ちと心配。
[一言] ふっ…(嘲笑 器の小さいみみっちい男。
[一言] すいません、個人的に本編以上にこのおとこが痛い目に合うのが見ごたえあります
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ