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【書籍化】ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました【web版】  作者: 富士とまと


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239 夢ー

「うわぁ、すげぇ!はふはふ、熱っ、すげぇ!」

 カーツ君、あんまり慌てると火傷しますよっ!

「すごいのよ、キリカ、前の焼きおにいいもすごくおいしかったけど、こっちはもっともっとおいしいの!」

「色々と材料が増えたからね。焼きおにぎりだけでも、他にも色々作れるのよ。味噌とネギの焼きおにぎりとか、生姜を使ったものとか。材料がないから難しいけれど……。

 カーツ君が目をキラキラさせている。

「俺さ、ローファスさんみたいな冒険者になりたいって夢があって……」

 はい、そう言っていましたね。

「でさ、本当にローファスさんみたいにS級冒険者になれたら、よく考えたらその後のこと全然考えてなくて」

 はあ、そうですね、ローファスさんのように若くしてS級まで上り詰めたとしたら、人生その後まだ長いですよね。

「俺さ、新しい夢できた。世界中の知らない食べ物探す。そんで、ユーリ姉ちゃんに持って帰ってくる」

「キリカも!キリカも世界中のハズレ魔石とハズレポーション集めて、ユーリお姉ちゃんにあげるのよっ!」

 あれ?

 私、映像が頭に浮かんだ。

 大きくなったカーツ君やキリカちゃんが、私の元に「いいもの見つけたぜ」「キリカも!」と二人で一緒に戻ってくる映像。

 ……ああ、そういうの、私も望んでいるのかな。

 うん、夢か。

 色々変化する夢。将来の希望。

 私……みんなの帰りを待つのもいいかもしれない。

 ん?

 待って、それは夢じゃないよね?

 ただ待つだけ?それは、違うよね。○○しながら待つの、○○が思い浮かばない。

 初級ダンジョンで冒険しながら日々暮らしているのか、食堂でも開いているのか……それとも、小屋の管理人として新しく子供たちにダンジョンルールを教えているのか。

 うーん。私、まだ何も夢が思い浮かんでないんだ。まぁいいや。焦らないって決めたから。レベル10になることを今は目標として。魔法が使えるようになってから考えたっていい。どんな魔法が使えるかによってもできることが変わるはずだし。

 ふ、ふふふ。

 まだ、この世界に来てから半年もたってない。1カ月ちょっと?数えてないけれど、2か月たったかたたないか。

 やっとほんの少しだけこの世界のことが分かるようになっただけだもん。本当。焦っても仕方がない。

 あ、でも……2か月たってないって言ったって……。

 どうしよう。

 離婚しなくちゃ。赤ちゃんはお腹の中で成長してるよね……。父親のいない子になってしまう。それはだめ。

 どうしたらいいの?

 夢とか将来の生き方とか、それよりも前に、どうしたら離婚できるのか考えないと。

 いっそのこと、勝手に私の名前書いてはんこ押してくれていればいいのに……。

 あはは。そっか。

 離婚、したいんだ、私。

 しなくちゃいけないっていうよりも、離婚したい……。

 もう、こうして、思い出してどうしようと思うこともなく……気にしなくていい過去にしたいんだ。

 んー、離婚したいけど、かといって、日本に帰りたくはないなぁ。

 両親もいないし。天涯孤独で……。友達と会えないのは寂しいけれど。

 んー。帰らずに離婚する方法……。

 電話とかファックスとか……そういうのでも駄目だよね。手紙が出せれば……離婚届送ってもらって記入して送り返せれば……。

 世界を越えて手紙を運んでくれる伝書鳩みたいなのがいればいいのにね。

「ありがとう、二人とも。私は、いっぱいおいしい物作れるように頑張るね!」

 例えば、ケチャップとかカレールーとか、日本だと買ってしまえば済んだものを何とか再現するとか……。

 あ。

 それが、私の夢というのはどうだろう?

 いや、だけど、それは趣味の範囲になるのかな?うーん。

 食品会社の社員であれば、味の研究が仕事になるんだろうけど……。

 まぁいいや。

「おいしいね、焼きおにぎり」

「うん、おいしいのよ!」

「おいしいです!

「うまい!もう1個!」

 さて。それぞれ自分の分は自分で焼きおにぎりを作ったから、補正値、私はマックスついてます。

 キリカちゃんが2でカーツくんが1ついてるはずで、ダイーズ君はどうだろう。ローファスさんやブライスくんは補正値つかなかったから、ダイーズ君もついてないかな?

 何の規則性があるのかいまだに分からないけれど。もしかすると料理の回数でレベルが上がるのかもと思っていたりする。単に普段料理していたかどうかではなく、醤油を使って料理した回数とか……。そう考えると私のレベルマックスは頷けるし、キリカちゃんが一番お手伝いしてくれてるから、レベル2なのも分かる。カーツくんも少し手伝ってくれてるからレベル1。他の人は、醤油を使って料理をしたことがないからレベルは0のまま。

 ……という仮説はどうだろう。

 とすると、日本人がこっちに来ればほとんどレベルマックスの10じゃないかな。

 ……だって、たぶん、豆腐に醤油かけただけとかでも料理認定だと思うんだ……。


いつもありがとうございます。


そして、コミカライズ版から探してきてくださった方初めまして。

小説版1~3巻発売中です。4巻は12月発売予定。予約はすでにスタートしております。

よろしくお願いします。

書籍版は、1巻はほぼなろう版と同じ。2巻はちょっと違う。3巻はかなり違う。4巻はまるっきり違う。という感じなのです。というわけで、更新遅いな、もっと読みたいと思ってくださる方には3巻からがおすすめです。


(*'ω'*)一つの作品で何度もおいしい?

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― 新着の感想 ―
[一言] この世界、お湯を入れただけで料理認定でしたね
[良い点] 行方不明だから数カ月後には……。 [気になる点] 失踪届?とか無しではだめだっけか……。 [一言] ……その前に某氏が死にそう。
[一言] 食べる量によっての違いが無い? ユーリは全部入りをひとかけらでも食べれば最大効果だし。小豆一粒サイズの、各効果サプリが出来上がる!
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