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【書籍化】ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました【web版】  作者: 富士とまと


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107 コケーッ!

 ダンジョンに残されたのは私とブライス君とローファスさんとサーガさんだけになってしまった。

 だけ?

 あれ?

「あの、私たちだけ、なんで無事なんでしょう?」

 サーガさんなんて、病気になった人たちに囲まれて過ごしてきたんだよね?

 ローファスさんやブライス君も冒険者たちの様子を見に行ったり、あちこち病気の人がいっぱいいるところうろついたんだよね?

 それに、自慢じゃないけど、私はあんまり体力とかないよ?普通、病気って、体力のない人からかかっていくもんじゃない?

「まさか!そういうことですか!ステータスオープン」

 ブライス君が何かに気が付いたようにステータスを表示した。

「僕たちに共通しているのは、ユーリさんの料理を食べたということですよ。小屋で秘密を共有していること。と、朝食べたものの補正効果は切れてますね」

「そりゃそうだろう、昼の弁当つっても、補正効果つくようなもの何にもなかっただろう?ユーリが作ってくれたすんげーうまいおにぎりと、キリカが作ったクラーケンとバジルの焼いたやつだけで」

 サーガさんがはっとした顔をする。

「キリカちゃんやカーツ君も無事だと言っていましたね?」

「はい。兵たちはすぐに症状が出たけれど、二人は町に向かて走り出して姿が見えなくなるまで大丈夫そうでした」

 ローファスさんがぽんっと手を打った。

「これ、病気じゃなくて、毒か!毒をもった人間からも次から次にうつるやっかいや毒、あったな!毒だから、解毒効果が強ついてる俺らは平気ってことか!」

 え?

 毒を持った人間からもうつる毒?

 ブライス君が頷いた。

「有名なものはバジリスクの毒ですね。毒に侵されれば1日で死に至る。毒に侵された人間に近づいたものもまた毒に侵されるため……拡大を防ぐには、あたり一帯を焼き尽くすしかない……」

 ローファスさんがブライス君の言葉に突っ込む。

「いや、まて、今回はバシリスクの目撃情報なんてないぞ?そこに倒れてるクラーケンほどではないにしても、木々の間から頭の先が見えるくらいには大きいんだ。気が付かないわけがない」

 え?そんな大きなモンスターなんだ。

「バジリスクって、どういうモンスターなんですか?」

 目撃したら私もちゃんと伝えられるようにしておかないといけない。私の知っているのは、スライム……いや、ゴキスラじゃなくて、もっとかわいいぷるんとしたやつね。と、ドラゴンくらいしかない。あ、あとなんだっけ、二足歩行の緑の豚とか言われるのもいたよね?あと、岩でできた大きなやつ?

 名前すらわからないけど。

「バジリスクは鳥みたいなモンスターですよ」

 鳥みたいで、大きなっていうと、怪鳥のような?サーガさんが説明を続けてくれる。

「黄色いくちばしに、頭には赤い帽子のような角のようなものが付いている」

 赤い帽子?トサカみたいなもの?

 うまく想像できないな。

「うまく表示できるかわかりませんが……【映像化】……僕の認識ですが、このような姿をしています」

 ブライス君の手のひらにゆらゆらと立体映像が浮かび上がる。

「おい、ブライス、お前いつの間に映像化の魔法まで使えるようになってるんだよっ!」

 ローファスさんが思わず立ち上がり、

「ブライス君、私の養子になりませんか!」

 と、サーガさんがこぶしを握った。

「な、何を言ってるんだサーガ、ブライスは俺のだって言ってるだろう!」

「兄さん、俺のって、何を勝手に決めているんですか!私はブライス君に尋ねているんですよっ!」

 またまた、兄弟仲良くじゃれあっている。

 うん。そんなことよりも、立体映像すごい!

 ゆらゆらと揺れていて形がつかみにくかったんだけれど次第に映像が安定してきた。

 昔のブラウン管テレビみたいに、はっきり映像が見える前に少し時間がかかるようだ。

「あ!あああーーーっ!やっぱりトサカだ!鶏!この顔もずんぐりした体も鶏!」

 と、映像を見て声を上げる。

「ぎゃーっ!」

 それから、1秒も立たずに思いっきり後ろに後ずさった。

 鶏なのにっ、しっぽが蛇になってる。にょろりって、き、き、気持ち悪い!

 なにこれ!

「蛇に飲み込まれそうになってる鶏なの?鶏が蛇を食べちゃったところなの?」

 何なの、このモンスター。

「驚かせてしまいましたか。ユーリさんすいません」

 ぱちんと指を鳴らすと、ブライス君の手のひらから映像は消えた。

 あれ?でも、なんか……。

いつもありがとうございます。


新しいモンスター出現の予感。コケーッ!

あ、そういえば、【義弟が『俺、異世界賢者の転生者だ』と言い出した】カクヨムとかにあげた短編にもバジリスクのことが出てきました。

「バジリスクから名前を取ってバジ」っていう蛇がな、大学の爬虫類同好会の吉田先輩のペットとして……っていうどうでもいい話。

私、バジリスク好きなのかな?

「魔欠落者の収納魔法」でも……げふげふ。あっちのときは眷属の蛇のモンスターをいっぱいだして、フェンリルに「うまい!」と喜ばれるという……。

あ、あれ……バジリスク好きなのかな?

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