134 レベルアップの効果を実感!
「あ、俺もついてくよ!」
「キリカも行くー!」
3人ですか。
万が一モンスターが出たら……と、思ったけれど、怖がっていても仕方がない。
今なら何かあれば、ブライス君が魔法で飛んできてやっつけてくれるはず。
ローファスさんも異変に気が付いて駆けつけてくれるかもしれない。……コカトリスの魅力に目がくらんで、周りが見えていなければだけれど……。
あ、うん、期待しないでおこう。うん。
サーガさんの実力はよくわからないけれど……。
「じゃぁ、行こうか」
「すっ、すごい!」
畑に上って、思わず声が出ました。
「どうしたの、ユーリお姉ちゃん」
「息が……」
「え?お姉ちゃん、息が苦しいの?また、何か毒?」
ううんと大きく首を横に振る。
「違うの!畑まで登ってきたのに、息が苦しくない!なんか、体力上がった!」
「ああ、そういえばユーリ姉ちゃん、いつもより登るのも早かったよな?」
カーツ君に言われてはっとする。
確かにそうだ!
腕とか足とか、休めないと進めないこともあったけれど、テンポよく登れてしまった!
「レベルが上がったから、基礎能力が上がったんだろ」
カーツくんが何でもないことのように言う。
「え?」
レベルって、上がると、トレーニングしなくても体力が上がるの?
え?な、なに、それ……すごく便利じゃない?
楽してレベル上げて実力の伴わない最弱冒険者でも、一般人にしてみれば、体力ある人になれるってこと?
貴族とかが金で人を雇って、とどめだけさして能力あげるっていう話をローファスさんしてたよね?
ま、まさか、この世界、体力が金で買えるとは……。
……。ハンノマさんの包丁使ったら、またバンバンレベル上がるかな……。
ぶんぶんと首を横に振る。
だめだめ!
実力もないのにレベルだけ上げるのなんてダメ。
お金を使って体力を買うのが悪いとは言わないけれど、……この世界ではどうか分からないけれど、体力がある人とない人では病気をした時の回復力が違うし。
体力はあって邪魔にはならないから。
だけど、あくまでも私の目標は、立派じゃなくてもいいから、独り立ちできるだけの力を身に着けること。
自立すること。
だから、冒険者ですって言える最低限の実力も身に着けることが必要。
息が切れずに上り下りができるようになったなら、毎日畑に通って、自分の力でもちゃんと体力をつけよう。
「ねぇ、ユーリお姉ちゃん、この間の穴の開いてる面白い野菜はどこにあるの?」
あ、レンコンのことね。
「レンコンはこっちにあるのよ」
キリカちゃんとカーツ君を稲の向こうの池のような場所に案内する。
「もう畑ないぞ?」
「うわー、きれいなお花がさいてるの」
ふふ。そうよね。蓮の花って、大きくて見栄えがするよね。
「あの花の根っこ……あれ、レンコンって地下茎?なんだろう?とにかく、あの花の下にレンコンはあるんだよ。ニンジンや大根みたいに池の底の泥に埋まってるの」
「まじか!」
カーツ君が驚いた顔をする。
うん。そうだよねぇ。まさかそんなところに野菜があるなんてねぇ。
「どうやって取るんだ?」
「えっと、この間は手を伸ばして水の中から引っ張り出したんだけど……。今度からは池の中に入って引っ張り上げないとだめかなぁ……」
キリカちゃんが目を輝かせた。
「楽しそう!キリカ、やりたい!」
うーん。
「ちょっと深いからキリカちゃんじゃ無理かなぁ……。カーツ君も危険かも。私も、一人じゃ泥から抜け出せなくなると危険だし……。手が届く範囲以外は収穫むつかしいかなぁ……」
というと、キリカちゃんがしゅんとした。
いつおありがとうございます。
最近、あとがきが書籍の話ばかりですいません。
でも、発売日が近いので許してちょんまげー(死語)
どえりゃーうれるとうれしんだがね(名古屋弁)
名古屋圏作家本がベストセラーになれるよう、愛知岐阜三重の皆様よろしくなの。っていう謎のお願い……。あ、手書きポップを何点か書店様にお渡ししましたので、どこかで見かけたらよろしくね(*'ω'*)




