127 マタギになりたい彼氏を持つ友達再登場
ブライス君の言葉に、利用者登録だとすると、ハンノマさんにもう一度設定しなおしてもらえばいいのかな?
「レベルが足りないだと?俺の何がユーリに劣っているというのだ!腕力か?脚力か?俊敏性か?攻撃力か?防御力か?視力か?聴力か?HPか?MPか、いったいなんなんだ!」
……はい。すいません。そうですよね。レベル2の私に何か劣ってるかといわれてもねぇ。
「ユーリ、お前、ステータスで何か100以上あるやつ何があるんだ?」
え?100以上?
あったかな。包丁持つと補正値つくけど。
「ステータスオープン……あーーーーっ!」
思わず大声で叫んでしまった。
「どうした?」
「レ、レベルが……レ、レベルが……」
「レベルがどうしたんですか?」
ブライス君が心配そうな目でこちらを見た。
「レベルが、2だったはずなのに、4になってる!」
2から3になかなか上がらないと思ってたのに、一気に4になってるって、なんで?
「あー、そうか。バジリスク倒したからなぁ。たくさん経験値が入ったんだ。よかったな、ユーリ」
ローファスさんがなでなでと頭をなでてくれた。
え?
ままま、まって、全然倒したなんて実感ないんだけど……。
えーいっって、包丁投げただけだよ?
しかも、命中率アップに助けられてただけで私の腕がよかったわけでもないし。
こんなんでレベル上がるの?
ラッキーって思うべき?
っていうか、こんな風に運よくモンスター倒せちゃって、経験値増えてレベルアップしたら……。
「わ、私、最弱のレベル10……最弱の冒険者になっちゃうんじゃ……」
HPはレベル1のとき10、レベル2で15、レベル4になった今は38になった。38……わ、わーい?
わーいじゃないよね?
MPも16になった。……わーい?
いや、やっぱりわーいじゃないよね!
ローファスさんのHPは2300じゃなかった?ブライス君のMPって800じゃなかった?桁が、桁が違いすぎる。
「ははは。まぁうん、そういうやつもたまぁにいるな。パーティーメンバーが弱らせたモンスターにとどめだけさしてレベルを上げていくやつが。実力が伴わないからレベルは高くてもすんげー弱いやつな」
や、やっぱり……。
「どうしよう……」
「まぁ、こんなことそうそう起こるわけないし、もともとユーリの年齢ならレベル4くらいあってもおかしくないから、スタート地点ってことで?」
ああそうか。
うん。ボーナスみたいなもんだと思えばいいのか。
この世界で普通に過ごしてたら私の年齢ではレベル4くらいはあるはずね。そっか。それならいっか。
やっと普通になっただけで、最弱冒険者になるわけじゃないのか。
「あ、ステータスで100以上あるものでしたね、レベルアップに驚いて忘れてました。えーっと」
いっぱい項目があるので数字の部分だけ上から下にざーっと眺める。
3桁以上……。
「ないです」
アルファベット表示のもあったりしたけど、なんだろう。まぁいっか。
「な、ない?ない?え?じゃぁ、単に利用者登録?じゃぁ、今度俺にも使えるようにハンノマのじじぃに……」
「ローファスさんの剣は、剣技が未熟だと持てないんですたよね?もしかするとユーリさんの包丁は、料理の腕が未熟だと持てないのかもしれませんよ?」
胸肉の唐揚げはすっかりなくなった。
「お代わり食べますか?」
「食べるー!」
「キリカも!」
「あと10倍は食べる!」
「手伝いましょうか?」
私ももう少し食べよう。
「えっと、今食べたのは胸肉の唐揚げなんですが、もう少し脂身が多くてジューシーなのはもも肉を使ったものになるんです。次はもも肉で作りますね」
「え?なんだと!ほかにも味わえるのか?!ユーリ、肉、取ってきてやる!もも肉ってどこだ?」
そういえば……蛇のしっぽの部分も食べられるのかな?
蛇なんて嫌いだけど……。でも、友達が言ってた。
ご覧いただきありがとうございます。
ユーリの友達、個性的だよねぇ……