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194 ウサギおいし

「骨はどうする?」

 骨?兎の?

 そうか、鶏ガラスープは作ったね。骨も料理になるってカーツ君は覚えていて。兎……の骨の料理は聞いたことがないな。

 それに、鶏がらスープっぽいもの作ろうと思ったら何時間も煮込まないといけないからどちらにしても作る時間はない。

「今日は使わないから、えーっと、普通に捨ててくれる?」

「ん、分かった」

 ハンノマさんが首をかしげる。

「骨?何の武器にするつもりじゃ?」

 武器?骨を?骨でぶったたくの?

「骨を使うのは本職じゃないが、矢じりか?釣り針か?作ってやるぞ?」

 ああ、なるほど!そういう武器!

「あのね、釣り針はあるし、弓矢は使わないからいらないのよ」

「じゃぁ、何に骨を使うんじゃ?」

 料理です。って、説明すると長くなりそう。せっかく泡立てたメレンゲが……。

「あの、ハンノマさん、もしお手伝いしてくださると言うのでしたら、猪の解体を手伝っていただいてよろしいでしょうか?子供達だけだと大変なので」

「分かった。お安い御用だ」

 と、ハンノマさんはキリカちゃんと出て行った。カーツ君は兎を肉にして骨を持って出て行った。

 メレンゲと他の材料混ぜてフライパンで焼きます。ふっくらふわふわのパンケーキができるよ。

 ふふふ。

 その間に、肉料理。どうしよう。ハンノマさんが食べるのなら、ポーション類は封印だ。

 ……。まだ、あったな。麻痺回避草山わさび。

 よし。山わさびと蜂蜜と塩。うん。よし。麻痺回避草は普通に麻痺したときとか口に入れてるわけだし。それにいまごろは火を通すと辛味が飛ぶとか王立薬研究所で研究が始まってるよね?えーっと、サーガさん経由で話を聞いて火を通してみた適なこと言えばなんとでもなりそう。

 てなわけで、肉に蜂蜜。山わさびのすりおろし。焼くときに塩。塩で漬け込むと水分抜けて固くなるから仕上げにね。

 パンケーキは甘いから、パンも用意した方がいいかな。こうなってくると、何も野菜がないのも寂しいね。

 食糧庫から人参持ってきて塩ゆでにする。

「できましたよー」

 小屋の外に出て声を張り上げると、3人が小屋に戻ってきた。

「ハンノマさんちゃんと手を洗うのよ」

 と、キリカちゃんがハンノマさんを指導している。ふふ。

「あれはなんじゃ?」

 ハンノマさんは手を洗うと、興奮気味に小屋の中に入ってきた。

「あれとは?あ、冷めてしまうので話は食事をしながらでいいですか?」

 と、皆がテーブルに着いたところで、いただきます。

「パンケーキは甘いのでデザート代わりに後で食べた方がいいかもしれません。はちみつは好きなだけかけてね」

 テーブルには兎のハニーワサビ焼きとニンジンとパン。それからパンケーキ。何とも妙なラインナップになってしまった。

「うむ。いただくとするか」

 ハンノマさんが兎の肉にフォークを刺した。

「うご、こ、これは……」

 絶句している。

 口に合わなかったかな?

「兎じゃろう?とても兎の肉とは思えない柔らかさじゃ。焼くと硬くなるのに硬くないぞ?」

 蜂蜜は肉を柔らかくする効果があるもんね。

 あと、塩を後で使うと水分抜けずにジューシーに焼けるんだよね。

「それに、蜂蜜と、この何とも言えないさわやかな風味はなんじゃ?はじめて食べるぞ……うまいのぉ」

「うわー、おいしいのよ!いつものご飯にあうお肉も好きだけど、パンにあうこのお肉も好きなの!」

 うん、そうだね。山わさびを使っているけれど、蜂蜜使っているのでちょっと洋風寄りの味だ。パンとあうよね。

「うめぇ!ユーリ姉ちゃんの料理はなんでもうめぇ!」

 ほめ過ぎだよ、カーツ君。

「あ、そうだ、ハンノマさん、さっき言い掛けていたのは?」

「そうじゃった。あの猪を解体するときにこいつらが使っていた革袋のことじゃ。あれを使うとあっという間に皮が綺麗に剥げる。なんじゃありゃ」

 ああ、ブライス君が付与魔法をつけてくれたやつだ。

「えっと、火の魔法石と水の魔法石が使ってあってお湯が出るやつですよね?えーっと、新しいグッズのようで、えっと、冒険者ギルドで販売される?の?かな?」

 登録してどうのとか言ってたの、どこまで進んでいるかは分からないけれど。

「なぬ?最新グッズか!ローファスの坊主だな。あいつがさっそく買ってお前たちに渡したということか」

 違うけど、まぁ、否定も肯定もせずに笑っておこう。

「だが、水の魔法石と火の魔法石があればだれでも簡単に使えそうじゃが、わざわざ冒険者ギルドで販売?」

 ハンノマさんが首をかしげると、カーツ君が口を開いた。

「あのお湯の暖かさが大事なんだぞ。熱いと肉がゆだるし、冷たすぎたら皮が剥げない。安定してあの暖かさを出すのがポイントなんだぞ」


えーっと、まず一つ。

兎肉に関して、日本でも普通に食されます。昔はソーセージの原料にもなっていましたし。(知らなうちに食べてる人いっぱいいると思うよ)

それから、レシピもググるといっぱい出てきます。

どこで兎肉が売っているのか知っている人ならチャレンジしたことある人もいるのでは?

フランス料理だとか〇〇料理だとかヨーロッパなどでは高級食材だったりもしますし。

というわけで、兎を食べるなんてかわいそうと思った人もいるかと思うので特別ユーリが残虐なわけではないことをご理解ください。

私は、昔給食に出たソーセージの原材料見て「兎肉」と書いてあるの見て、それ以来ずっと「え?兎って、うさぎのこと?」と疑問をもっていたので、割と早い段階で兎食べたことある(原材料で使われてるソーセージのこと)と思ってまして……兎イコール食材の感覚がありました……皆さんはどうなんでしょうね?

さてもう一つ。

12月10日、ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました2巻が発売になります。

もうすでに早売りとかで並んでたりするのかな??土日はさんでたからさすがにないかな?

お金に余裕がある方、応援してくださる方、石油王の方、よろしければお手に取っていただけると嬉しいです。

お手に取ってくださった方々への感謝の気持ちをたくさん込めて3巻が出ることになったら、WEB版とは違うストーリーをお届けしたいと思っております。牢屋からざまぁを。無意識無双……。

出るといいな。3巻……。そのための宣伝でした。2巻よろしくなの!

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― 新着の感想 ―
[一言] 毎回美味しそうな物が出て困りますの!www 私自身は体調が悪くてあまり食べられないんですが、登場人物たちがおいしそうに食べているところを読んでは、こちらもお腹が満たされたような心もちになって…
[一言] うさぎソーセージは知らない(食べてても成分表示見てない)けど、処理済みなら少なくとも首は付いてないだろうから鳥肉とそうは変わらないと思う……けど分からない。 ……某氏、または仲良し友人がジ…
[気になる点] 誤変換:的な サーガさん経由で話を聞いて火を通してみた適なこと言えばなんとでもなりそう。
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