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【連載版】双子の姉が神子として引き取られて、私は捨てられたけど多分私が神子である。  作者: 池中織奈


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少女と、新しい場所

「この場所の空気、とても良いわ。精霊樹の宿り木も喜んでいる」



 フレネがそう口にした場所は、小高になった山が傍にある場所だった。小さな滝も側に流れている。獣人の村に居た頃は、このあたりに山があることなんて遠すぎて見えなかった。それにもっと南にいけばもっと大きい山があるのが今は見える。山の上にでも登れば、私たちが進んでいる森がどこまで続いているかわかるかもしれない。フェアリートロフ王国とミッガ王国の南に広がるこの森は、これだけ広大でどんな危険があるか分からないからこそ、未開の地とされていたのだろう。



 ランさんは、私が居たから魔物に襲われることがほとんどなくここまでこれたんだろうといっていた。私の存在が皆の役に立っていると思うと嬉しかった。



 私たちは今、フレネの言葉を聞いて、この場所に住んでいくかという検討をするために周りの散策をしている。幾ら精霊樹や精霊にとって心地よい場所だったとしても人間である私や獣人であるガイアス達やエルフであるシレーバさんたちにとって心地よい場所ではなければ意味がないから。

 皆でともに過ごせる場所を作るのが私たちの目標なのだから。

 結局、皆で見て回ってこの場所がよさそうな場所だということで、ここに住む場所を作ろうということになっていった。

 ここに作っていくことにするとして、まずは精霊樹の宿り木をどこに植えるかというのを議論することになった。あのエルフの村では、エルフの村から離れた位置に植えられていたけれど今回はそんな離れた所に植える必要はないのではないかと思っている。それに中心部にあった方が守りやすいと思うから。



 精霊樹の宿り木は全部で三つこの前、手に入った。そのうちの一つを植える。残りの二つは、もしこの場から去る場合のことを考えて、別にとっておけばいいんだって。

 そうしていれば、万が一、別の場所に移動しなければならない時も精霊樹と精霊達を守れるからって。




「――場所、どこがいいかな」

「このあたりが良い魔力が流れているわ。だから、ここに植えたらいいと思うの」

「そうなの?」

「うん。土地に流れている魔力が凄く心地よいわ。私もここにいると心地よいの」

「そうなんだ」




 土地に流れている魔力がとても心地よいのだと、だからここに植えた方がいいとフレネは笑った。皆もそれを聞いて、じゃあここに植えようという話になった。



 元々そこにあった木をいくつか伐採して、広げた場所を作ってそこに精霊樹を皆で一心になって植える。精霊樹の中でお休みをしている精霊たちが早く元気になってくれたらいいなとそう思いながら私は精霊樹を植えた。

 精霊樹を植えたあとは、このあたりにどんなふうに自分たちが作る場所――村? みたいなのを作って行こうかという話し合いを、植えた精霊樹の前でしている。



「我らエルフたちの住まいはやはり木の上に作りたいものだ」

「俺たちは、木の上ではなく地面に立てたい」

「精霊様を祀る場所も当然作りたい」

「狩りをした魔物とかを解体する場所も必要だ」



 それぞれが互いに意見を出しあっている。私やランさんにも聞かれたけど、私はグリフォンたちやシーフォと一緒に暮らせる家ならどちらでもいいと思った。ランさんも私と一緒に住みたいといってくれて、私とランさんと、グリフォンたちやシーフォ、そしてフレネも一緒に暮らせる家がいいなと思った。それで家の外にグリフォンたちの巣とか作れるようにしたい。私の希望は大体それぐらい。



 薬師のお姉さんのゼシヒさんは薬草園が欲しいといったり、それぞれ皆が希望や意見を出して、こうして皆で住む場所を作っていくというのは大変かもしれないけど、私は楽しいなと思った。皆で一緒に作る、私たちの場所。



 この、本当に何もない場所に、私たちがずっと過ごしていきたい場所を私たちの手で作っていく。それって凄く嬉しくて、素晴らしいことだって思うんだ。



 どの木を切っていくか、そういう話し合いを私たちでしていく。でも重要な話なのもあって、きちんとどの木を切って住宅を建てるかとか、その木の上にエルフの人たちの家を作るかとかそういうのが中々決まらなかった。話し合いしているうちに、もう暗くなってきたので皆で雑魚寝をした。




 この場所は空気が美味しい。風が心地よくて、何だか落ち着く。




 新しく住んでいく場所が見つかったことに心が躍る。この場所から、私たちの新しい一歩が踏み出せる。これからどうなっていくか分からないけれど、この場所に心地よい場所を作って、そしてこの場所を守っていけたらいいなと思えてならない。

 空を見上げれば、星々が輝いている。天気は良好。その星々は、私たちの新しい門出を祝福してくれているようだと思った。




 ――――少女と、新しい場所

 (多分、神子な少女は仲間たちと共に新しい場所へとたどり着く。そこから、少女の新しい一歩が踏み出される)

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