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【書籍化】ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました【web版】  作者: 富士とまと


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140 怖い想像と楽しそうなキリカちゃん

「サーガさんとの話合いで、その……、いろいろ問題が出てあきらめたとかじゃないの?私が考えても、これだけ毒性の強いコカトリスが万が一逃げたらと考えるだけで……下手したら国が亡ぶくらいの……」

 ……あ。

 ここまで言って、怖いこと考えちゃいました。

 国が亡ぶってことは、生物兵器……。細菌兵器……としてすごく有効なんじゃない?

 敵軍にコカトリス投入すれば、数日で敵軍は亡ぶ……とか……。こ、こわっ。

 あ、いやでも、国民もいなくなったらダメなんだよね。

 いくら国土が広がっても、その国土を耕す人間がいなければ、数年で荒れ地になり、下手したらモンスターが溢れて人類が亡ぶとか……。

 うん、そう。偉い人ならそれくらい想像できるよね。

 ってことで、まぁ、忘れよう。生物兵器的なことは、忘れよう。

「先ほども言いましたが、高度鑑定したら、毒のある部分、毒を発生する部分は尾だったんですよ」

 はい。蛇のとこですね。聞きました。

 キリカちゃんがぶらぶら揺らしているあれです。

「毒、毒~」

 楽しそうです。

 キリカちゃん……。なんで、そんなに楽し気なの……。

 ふと、小さいころ見た近所の猫を思い出しました。

 蛇で楽しそうに遊んでいました……。

 なんていうか、一息に仕留めずに、もてあそんでいる感じで……。あああああ。

 あの時ばかりはちょっとだけ蛇に同情しました……。でもって、俺、やったで!と自慢げに蛇を加えた猫を見て……蛇が毒蛇だったら、飼い主を守る立派な猫だと思いこむことにしたのです。

「そう、キリカ。そこが毒の部分だ。僕たちは運よく毒はもう平気になった。ここを卒業してダンジョンに入るようになったら、発情期にはコカトリスが出る場所には近づいちゃいけないよ」

「えー、俺ら、平気なら別にいいんじゃないか?」

 カーツ君がブライス君に尋ねる。

「いや、パーティーメンバーが皆平気とは限らないだろう。それに、もし万が一助けが必要な状態になっても、毒が原因で助けに行けないということがあるかもしれない」

 ああそうか。

 なるほど。

「あ、そうか。コカトリスだけじゃないもんな。強いモンスターにやられちゃうこともあるか!」

「わかった。キリカ、発情期にコカトリスが出る場所には近づかない」

 キリカちゃんが手を上げました。

 上げた手にぶらーんと蛇が揺れます。ううう。かわいいのに、キリカちゃんから目をそらさずにはいられません。

「まぁ、コカトリスが出るダンジョンは、発情期には閉鎖されるので、入ることはできないでしょうけどね」

「ブライス兄ちゃん、それ先に言ってくれよ!」

「ははは。ごめんごめん。で、問題は発情期以外でコカトリスに出会ったときなんだけど」

 問題?

「まだ、何か問題が?」

 コカトリス、そんなに厄介なモンスターなんだ。

「繁殖のために、捕獲してダンジョンから出す場合」

「え?本当に、繁殖させるの?」

 もう、私、卵あきらめるよ。

 だから、厄介なモンスターを繁殖なんてやめようよ!やめようよ!

「おーい、また1羽捕まえたぞー!」

 ぶらりーん。

 ローファスさんが、小屋に新しいコカトリスをぶら下げてきました。

「ちょうどいいです。たまには、タイミングよくあらわれることもあるんですね、ローファスさん」

「ん?たまに?俺って、いつもタイミングいいだろ?」

 まぁ、確かに、なんか、タイミングよく助けに来てくれることもありましたよね?

 いえ、もっと前に来てくれたら、あんな危険な目に合わなくて済んだ?っていうのはタイミングはよくありませんね?

 受け取り方次第でなんとでも言える……というか、なんというか。うーん。

「カーツも、キリカも、あ、ついでにローファスさんも、覚えておいてください」

 あれ?私は?

「ブライス君、私は?」

 ブライス君が私の顔を見てほほ笑んだ。

「コカトリスが出るダンジョンは、蛇型モンスターが多いダンジョンです。蛇が苦手だというのなら、ユーリさんは立ち入ることはないとは思いますが……」

 はい。

 覚えました。

 コカトリスの出るダンジョンには近づきません。

 で、でも……。

「確かに、私は蛇は苦手で、きっと、蛇型モンスターが多いダンジョンに入るようなことはしないけれど……」


お読みくださりありがとうございます。


■■じゃじゃーん■■


>>>>>明日、発売!<<<<<

興味のない方には申し訳ないのですが、書かせていただきます。

明日、ツギクルブックス様より「ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました」発売になります。

全国書店様及び各種通販サイトさまで購入可能となっております。

よろしくなのなのー。

おっと、発売を記念して、富士とまと個人的な(出版社ノータッチの)プレゼント企画をいつも通り行います。詳しくは明日のチラシを……じゃない、活動報告をご覧ください。


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