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88 お嫁サンバ

「あ、あのね、キリカも、手伝ったらから食べていいんだけど、でも、やっぱり、ユーリお姉ちゃん、料理作ってくれてありがとうなの。キリカ、すごくうれしいの!」

「ああ。俺も!今日もご飯作ってくれてありがとう!」

 な、なんて子たちなのっ!

 あんまりうれしくて、うれしくて……。

 我慢してた涙、出てきちゃったよっ!

「二人とも、ありがとう。ありがとうって言ってもらえると嬉しい。お手伝いもいつもありがとう。それから……二人が幸せそうな顔していてくれるのがとてもうれしい。ありがとう」

「ううう、なんとすばらじい……」

 はい?

 涙出てきたのは私だけではなかったようで、サーガさんが私以上に号泣している。

「ユーリちゃん、大きくなったら、僕のおよ……め……さんに」

 バコーン。

 ピキッ。

 あ。

 サーガさんがローファスさんに頭を叩かれ、ブライス君に顔が凍らされた、涙がつららになってるよ。

「ちょっと、何してるんですかっ!キリカちゃんやカーツ君がいい子だから、サーガさんも感動して涙を流してるのにっ!」

「いや、待て、聞いてたか?聞いてたよな?ユーリ。兄を差し置いて先に結婚しようとしてたんだぞ?」

 は?何を言っているんだろう、この人。

「差し置かれたくないなら、ローファスさん結婚したらいいじゃないですか?」

「だめですよ!ユーリさんはだめですからねっ!」

 ブライス君がぎっとローファスさんとサーガさんをにらみつけた。

「ブライス君、サーガさんやローファスさんが私のような魅力に欠ける子供と結婚したいわけないじゃないですか。ふふふっ」

 だって、これ以上胸もお尻も大きくなる予定はないのですよ。身長も大きくなりません。

 ギルドの受付の女性を思い出す。

 とんでもなくスタイルがよかった。……。もしかして……。

 主人が浮気したの、やっぱり私に魅力が不足していたから……私のせいなのかな。

「ユーリさんはとてもステキで魅力てきですよっ!」

「ありがとう、ブライス君。でも、きっと、小屋を出て広い世界を回れば、もっと素敵な人いっぱいいるよ」

 今はまだブライス君もまだ少年体型なので、子供みたいに見える私がよく見えるだけで。

 成長していけば、好みも変わるよね。うん。

 自嘲気味な笑みを浮かべる。

 なぜか、サーガさんとローファスさんは腕相撲していた。なんだ、この仲良し兄弟。

「身体強化魔法を使うとは、生意気だな」

「兄さんこそ、身体強化使っている僕相手に、生身で互角とはやりますね」

 もう一度言う。

 なんだ、この、仲良し兄弟!

 うん。ほっとこう。

「さぁ、食べましょうね。MPポーションを使ったものが食べたいらしいので、前にも食べたジャムよ」

 まずはパンを焼いてジャムを塗って出す。

「わーいっ!キリカ、これ大好きなの。甘くておいしいのっ!」

 キリカちゃんの言葉に、腕相撲で組んでいた手をすっと放してサーガさんが食卓に着いた。

 後ろで、急に腕を離され勢い余って椅子から転げ落ちたローファスさんが見える。

「甘いんですか?砂糖はなかったのでは?」

 ……サーガさん、甘党なんだね。

「砂糖は使ってないんですが、もともとの実の甘さと、それからMPポーションの甘さで」

 サーガさんの目がきらりと輝く。

「MPポーション!確かに甘いですよね!って、まさか、これ、MPポーションを使ってあるんですか?」

 はい。そうです。

「どうぞ。グミのスパイシージャム添えトーストです」

「トースト?え?パンを、スライスして焼いてある?うわー、これは初めて見ますね」

 サーガさんがパンを一口かじる。

「な、なんと!サクッとしたパンの食感は、クッキーやクラッカーとも違いなんとも口に軽い。そしてほんのりと色づいた香ばしさが口に広がりますね。焼きたてのパンにも引けを取らないうまさです。そして、このスパイシージャムですか?甘い。甘くておいしいだけではなく、さわやかな風味が口に広がり、甘いのにくどくはなく、いくらでも食べられそうだ」

 ……食レポ上手ですかっ!と、突っ込みたいくらいすらすらとサーガさんの口から感想が出てくる。

「ユーリちゃん、ぜひ、僕のおよめ……」

 ドカッ。パキーン。

 あ、また仲良くじゃれてる。

「次はこれよ。カーツくんやキリカちゃんの口に合うかな?もし苦手だったら言ってね」

 どーんとタコのトマトのバジルサラダを出す。


ありがとうございます。


皆様のおかげで、無事に100話目投稿することができました!

本文としては末広がりの88話目です。わーい。


これからもよろしくお願いします。

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