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【連載版】双子の姉が神子として引き取られて、私は捨てられたけど多分私が神子である。  作者: 池中織奈


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少女と、エルフ 4

 エルフの人たちはなんで名前を教えてくれないのだろうか。それともあえて、見せていないということなのだろうか。名前を言うことを忘れているだけ? それとも、名前を教えないようにしているってこと? あえて私たちに名前を教えないことに何か意味があるのだろうか。



 もう少し、待ってみたら名前を教えてくれるだろうか。名前を聞いていいのだろうか。聞かれたくないことを無理やり聞くことをするのは駄目だと思う。

 私はそんなことを考えていた。




 ひと眠りして、朝になって、私とランさんを住まわせてくれている女エルフさんが朝食を持ってきてくれた。見たことのない植物がいっぱい入ってた。お肉はなかったけれど、エルフはお肉を食べないのかな。そういうところも獣人たちと違うんだなと思った。




「エルフの村での生活に慣れていただくためにもまずは私と共に過ごしてもらう。朝食を食べたら家の外に来なさい」




 それだけいって朝食を置いて出ていった。




「……ねぇ、ランさん」

「どうしたの?」

「……お名前、教えてくれないね」

「ああ、そういえば、そうですね。名前を教える必要がないと思っているのでしょうか。もしかしたらエルフたちに個別の名前というものがないという可能性もありますが、過去の文献の中でもエルフの名前はちゃんと出てましたからね……。恐らく名前がないということはないと思いますが」

「なんで、名前教えてくれないんだろう?」

「歓迎はしているけれども、仲良くしたくない、そんな風に考えているのかもしれませんよ」

「……難しい」




 歓迎はしているけれども、仲良くしたくない。その意味を考えても、私には分からない。歓迎をしてくれるのならば、仲良くしてくれたらいいのにと思ってしまう。仲良くしたくないけど、歓迎することに何か意味があるのだろうか。




「エルフたちにも何か事情があるのかもしれませんが、それでもやはり不自然な部分が多いのも確かですからね」




 私たちはそんな会話をしながら、朝食を口に含む。このスープ、美味しい。食べた事ない味。エルフで受け継がれている味とかあるのかもしれない。……美味しかった。レマは夢中になって美味しい美味しいとスープを食べてた。グリフォンにも好まれる味らしい。

 食べ終わった後、私とランさんは、女のエルフさんに言われたように家の外に出た。木の上にある家だから、扉を開けて見えた光景がとても良くてびっくりした。この家に案内された時は、後ろを振り向いたりしなかったから、これだけ下が一面に見えるの初めて知った。あ、ガイアスが見えた。ガイアスに手を振ったら、下の方にいるガイアスが手を振ってくれた。




「まずは下に降ります」




 女エルフさんはそういって木の上から梯子を使って下に降りる。私とランさんもそれに続く。レマは飛んで下に降りている。この木の高さ、結構あるから落ちないかと少しだけ不安になる。慎重に、ゆっくりと降りた。




「村の中の案内をします」




 淡々と女性エルフはそういって、先を歩く。昨日はそこまでの時間はなかったからこそ、今日案内してくれるのだろう。ニルシさんや、シノミたちの姿が見えてほっとした。皆、元気そうで良かったと思った。



 エルフの村は、木の上に家が建っていて、それがとても不思議だなって昨日真っ先に思ったのだけれども、獣人の村や人間の村と違うことがいっぱいあると思った。

 見たことない植物とか育ててたりする。流石に畑は、木の上ではなく地面にある。でも魔物が来ないようにとか工夫なのか柵がされていたりする。あと、特徴的な建物があった。教会? みたいなところ。いくつもの木に支えられている巨大な建物っていったらいいのかな。重なり合っている枝の上に乗っているみたいな感じの大きな建物。村の奥の方にあったから、昨日は気づかなかったけど、凄い建物。




「こちらは精霊様への祈りをささげる場です。貴方たちに強要は特にするつもりはないです」




 説明はそれだけだった。この女性エルフさんは、語ることが少ない。もしかしてこの女性エルフさんだけが喋るの苦手で名前を言わないとかいうこともあるのかな。……他の皆に名前教えてもらえたか聞かなきゃ。




「エルフは、精霊と本当にかかわりが深いのですね」

「そうです」



 エルフの女性はランさんの言葉にもそれ以上話を続ける気はないようだった。大きな、大きな教会。木の上に建てられた精霊への祈りをささげる場。



 本当に、エルフの人たちは”精霊”という存在とかかわりが深いんだなと思った。エルフの女性は、じっと、教会を見据える。何か、考えている? 少しだけ教会を見た女性は、その後、淡々と他の場所を私たちに案内してくれた。




 

 それだけで、半日が過ぎた。





 昼ごはんも、お肉はなかった。やはり、お肉を食べない種族なのかなと思った。ごはん、一緒に食べれないかなと思って女エルフさんに聞いたけど、断られた。



 一緒にご飯食べたら仲良く出来るかなと思ったのだけど。いつか、一緒にご飯食べてくれるようになるかな。そんなことを考えながら、レマとランさんと一緒に食事をとるのだった。

 そして午後からは、村の中にある薬草園で、薬草などの採取を手伝うようにとのことだった。



 ―――少女と、エルフ 4

 (多分、神子な少女は村の中を案内され、薬草園の採取のお手伝いをすることになる。相変わらず、名前は教えてもらえない)




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