244 もちもちっと
ダダだと走ってぴょんと飛んでドーンと踏みつける感じです。1つ目2つ目の部屋で編み出したキリカちゃん流モグラたたき。
走り寄って武器を構えてという動作をするより速いし、勢いがつくのでそこそこ攻撃力もあるみたいです。
が、飛び出したモグラの大きさは1つ目の部屋が50mlペットボトル、2つ目の部屋が2Lペットボトルサイズでしたが、3つ目の部屋は10キロの米袋サイズと、大きくなっていた。
キリカちゃんの一撃ではどうもやっつけられなかったようです。
「んー、えい、えいっ!」
キリカちゃんがモグラの上で2,3ど飛び跳ねると、モグラは消滅した。
そして、ころりと落ちる、土の魔石。
「あー、あたりかぁ……」
カーツ君が残念そうな声を出す。
「ほんとなの、当たりだったのよ」
キリカちゃんも残念そうだ。
あれ?
当たりのはずなのに、残念ってどういうことだろう……。
もちろん、私もがっかりしてますが。おかしい。
なんだか、どうにも、おかしい……。
「出た!」
壁から黄色のモグラが出ました。カーツ君が短剣を構えて壁にアタック。
モグラは1激で消えた。
ざらざらざらざらざらざら……。
わーっ、なんか、これって、これって!
いっぱい出たよ、いっぱい豆が!
慌ててカーツ君が両手で受け止めるけれど、だいぶ零れ落ちた。そして零れ落ちたものは触れてないので、しばらくすると消えていく。
せ、せっかくの豆が!
「これ、大豆だ」
カーツ君の言葉に、ダイーズ君が。
「はい?」
と返事を。もう、いいから、ね?慣れよう。誰もダイーズ君のこと呼び捨てにしないから。大豆って言ったら、ダイーズじゃないよ。
うーん。
二人一組になって、一人が倒して、もう一人が鍋かなにか器を持って豆を受け止める。受け止めた豆にやっつけたほうが手を入れて触れていくというような形にしないとダメそうですね……。
そうすると、壁から出てきたモグラをたたくのが一番効率がいいかな?床だと、そのまま豆が床に散らばりそうだし。
と、提案して鍋を持ってくる。二人一組は、カーツ君とキリカちゃん。私とダイーズ君になった。
「僕が受け止めましょう」
「じゃあ、途中で交代しながらしましょうか」
ということで、二人で壁からモグラが出てきたら走り寄る。
「えいっ」
ぽこんと木の棒でたたけばすぐにモグラは倒せる。
うん、木の棒の攻撃力すごいな。決して強くたたいているわけじゃないのに。
「あ、当たりだ。いや、ハズレなのであたりですね!」
ダイーズ君、もはや当たりなのかハズレなのか誰にもわからない言い方をし始めた。気持ちはわかる。当たりよりもハズレ魔石が私たちには当たり。
ざらざらざらざらと落ちてくる豆。
なんかに似てる……。
ああ、そうだ。パチンコの玉が落ちてくるみたいな感じに見えないこともない。まぁ、パチンコやったことはないんだけど。
急いで鍋に手を突っ込んでわわわとかき混ぜてなるべくたくさん触れる。
はー、倒すのは楽なのに、これ、結構疲れる。
「これは小豆ですね」
うん、小豆ですね。……砂糖は貴重品だから餡子を作るにもぜんざいを作るにも、そんなに頻繁には無理だろうなぁ。この調子でたくさん小豆が取れたらどうしよう。赤飯……を作るにしても、もち米ないしなぁ。もち米って、豆じゃないから出てこないかなぁ……。不思議なダンジョンの上の畑にはもち米なかったよね……。うーん。うるち米の米はまずい麦として普通にこの世界にあるみたいだから、もち米もどっかにあるのかな?
お餅にして食べたいなぁ。あんころ餅……大豆もあるんだから、黄な粉餅も食べられるね。
チーズ乗せても美味しいよね。って、チーズがないんだ。チーズ……。
牛乳がほしい。
乳製品が食べたい。
山羊のミルクは存在しているんだよね。山羊チーズとかないのかなぁ……無理かなぁ。
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