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【書籍化】ハズレポーションが醤油だったので料理することにしました【web版】  作者: 富士とまと


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91 おつかいに行くのは誰?

 ローファスさんが思い出さなくてもいいことを思い出している。

 ちょっ、あれは、塩が特別欲しくて何度も書いたわけじゃないっ!文字がわかるかどうか分からなかったから、いろんな言葉で書いてみただけで……挙句に英単語の綴り間違えるとかいう恥ずかしい思いまでしたとかしないとか……ぐぬぬぅっ!

「ユーリさん、待っていてくださいね!すぐに町に行ってほしいもの買ってきます!ローファスさん、メモをください。ユーリさんから受け取った買い物メモ!」

「待て待て、ブライス!買い物は俺の仕事。買ってきたもので何を作るか見届けるまでが俺の仕事!」

「何を言っているんですかっ!ユーリさんが頼んでいるのは買い物だけでしょう?見届けるってどういうことですか!」

 そうです。ブライス君の言う通りです。

「い、いや、ほら、子供たちが何を食べているのかとか、えっと、小屋を管理する身としては……えっと、な?」

 な?とか、私の顔を見た。

 何が「な?」だ!

「何をお二人が争っているのかわかりませんが、しばらくギルドと軍の間を行ったり来たりしてもらうことは間違いありませんよ?」

 サーガさんがメモしていた紙をぴらりと二人に見せている。

 うん。こっちの文字、全然読めないです。

「ねーねー、塩をどうしたらいいの?」

 そうだった。キリカちゃんに料理をさせてあげるんだった!

「クラーケン捕獲計画?んなもん知るか」

「今回のように大物にまでクラーケンが成長してしまえば、Sランク冒険者の力は必要になるでしょう」

「では僕は関係ありませんね」

「いえ、あれだけの大物を瞬時に凍らせることができる魔法を使える者はさほどいませんし」

 なんか話あってるけど知らない。

「じゃぁ、キリカちゃん、そこに塩を一つまみ。そうそう、こうしてつまんで振りかけて、混ぜてね。それからラードを上に少し載せて、うん、上手上手。あとはオーブンで焼こう」

「はい!」

 タコのバジル焼き。

 焼けた。

 味見です。初めて作ったので、責任があります。

「キリカちゃん、おいしい!」

 ハフハフ。アツアツのタコ。バジルの風味に塩気が、塩気が、塩気があうぅ!

「キリカ、本当だ。これうまいよ」

 カーツ君も食べて満足の顔。

「うれしい。キリカ、また作るね!」

 うん。クラーケンが手に入ればね……。

 そういえば、後ろの話会いはどうなったのでしょうね?

「だから、僕はまだ駆け出しの冒険者なので、そんな責任のある仕事は請け負うような立場ではありませんので」

「そうだ、俺はその駆け出しの冒険者の面倒を見る大事な役割があるんだから。ほかの人間に頼めばいいだろう、そんなこと」

 ブライス君の言葉にローファスさんがのっかったのを、サーガさんが冷めた目で見ている。

「そんなに買い物が大事ですか?」

 サーガさんの問いに、カーツ君が手を挙げた。

「なぁ、みんな忙しいなら、俺が買い物してくるよ。町に行って帰ってくるのに少し時間がかかるかもしれないけど」

「だっ、だめですよっ!カーツ君一人で行かせるわけにはいきませんっ!」

 町からここへはそれなりの時間馬車に揺られた記憶がある。

「えっと、でも、ユーリお姉ちゃんが一緒だと……」

 カーツくんが言葉を濁した。

 あ、はい。そうですね。

 体力一番ない私が、一人ではいかせられないからってついていったら、足手まといです。

 ただの足手まといならいざ知らず、たぶん、相当足手まといです……。

 あ、でも、ポーションをいっぱい持って行って、疲れたら飲めばなんとかカーツ君についていけるのでは?ポーションの瓶を何本も持っていくとかそれ無謀か!逆に荷物が重たくてばてそう。 

 そうだ、あれだ!この間偶然作っちゃったあれをもう一度作れれば……。それを持っていけばいいんじゃない?

 っていうか、もう一度作れるかな?

 角煮を真空保存しようとしてツボに入れて風魔法石で空気を抜いたら、真空保存じゃなくて、フリーズドライの角煮ができちゃったあれ。

 ……とりあえずチャレンジはしてみよう。あれはお湯にさえ入れれば出来立て料理と同じ補正効果が得られる。つまり、HP回復にも使えるのです。

 フリーズドライなので、軽いし。一口分でも十分効果あるし。お湯は、水筒と火と水の魔法石さえあればいつでも作れるし。

 よしよし。これで問題ない。

 ん?でも待って、私とカーツ君だけで行けば、キリカちゃんが一人になっちゃう。じゃぁ、3人で行く?

 あれ?行きはいいけど、帰りは買った荷物を持ってこなくちゃならないよね?

 ダメだ。重たい食材を持って町から小屋に歩いて戻るビジョンが見えない。たぶん、無理。今の私では無理だ……。

「ごめんね、カーツくん。私が体力ないばかりに……町まで歩いて行くの、無理だよね」

 サーガさんがポンっとカーツ君の肩を叩いた。

「軍で少々補給物資を町へまで受け取りに行きますから、カーツ君乗ってきますか?当然馬車なので、歩く必要はないですよ?多少なら荷物も載せられますから」

 お、おお!


いつもありがとうございます!


キリカちゃんのはじめてのおつかいとかも見てみたいところですが……。

誰が行くのかな。


明日は更新お休みで次は木曜日です

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