219 燻製肉?はて……
「ほら、この、見えないけど、ここらへんにある……」
なんて説明すればいいの?
「そう口と鼻を抑えると、苦しくなりますよね?それは、人がこの見えない空気を吸ったり吐いたりしているからで」
というと、ハンノマさんが唇を尖らせて、ふーっと空気を吐き出した。
「これが、空気か。風の元?ふむふむ。空気の出入りがないように密閉か……それにゴムが使えるんじゃな。なるほど」
ハンノマさんがむひひと楽しそうな顔をしている。
「これは師匠には作れぬな。ゴムがないんじゃからな。ふふふ。分かった、嬢ちゃん、圧力鍋、ワシが何としても作ってやろう」
え?作れるの?仕組み全然分からないよね?
「しかし、えぐいものを考えるもんじゃ」
えぐい?
今の話のどこにえぐさが?
「さて、嬢ちゃんの武器じゃったな。気に入ったものを手に取って持つといい」
と、店に並んでいる武器、それから奥からいくつか持ってきた武器でサイズ的に怪我しそうにないものを手あたり次第手にしてみる。
「うぐ、」
「はぐぅ」
「うぎゅぎゅ」
も、持ち上がらない……。
大きな剣は重そうだから、持ち上がらないのは分かるけれど、刃渡りじゃない、刀身が40センチほどの小さめの剣も持ち上がらない。
ってことはナイフかな。うん、ナイフにしたらいいのかも。
と、手を伸ばす。
バチンッ。
「ふわっ」
静電気!
あーびっくりした。もう一度手を伸ばす。
バチンッ。
「あうっ」
え?また静電気?
「うーむ、これはこれは……」
ハンノマさんが頭をかいた。
「ワシの武器はな、適性がないと持つことすらできないようになっておるんじゃ」
「適正?」
「まぁ、一番簡単なことで言えばレベルが足りないとか。嬢ちゃんの今のレベルはいくつじゃ?」
レベルが足りない……って……。
「5です」
「5?おかしいな。このあたりの武器なら、レベル4あれば持つことができるはずじゃが……」
ハンノマさんがナイフを手に取る。
えーっと、えーっと、私、やっぱり、レベル5だけど最弱……。
「だとすると、足りないのはなんじゃろうな?ナイフを手にした回数か、ナイフの使い方技術面がまだ未熟なのか……単純に体力、腕力、力が足りないのか、それともナイフや剣などではなく、槍や弓に適しているとか?」
ん?
「あの、この間買わせていただいた包丁、利用者登録がされているわけではなく、もしかしてローファスさんが使えなかったのは、包丁を握ったことがないからとか、でしょうか?」
「そうじゃろうな」
ってことは、あれ?お金を出した持ち主が使えない包丁……。普通の包丁で訓練させて使えるようにしたほうがいい?
「嬢ちゃんは普段から料理をしていたから使えたんじゃろう」
はい。料理歴はそこそこ長いです。10年は超えてます。小学校の調理実習から数えたら年数だけならほぼ20年……。
「とりあえず、何に適性があるか分からないからな。全部触ってみるといい」
ということで、自分が使いたいと思う物でなく、店の中のもの、大きくて持てそうにない剣にも、槍や弓、レイピアとかいう細い剣、いろいろなものに触り続けた。
「ふーむ、困ったのぉ……」
ハンノマさんが頭を抱えた。
すいません……。
「ちょっと休憩しようかの。散らかっておるが、お茶のセットは奥にあるから来てくれぬか」
と、工房ゾーンに招かれた。小さなテーブルセットに腰かける。
「あのね、お土産あるのよ!」
キリカちゃんがベーコンを取り出してハンノマさんに手渡す。
「おお、ありがとうな。干し肉?ちょっと干し方が足りぬようじゃが?」
「干し肉ではなくて、燻製肉と言います。えーっと、4,5日くらいしか日持ちしませんから早めに食べてください」
「燻製肉?はて、燻製とはどこかで聞いたことがあるが、こんなんじゃったかの?」
ハンノマさんがテーブルの上に置いてあったナイフでベーコンの塊、燻製肉を少しそぎ落とす。
「柔らかいの。どれどれ」
ぱくん。
すすすすすす、すいませせせーーーーーんっ
スライディング土下座……。
燻製、ブライス君が昔作ってました。
忘れてました。あ、、でも、その、ユーリさんの作ってるのとまるっきり出来上がりが別物みたいなあれで……えへっ。
あと、煙出すの一般的じゃないので……てへ。
っていうのを、ごにょごにょ。修正する機会があたら、辻褄合わせます。
(´・ω・`)うぐぐぐ。ぶっちゃけ、コミカライズのネーム見て思い出したね。
……あはっ。
ぐにゅ。
許してくださる心優しい方は今後ともよろしくお願いします。
(=゜ω゜)ノ




