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162 サーガさんとは会えないって忘れてた

「【契約 王立研究所に入るようなことがないように私のことは内緒にして お礼はご飯で】」

 思わず契約を口にする。

「「【契約成立】」」

 サーガさんとローファスさんの声がはもった。そして同時にオレンジ色の光が二人に吸い込まれていった。

 あら、一対一じゃなくても契約できるんだ。

 はー、なんだかぐったり精神的に疲れました。

 食事を終える。

「これ、なんだ?スープじゃないし、水とも違うし、果実水とも違うだろう?」

「ああ、リンゴの皮を煮出したんです。少しだけリンゴの風味が付いているでしょう?お茶の代わりというか」

「お茶?お茶って、貴族とかが飲むやつ?」

 うわー、またか!

「私の故郷では普通にみんな飲んでました!貴族とか関係ないですっ!と、とにかく、みんな普通にお茶とか飲んでたので、えーっと、水ばかりじゃちょっと飽きちゃうから、それで……」

「これ、いいな。気に入った!ありがとうな、ユーリ!」

「うん、キリカも気に入ったの。また頑張ってリンゴ取ってくるの!」

「無理はしちゃだめだよ、キリカちゃん、このリンゴはかつおb……あ、えーっと」

「あ、そうか、あの時は獣か」

 キリカちゃんの口をカーツ君が慌てて抑える。

「?いったい何の話ですか?」

「な、なんでもないの!えっと、今日は小屋で寝て明日の朝出ていくの?」

 へらっと笑ってごまかす。

 笑ってごまかすは日本人の得意技……。何を考えているのか分からなくて不気味っていう必殺技。

「私は、夕飯をいただいたらそのまま司令部テントに戻ります。日が暮れれば副官たちからの報告があるかと思いますので。今日の成果次第ですが、明日王都に向けて出ると思います。ただし、食料確保や王都への連絡そのほか準備を進めてからになりますので、出立は午後一になると思います」

「あー、俺は、明日の朝にはギルドに報告だな。バジリスクとクラーケンの肉の処理のこともある。いくらブライスが氷漬けにしたからと言って、何日もあのままってわけにはいかないからなぁ」

 はい、そうですね。あの場所であんなでっかいものが腐敗することを考えると……。

 あ、だめ。想像しちゃだめなやつだっ!

「朝にはギルドに報告っていうことは、朝ご飯食べて行くんですよね?サーガさんも食べますか?」

「いや、さすがに明日の朝は会議しつつの朝食になると思う」

 そうですよね。

「さぁ、ごちそうさん」

 ローファスさんが一番に立ち上がって、食器を片付ける。

 うん、あらいぐまが一生懸命お芋を洗っている姿に見える。ふふ、なごむ。

「ブライス、ちょい頼む。たぶんギルドに行ったら、そのまま王都へ行かされるだろうから……」

 ローファスさんがブライス君に声をかけています。

「分かりました。では後で行きますので。ローファスさんも多少は魔法使えるでしょう?」

「では、私も。ごちそうさまでした。ユーリちゃん。キリカちゃんとカーツくんも。おいしかったです」

 サーガさんが、私だけじゃなくて、料理を手伝ってくれたキリカちゃんとカーツ君にも笑顔を向けた。

「えへ、ありがとうなの。おいしいって言ってもらうとキリカ嬉しいの」

「お、俺も!また、食べに来てくれよな!それまでには、俺も何か一人で作れるようになってるからな!」

 また来てくれ?

 そうか!

 サーガさんは軍の人だ。

 何度も当たり前のように一緒にご飯食べていたから忘れそうだったけれど、本来は王都にいる人。

 今回はスタンビートじゃないや、スタンピードだっけ?なんかの対応のために3日かけて軍を率いてきたんだ。

 ……そんなに会うことがあるわけがない。

「あの、サーガさん、私も、もっとおいしい料理作れるように頑張ります。また、来てくださいね」

 せっかく知り合って、仲良くなったのに。もしかするともう一生会えないかもしれないと思うと急に寂しさがこみ上げてきた。

「もちろんですよ。次来るときは、養子手続き書類持ってこようかな」

「は?」

「冗談ですよ」

 サーガさんが楽しそうに笑って頭をなでてくれた。

 あ、子供扱い。うう、この頭のなで方、ローファスさんと似てる。……兄弟だしな。

 それに、もしかしてローファスさんはこうしてサーガさんの頭もなでていたのかもしれない。

 だとすると……。

 今はほとんど家に帰っていないけれど、昔は仲よく家族で生活していたのかな?

 兄弟が何人いるっていってたっけ?すごくたくさんなんだよね。養子を含めてだけど。

 ……いいなぁ、大家族。楽しそう。


いつもありがとうございます。

変な人しか出てこない不思議。

話がなかなか進まないので、ふぬっ。

早く街に行きたいズラ!

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