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【書籍化】ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました【web版】  作者: 富士とまと


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番外編 ハンノマの旅4

 ふむ。あの動き……。

 エルフの弓術に似ておるな。

 誰に教えてもらったのか?

 いや、それよりも……。

 弓……か。

 嬢ちゃんに教えてもらったゴムを使った武器……。弓が得意な人間なら、すぐに使いこなすことができるようになるんじゃないか?

 弓ほどの威力は出るのだろうか?弓と比べて狙いはつけやすいのだろうか?

 武器の利点は?

 利点は……矢がいらぬな。

 ふむ。

 矢じりだけでいいんじゃないのか?

 だとすれば、矢を何本も持ち歩くよりもよほどたくさんの数を持ち歩けるようになる。いや、だが、矢じりだけじゃぁ、打ち損じたものを回収する手間がかかるか……だとすると、矢じりよりももっと回収しなくてもよいものがあればいいわけじゃな?

 ……石。

 やはり石か。

 だが、ただの石では、形も不ぞろいだし軌道が石ごとに左右されては狙いが定めにくいじゃろう。

 そうじゃ、ハズレ魔石ならどうじゃろう?同じモンスターからドロップする魔石は大きさがそろっておったはずじゃ。ハズレも大きさや形がそろっておるんじゃないか?

 だとしたら、使いやすいはずじゃな。

 うむ。

 なんのハズレ魔石なら使えるじゃろう。

 強すぎるモンスターから出るものでは、集めるのも大変じゃ。値段も上がるから実用的ではないな。

 ポーション畑のモンスターくらいのモンスターで冒険者見習いでも倒せるくらいがいい。

 ふむ。確か、土の魔石を出すモンスターは弱かったはずじゃ。どこのダンジョンに出たんじゃったかな?

 土の魔石は人気がないからのぉ。土の魔石しか出ないようなダンジョンなら放置されておるんじゃなかったかの。

 と、考え事をしている間にダイーズ君が矢を放った。

 勢いよく飛んで行った矢は、まっすぐ何かに……。

 って、アレは獣じゃない!

 モンスターじゃないか!

 なぜダンジョンじゃなくてこんな森の中に出るんじゃ?まさか、スタンピード?モンスターの暴走か?

 いや、それにしては数がそれほどでもない。

「ほら、おじさん見て!不思議でしょう?消えるよ」

「何てことだ!」

 ダリーズの放った矢が頭に突き刺さった中級モンスターである。

 何故、森の中で倒したモンスターが、ダンジョンの中で倒されたように消えるんじゃ?

「おじさんは危ないからここで待ってて。通り道の獣やっつけてくるよ」

「おい、ダイーズ、待て!」

 ダイーズが弓を構えて、危険だと言う赤い布の先の土地に走っていった。

 弓を構えて放つ。

 おお、また中級モンスターに刺さって一矢で倒してしまったぞ。

 中級モンスターを単独で倒すには、冒険者でもD……いや、Cランクでなければ難しいと言うのに。

 ダイーズは、子どもに見えるがもしかしてすでにC級レベルの冒険者なのか?

 いや、そんなはずはないな。

 C級冒険者であれば、噂くらいで聞いて知っているだろう。

「平地ダンジョン……」

 通常のダンジョンは洞窟のような穴の中にある。

 ものによっては山の中を登っていくように階層のあるものや、地下を掘り進んだかのように階層があるものがある。

 階層がないだけでなく、通路もないただの空間が広がるだけのダンジョンもあるが、通常弱いダンジョンしか出ないため、冒険者ではなく冒険者見習いがレベルを上げる場所として活用されている。

 そのどれもは入り口があり、そこからがダンジョンなのだと分かりやすい作りになっている。

 しかし、ほんの稀にだが、洞窟ではなく、森や平原などにダンジョンがあることがある。

 それを平地ダンジョンと読んでいる。

 ダンジョンとダンジョンの外との区別は見た目だけでは分からない。

 知らない間にダンジョンに入り込んでしまうのが平地ダンジョンの恐ろしいところだ。

 初級ダンジョンですら、冒険者でない者が入り込めばモンスターにあっという間に襲われて命を落としてしまうだろう。

 そして、ここにあるような中級モンスターが出るような中級ダンジョンであれば……。

 一人で足を踏み入れるのであれば、冒険者でいえばC級以上でなければ生きて出てこられるか分からない。

「おっと、こうしてはいられない」

 いくらC級冒険者だとしても、まさかの事態が起きれば一人で対処できないこともある。

 ワシは幸いにしてA級冒険者レベルの実力を持っているからな。

 寿命が長いドワーフという種族であり、武器の素材採取を自分で行いたいというタイプであれば、気が付けばレベルは上がる。

 そういえば、師匠はふらふらふらふらと素材探しの旅を続けているんだったな。

 師匠に聞けば、もしかするとゴムの木を知っているかもしれないか?


いつもありがとうございます。

さて、今後の方針が決定したのでお知らせいたします。

数日「番外編」としてダイーズ君とハンノマさんの話を書いてきましたが、これ、本編につながります。

えー、なので、番外編というよりは別視点という位置づけです。

ややこしくてごめんなさい。途中で決めたので。

というわけで、読み飛ばし中の方は、読んでね。



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