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【書籍化】ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました【web版】  作者: 富士とまと


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141 夏コミですな

 ふと、思い出す。

 芭瑠。オタクだった友達。泳げないけど、泳げるようになろうなんて思わないって。

 海もプールも川も、近づくつもりはないから泳げなくたって問題ないって言ってたんだよね。それと一緒。

 蛇型モンスターが出る場所には近づくつもりがないから、知らなくたっていいって、そう思うかもしれないけれど……。

 ある日芭瑠が言い出した。

「尊みがすごい!トールインウォーターっていうアニメの尊みがすごくて……。やばいっ!」

 って。なんでも、世界選手権連覇の王者が、万年入賞を逃すレベルの日本代表のトオル君のコーチをするという内容のアニメらしい。

 競技がシンクロ。男子シンクロ世界選手権シングルでの優勝を目指す話なんだけど……。

「聖地に行かねば、聖地に……。どうしよう、泳げないのに。あああ、水泳習うべきか……結梨は泳げたんだよね?教えてほしいっ」

 って。

 泳げなくてもいいやと言っていたのに、ある日突然泳ぐ必要があるなんてこともあるわけですよ。……まぁ、聖地っていうのが、モデルになったプールの中央付近のしかも水中らしいので……。

 なんでも、水中で二人が……えーっと、なんだったかな。そっから先は興奮しすぎた芭瑠が早口でまくし立ててたから、よく聞き取れなかったんだよね。

 とにかく、歴代ナンバーワンの名場面だとかなんだとか……。

 そういえば、私も海や川やプールに、結婚してから一度も言ってない。

 けれど、湖で水浴びしたり……うっかりブライス君には悪いことしてしまったあれね。あれからも1度水浴びしたよ。

 あれ?そういえば、水の魔法石と、火の魔法石でお風呂作れるんだよっ。入らなくちゃ。この騒動で忘れかけてたよ。大樽、なんかどっかで見たよ。見た。見た。

 それからえーっと、そうそう、レンコンの池にだいぶしたり……。あれは不可抗力。

 と、とにかく、日本にいた時には泳ぐ機会はなかったけれど、ここに来たら突然水に入ることも増えた。

 必要ないと思っていても、役に立つときはあるんだよ。


 それに……。

「ブライス君、それにキリカちゃんとカーツ君も聞いて。必要のないことっていうのは、世の中少ないの。特に知識というのは、無駄になることはないのよ。私には必要ない、僕には関係ないって、せっかく教えてもらえる機会があるのに、それを棒に振るのはもったいないの」

 ……というのは、なかなか気が付かないもので。

 私も、大人になってから、もっと学校で真面目にいろいろ勉強すればよかったと後悔した口です。

 ブライス君が私の顔を見た。

 ちょっと反省の色が見える。

「もしかすると、本当に一生使わない知識かもしれない。だけれど、あの時教えてもらえばよかったと後悔するよりはいいと思わない?」

「うん、キリカ分かった。いっぱいいろいろなこと知るの、キリカ大好きだよ」

「俺も。学校で何を教えてもらってるのか知らないけど、学校じゃなくたって、ブライス兄ちゃんやローファスさん、ユーリ姉ちゃんにたくさん教えてもらえるから、俺、ラッキーだよ」

 ニコニコとカーツ君が笑った。

 ああ。

 ぎゅーって抱きしめていいすか?

 そうだよ。

 学校に通えるのは裕福な子供たちだけ。

 学校に通えないどころか、ちゃんとした親すらいないカーツくんやキリカちゃんが……いろいろ学んで吸収してそれが、楽しいって。二人とも、ちゃんと分かってるんだね。いろいろ知るのが楽しいって。大切なことだって……。

 学校教育を漫然と受けて来た私の子供時代とは違うんだ。反省、反省。

「すいません、ユーリさん。僕はまた、間違えるところでした」

 ブライス君が頭を下げた。

「ううん、ブライス君は、私が蛇が苦手だからって、私のために気を使ってくれたんだもん。そういうやさしさだって、間違いじゃないよ。人のことを思って、その人にとってどうしたらいいのか考えられるのもとても大切なことだよ」

 と、そこまで言ったら……。

「ぶほっ」

 突然圧が。

 体がぎゅーって圧縮された。

 って、違う、何、これ、ローファスさんが私をぎゅーってしてる。

「ギ、ギブ、ギブっ」

 ローファスさんの腕を手でポンポンと叩く。

「ギブってなあに?」

 キリカちゃんがきょとんとしている。

 いや、だから、閉まる、苦しい……。

「ローファスさん、ユーリさんを離してくださいっ!苦しんでますっ」

 ブライス君がローファスさんの腕をひっつかんで引き離してくれた。

「げふっ、げふっ」


ご覧いただきありがとうございます。


本日、書籍発売でーす!うわぁい。


……っていうか、狙ったわけじゃないのに本日から3日間夏コミですね。

でもって、芭琉(オタクガール、悪役令嬢に転生する。の主人公璃々亜の前世)登場です!

あ、ご存知ない方は、腐女子妄想炸裂コメディ、夏コミのお供にどうですか。暇つぶしには最高の長編です……頭空っぽで読めます……。が、休載中……ははは。


って、まって、今日はハズレポーションの書籍発売の話を書かなくちゃいけないのに、何、夏コミとか、オタクガールの宣伝してたりしてんの?あああああ、混乱。


と、とにかく、よろしくなの!夏コミ帰りに、

とらのあな様とか、

ワンダーグー様とか、

ゲーマーズ様とか、

街ほん同盟加盟店様とか、

特典SSつきまーす。


それから、名古屋書店員懇親会にて、

赤池の本屋様

某本店様

未来屋書店

有松の本屋様

名古屋の本屋様

ちょっとかわった本屋様

に、手書き直筆POPをお渡ししてあります。もしかしたら店頭で見かけることがあるかもしれません。

よろしくお願いします。


もう一度、書籍のおすすめポイントを書いておくと……。

なろう版に加筆してあり、起承転結が1冊の中にはいっております。

その加筆部分に挿絵があって、ローファスさんとブライス君が素敵です。

他のページの挿絵もそれは美しいです。


あと、今までにない、書籍です。

ビックリしたんですが、今までは「1は一」「2は二」と、漢数字に直してと言われていたのですが、今回は、英数字のままです。英数字のままです。

直してと言われる前に直して初稿出したのですが、直し直されて原稿戻ってきました。ふふふ。こういう新しい発見があると楽しいですよー。


さて、ではでは!本屋でお手に取っていただけると嬉しいです。

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― 新着の感想 ―
[一言] 本編に迫る量のあとがきがヤバい日。
[良い点] ハズレポーション、面白いですね! 美味しいものが出てくるお話は大好きです。 [気になる点] 主人公の視点や趣旨があっちこっちに移動するのが読んでてやや苦しいです、多動の無いADHDの人との…
[一言] 「トールインウォーター」ってもしや元ネタは「ユーリ!!! on ICE」だったり……?
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