少女と、魔物退治に向けてのこと 2
シレーバさんは、ドングさんの言葉に少し考えるような表情をした。
多分、出来れば自分が何を出来るかをなるべく話したくないのだろう。もっと、仲良くなれたらこんな硬い表情ではなく、シレーバさんも笑ってくれるだろうか。
精霊樹の問題が片付いたら、シレーバさんも、エルフの人たちも笑ってくれるかな。ずっと、大事なものが大変なことになっていたら、気をずっと張っているということだ。その問題をどうにかできたら、難しい顔をこんな風にしなくていいのではないかってそう思うから。
「―――我らが得意としているのは魔法である。自分自身の魔力で魔法を使う事も出来るが、我らの場合は契約をした精霊様の力を借りて魔法を行使することもある。ただし今は、我らの精霊樹で精霊様たちが休めていないというのもあってほとんど力を失っておる」
精霊樹で、休まなければ精霊の力が弱まる。そして現状は休めていない。そして精霊の力を借りる魔法が使えないということは、エルフの人たちの力が弱まっている。――――知能のある魔物が相手だというのならば、精霊が休むことが出来ないようにあえてその魔物がしているということだろうか。
「―――火、水、風、地、雷、闇、光、神聖魔法と種類があるが、我らの村では、地の魔法が得意なものが多い。同じエルフの中でも火属性魔法が得意なエルフもいると聞いているが、我は会ったことがない。我らが使えるのは土を使った魔法だ。土を動かしたりするのが得意だ」
地属性の魔法がエルフの人たちは得意らしい。でも同じエルフの中でも火属性魔法が得意なエルフがいるってことは、住んでいる場所によって得意な魔法属性が違ったりとかするんだろうか。魔法についておばば様に習ってはいるけれども、実際に魔法について私はよくわかっていない。私も地の魔法使えたりするのだろうか。
どのような魔法を使えるのかぴんとこない。魔法って、何が出来るのか分からない。地属性の魔法が使えたら、何が出来るのだろうか。
「……地属性の魔法でどのように魔物に攻撃していたんだ?」
「土の弾を作るとか、そういう攻撃だ」
……植物性の魔物。その魔物相手に地属性の魔法は相性が悪いのではないだろうか。魔力を食らう魔物ではなかったとしても、植物にとって土は根を張る場所だもの。その魔物が知性を持ち合わせている、というのならば、その魔物はあえて自分にとってやりやすい相手を選び、そして精霊樹を人質——いや、この場合なんていうんだろう、樹質? 分からないけど、そんな風にしてエルフたちにいう事を聞かせようとしていたということなのだろう。でも魔法って、凄い力だと思うから相性はあっても、その魔物に欠片もダメージを食らわせられないってことはないんだと思う。
色々使い勝手はあると思うし。でも、私魔法について詳しくないから、正直どんなふうにその魔物相手に戦えばいいか、分からない。
それに、今まで私は危険な魔物に遭遇したことはない。魔物には私は会わなかったから。私はそのまま過ごしていたらその魔物とも会わずに過ごせるのではないかとは思うけど、その魔物はエルフに被害を与えている。どうにか倒さなければならない。
このままだとどんどん食べられてしまうもの。魔物に基本的に会えない私だけど、自分から会いに行こうって気持ちでいったら魔物に遭遇できたりするのだろうか。
多分、私は神子だって、今も思ってる。でも、その神子としての力とか、よく分からない。もっと私がその神子についてわかっていれば、シレーバさんたちのために、もっと力を貸せたのだろうか。
そう、思うけれど、でも分からないものは分からない。
少しずつ、自分で理解していくしかないのだと思う。
「――そういうものなのか。あとで見せてもらってもいいか? 魔法というものを俺たちは見た事がないものばかりだ。見せてもらわなければ、どのようなものかも分からない。それに魔法でどのようにその魔物相手に戦えるのかも分からない」
「……よかろう」
シレーバさん、少しだけ不服そうだけれど仕方がないとでもいう風に頷いた。
魔法、見れるんだ。もしかしたら、私も地属性の魔法使えたりするのだろうか。シレーバさんに、適性量るものとかないのか、聞いてみよう。
もしそれで魔法使えるようになったら、私は皆の役にもっと立てるかな。
「では、次に俺達獣人だが、基本的に魔法を使えないものばかりだ。少しだけなら身体強化の魔法を使えるものもいるが、それだけだ。もしかしたら適性のあるものがいるかもしれないが、適性を量る道具などもなく、俺達の中で魔法が使えるものがいるのかなどが分からない」
魔力があるものは、もしかしたら身体強化以外の魔法が使える可能性があるかもしれない。でも、私たちには使えるかどうかも分からないものだった。ガイアスも魔力を感じれていたし、もしかしたら他のものも使えたりするのではないかって思ってる。
それから、私たちは、魔物退治についての話を続けた。しかし、どのように戦うべきかというのがすぐに判断できるものでもなく、一旦話し合いはお開きになるのだった。私はただ、皆の役に立つために頑張ろうって、そればかり考えていた。
―――少女と、魔物退治に向けてのこと 2
(多分、神子な少女は役に立ちたいと願う。だから少女は魔物退治に参加したいと願っている)




