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【書籍化】ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました【web版】  作者: 富士とまと


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閑話*ブライス君視点

どもども、閑話ですが、ブライス君です。

飛ばしても問題ないです。

 クラーケンによって補正効果が付くわけではない。

 ユーリさんがハズレポーションを使って調理したからこそ補正効果が付く。

 そのことをうやむやにするために適当にクラーケンで胡麻化していた。

 クラーケンはダンジョンモンスターなので、食べる機会などめったにない。

 食べようとするならば、クラーケンをダンジョンから外に出す必要があるが、今回のようにほかのモンスターを取り込んでどんどん強くなってしまうと被害が出る危険がある。

 ……という理由をでっちあげ、クラーケンの危険性を解けばサーガさんはあっさり引いてくれた。

 ところがだ。

 クラーケンとバジルを合わせると強力な毒消しになるという事実が発覚した。

 こうなってくると、世の中のためにクラーケンを積極的に利用するべきではないかという方向に話は傾く。

 ……。

 どうやってクラーケンを確保するのか。

 という話し合いをすることになった。

 仕方がないので、でっちあげた理由を引き下げるしかない。

「今回はスタンピートが起き、多くのモンスターがダンジョンから出ました。ですが通常ダンジョンの外にはモンスターがいることはないでしょう」

 サーガさんがピンと来たようだ。

「そうか。クラーケンはモンスターを飲み込んで巨大化し、強くならなければD級冒険者でも単独で討伐できる」

 サーガさんに頷いて見せる。

「クラーケンの出現の多いダンジョンの出口にでも網を張り、冒険者が待ち伏せて出てきたところをやっつければ問題ないでしょう」

 ローファスさんがふんっと鼻息を出す。

「なんだ、ちっちゃいまま捕まえるのか。じゃぁ、俺の出番は必要ないじゃねーか」

「そうですね。万が一巨大化して手に負えなくなった場合は呼ばれることはあるでしょうが……。しっかり管理して捕獲すればローファスさんの出番はないでしょうね。ただ」

 言葉の先はサーガさんが受け持ってくれた。

「管理体制が整うまでは、クラーケンが金になると勘違いしたバカな奴が無茶をする可能性はありますね」

「ええ、そうですね。クラーケンが出るダンジョンにはギルドから見張りを立ててもらうか、軍から兵を派遣してもらうか何かしら必要ではあると思います」

 サーガさんは眉根を寄せた。

「クラーケンは国の完全管理化に置き、買取はギルドが代行するとしても流通は国がすべてを請け負う。国を通さないクラーケンは密漁密売として罰するなど、法整備がまず先ですか」

 ローファスさんがはっとする。

「まてまて、国を通すって、まさか、流通制限して入手困難にしたりしないよな?薬として使うためだけにしか流通させないとかないよな?」

 はー。

「兄さんの心配事はそこなんですか?ほかにも考えなければならない問題がたくさんあるというのに……」

 サーガさんに同意。

「クラーケン捕獲には、ダンジョンからの追い出す係と、ダンジョンの外で待ち伏せしてやっつける係と必要でしょう。そのあたり、パーティー単位で行うのか、それとも、ギルドが直接雇用した人間に行わせるのか……。通常依頼というわけにはいかないでしょうね」

 複数のパーティーが同時に行うと、追い出したのがどのパーティーメンバーだったとか、やっつけたのがどのメンバーだったとかもめそうだ。

 また、やっつけるだけであればD級以上であれば単独でも問題ない。そうすると、追い出されたものを討伐するだけの人間も出てくる。横取り的なやつが。

 サーガさんが肩をぽんっと叩いた。

「ブライス君、大丈夫。きっと、ギルドの職員がきちっと考えてくれるはずだよ」

 はっ。

「そうですね。サーガさん。国もいろいろ動いてくれるでしょうし」

 僕やサーガさんが頭を悩ます必要はない。

「いや、まて、だから、ギルドには俺が食料供給もできる量の確保を約束させる、だからサーガも食料としても流通させれるように国に言うんだぞ、分かったな!」

 サーガさんがガクっと頭を垂れた。

「兄さん、最優先は毒消しですから……。事態が落ちつくまでは知りませんよ」

「し、知らないだと……?はっ、そうだ、ブライス!」

 ローファスさんがこっちを見た。

 見ないでください。

 悪い予感しかしないので。

「お前と俺で捕まえよう!ちょこっとダンジョンから追い出すときにほかのモンスターも一緒に追い出すからな?」

「ローファスさん、それってわざとクラーケンを巨大化させてから捕獲するっていうことですか?」

「兄さん、まさか、そこまで馬鹿なことを考えるとは……。人々を危険にさらすようなことを……」

 ローファスさんがきょとんとする。

「ん?何が危険なんだ?俺とブライスが組めば、ちょっと大きくなったクラーケンごとき問題ないぞ?」

 自信過剰とかでなく、言っていることは間違ってない。

 間違っていないけれど……。言っている内容は大きく間違っている。

 食欲のためにほかのことに目をつむると言っているようなものだ。

 そうだ!ユーリさんに止めてもらうしかない。


「生け捕りにして、餌を与えて大きくしてから食べるのね?ウナギみたいなものね。養殖するんでしょう?」

 ユーリさんがよくわからない話をし始めた。

 ウナギ?

 養殖?


ご覧いただきありがとうございます!


ふと思い立ち、別視点の閑話をかいちゃいました。

感想欄でクラーケンの疑問をいただいたので。まぁ、うん、えっと、そういう感じです。


というわけで、日曜更新休みとかいいつつ、閑話が入りましたー。てへ。


感想、評価、ブクマありがとうございます!

励みにするのです。


さて、ブライス君視点はどう評価されるのか……(´・ω・`)旦那サイドみたいにいらない派もいるのは覚悟の上……

でも、今回ばかりは更新の予定のない日に突っ込むという方法なのでどうだろう


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