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【書籍化】ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました【web版】  作者: 富士とまと


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148 選べと?

「ユーリ、嘘だろう?」

「どうしたんですか、ローファスさんそんな青い顔をして」

 ふらふらとまるで病人のようなローファスさんに何があったのか。

「今日は卵食べられないって、嘘だろう?食べられるのは、明日?明後日?俺は……明日からしばらくここにいられないんだ……」

 ガクっ。

 心配して損した。そんなことか。

「今度来た時には、きっと卵がいっぱいあると思いますから、いろいろ卵料理作りますよ。一口しか食べられないよりも、おなかがいっぱいになるくらいたくさん食べられたほうがいいでしょう?」

 ローファスさんが両手で頭を押さえる。

「一口か、お腹いっぱいか……うぐぐ、今すぐか、お預けか……それを、俺に選べと……」

 ……。

 生きるか死ぬかそれが問題だくらい深刻な表情してますけど、そんな大した問題じゃないですよ。

 ほっときましょう。

 ほっときましょう?

 ほっとく。

 ほっとけ。

「ホットケーキ!」

 ベーキングパウダーなしの、卵を泡立てたホットケーキが作れるんじゃない?!

 材料は、卵。

 小麦粉。これは軍の物資から分けてもらったのがある。

 少量の塩。ある。

 砂糖。これはサーガさんが後でくれるっていう。

 いや、プレゼントとかじゃなくて、なんか、バジルとクラーケン料理でみんなを救ってくれた報奨金とかがもらえるらしいんだけど、冒険者カードに振り込まれるんだって。私と、もちろん一緒に頑張ったキリカちゃんとカーツくんのカードに。

 でも、カードに振り込まれても町に買い物に行く機会が限られてるから、現物で欲しいものを伝えたのですよ。

 砂糖。

 小さな壺1つ分らしいけれど、もらえるって。

 あとは、甘いジャムを乗せて食べたらおいしいよ。ホットケーキ。

 バターとかあると嬉しいけど、ないものは仕方がない。

 生クリームもあると嬉しいけど、ないものは仕方がない。

 ……って、あれですね。卵が手に入ると、次にほしいものは牛乳。牛乳があればプリンも作れる。

 バター、ヨーグルト、生クリーム、チーズ。おいしいものは牛乳でできてます。

「ぷっ。兄さん、ほっとけですって」

「ローファスさんの後ろからサーガさんが顔をのぞかせた」

 ローファスさんがガクっと膝をついた。

「ユーリ、ほっとけって、ひどいじゃないか……」

「そ、そんなこと言ってません」

 思ったけど。

 ほっときましょうって、思ったけど。目が泳ぐ。

「ホットケーキって言ったんです。故郷の料理というか、おやつで……」

「料理でなく、おやつですか?おやつって何ですか?」

「食べ物か?おやつって、食べ物だよな?」

 サーガさんとローファスさんが息を合わせておやつについて聞いてきた。

 あれ?

 おやつじゃ通じない?

「えーっと、お菓子っていうほどのものじゃないけれど、時には食事の代わりにもなったりするし……なんといえばいいのか……」

 ホットケーキは不思議な立ち位置の食べ物だよね。

 食事として食べることもある。パンケーキって呼ぶこともある。甘いものもあれば甘くないものもある。お菓子やデザートというにはもうちょっと庶民よりというか。やっぱり、おやつというのが一番ふさわしい食べ物のような気がする……。

「お、お、お菓子ですか?!」

 ひゃー。サーガさんの目が!

「食事の代わりか!でも食事じゃないのか?どんな食べ物なんだ!」

 ローファスさんはいつもの目だけど、サーガさんの目が、そのローファスさんみたいにぎらぎらしてます。

 ちょ、こんなところで血のつながりを発揮しなくてもいいんだよー。

「材料は、卵と小麦粉と砂糖と少しの塩でできるので、卵が増えて、砂糖が届いたら作りますね」

 サーガさんの目がギラギラを通り越して、ビームが出そうなほどの鋭さになった。

 ひゃー。視線で殺される!……って、こういう感じなの?

「砂糖を使うんですね!やはり、甘い食べ物……お菓子……」

「本当は、バターとかあるともっとおいしく食べられるんですけどね」

「バター?なんですか、バターって?」

 サーガさんの食いつきが……。

 そうですよね。スィーツとか好きな人には、新しいお菓子とか食べてみたくなりますよね。


ご覧いただきありがとうございます。


あ、今、そこのあなた、ちょっとだけ

「しばらくローファスさんいなくなるんだ、暑苦しくなくて助かる!」

と思いましたね?

……今年の夏は特に暑いですもんね……(+_+)


さて、今週から、月火、木金の更新と言いましたが、もう一度検討してみます。とりあえず次は月曜の予定です。

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