表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化】ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました【web版】  作者: 富士とまと


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

206/343

188 アレルギーとか大丈夫なのでしょうか

「どういうことって?」

「キリカちゃん、私ね、8歳の時においしさのあまり初めて気を失ったのよ」

 うわー、8歳から!

 なんか、大変そうです。

「それ以来、美味しさのあまり気を失うことは年に1度……いや、2度、ううん、3度あるかないかなの……こんなに連続して気を失うことなんて、初めての経験よ……」

「あ、あの、大丈夫でしょうか?えっと、先ほどその、呪文を忘れてしまわれたようですし……毒は入っていませんが、何か体に合わないとか……」

 材料はオリーブオイル、小麦粉、砂糖。それからグミジャムはグミとMPポーション。

 問題があるとすれば……何かのアレルギー?

 有名なのは小麦粉アレルギーだけど、さすがにパンが主食のこの世界で今まで生活していて、気を失うのが年に1回程度だとすると違うよね。

 じゃぁ、グミ?

 あまり有名じゃないけれど、果物類にアレルギー反応が出る人はいる。

 キウイフルーツは離乳食では要注意果物だ。日本の子供たちにもキウイは与えたりしなかった。

 それから大人でもメロンを食べるとピリピリしたりかぶれたりする人もいるし……。

「ああ、そうだったわね。ごめんなさい呪文を忘れるなんて、私としたことが……。大丈夫よ。毒を疑ったりはしてませんからね。でも念のためステータスオープン」

 え!

 そういえば、毒とかそういうの、ステータスに表示されるんだっけ?耐毒効果とかも出たりするわけだし……。

 って、やばい、やばい。

 たぶん、私の作ったグミジャムの効果はまだ続いてる。

 命中率とかは、気が付かないかもしれないけど、MPの値は上から2番目。すごいスピードで回復してたら気が付くよね!

 あ、でも、すでにMAX回復してれば見つからない?ど、どうしよう

「状態開示」

 リリアンヌ様は、指でちょいっとステータス画面を動かすようなしぐさをして、一部を開示した。

「ほら、状態に、毒とか麻痺とか何にもないでしょう?」

「あ、はい、ありがとうございます」

「いちいち呪文唱えてから口に運ぶなんてめんどくさいものね」

 と、リリアンヌ様が再びキリカちゃんの作ったクッキーに手を伸ばした。

「あ」

 まだ食べるの?

 食べたら、また気絶したり……。

「あら、ごめんなさい。手が勝手に……。もう少しいただいてもよろしいかしら?」

 美女のほほえみ。魂抜けそうなくらい綺麗。

「あ、あの、よろしければこちらをどうぞ。知り合いの方へのお土産に持ってきたものなのですが、あいにく不在でしたので……」

 ハンノマさんに渡すつもりの包みをリリアンヌ様に差し出す。私たちのおやつ用に持ってきたものよりも、形の良いものを選んでハンカチに包んだものだ。

 泡だて器のお礼に、バンさんにあげようと思っていて忘れていた。

 ……っていうか、泡だて器が想像していたものとあまりにも違って、忘れていたことも今思い出した。

 ……。ちょっと、あの、正直、この世界の常識が私には分からないのです。鍛冶屋に何かを作ってもらうイコール、基本は武器を作ってもらうという気持ちでお願いするべき……なのかもしれない……。

 まだ、シフォンケーキの型とかプリンの型とか作ってほしいものいろいろあるんだけど……。プリンの型とかも巨大な頭にかぶるものとか作られたりしないだろうか?

 シフォンケーキの型も首にはめると弱点をガードできるとかわけのわからないものが出来上がったりしないだろうか……。いやいや、首をガードできても動きにくくて危険だよね。

「知り合いにあげる予定だったものを、私がもらってもいいのかしら?」

 リリアンヌ様が低い声を出す。

 うわ、何。ちょっと声に力が入ってる。あ、もしかして、高貴な人に、別の人にあげられなかったからあげるなんて、そんな使いまわしみたいなこと……。すごく失礼だったり?

「あの、使いまわしみたいで申し訳ないのですが……。その、今はこれしか持ち合わせが……なくて……」

「本当に、私がもらってもよろしいの?」

 ずいっとリリアンヌ様の体が前に出て、両手で私の手にあるハンカチの包みを手にした。

「はい」

「ふ、ふふふ、こんなおいしいものを食べられなかった知り合いというのは、不在にしていたのだから仕方がありませんよね?不在にした人が悪いのですから。私が自分の欲望に負けて奪い取ったわけではありません。そうですわよね?」

 目がギラリとしているのは、気のせい、気のせい。

 こんな綺麗な人の目が、ローファスさんやサーガさんのように見えるのは気のせい、気のせい。

「うん。あのね、いなかったから仕方ないのよ」

「いつ帰ってくるかも分からなかったから、置いておくわけにもいかなかったしな」

 キリカちゃんとカーツくんの言葉に、リリアンヌ様がそうよね、そうよね、そうよねと何度も頷いている。

いつもありがつございます。

予約投稿が全然してないのでーす。

というのもですね……ちょっと悩んでます。

と、そのこと書いたけど長くなったから消去。

とりあえず、2巻発売に向けて、すでに通販サイトで予約開始されているようですので、よろしくお願いします。


キリカ「よろしくなのー!キリカも、文字が読めるようになったら買うのよ!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ