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少女と、変身 1

 あの民族から私たちの村へ人質になっている子は、私よりも三つほど年上の女の子だった。聞いた話によると、あの民族の中では、特別な立ち位置にいる子供らしい。

 刺青を顔に彫っている民族は、その刺青は彼らにとっての神への信仰をあらわしているらしい。本当に世の中には様々な信仰の形があるというのが良くわかる。

 体に刻まれた刺青にも意味があるらしい。刺青をする、というのは私にとって恐ろしい事に感じるけれども彼らの民族にとっては当たり前の行為なのだろう。私はその文化を受け入れていけるようにしようと思っている。この女の子——フィトちゃんは、神と交信が出来るとされているという。実際どうなのかは聞けていない。



 私は、神子かもしれないといわれているけれど神様と交信が出来るわけではない。私もいつか、そういうことが出来るようになったりもするのだろうか。

 分からないけど、とりあえず神様へのお祈りはずっと続けていきたいと思っている。私は神様にお祈りを続けて、報告をし続けよう。



 ――もっと私は、私の力を理解して、きちんと使っていかなければならない。その気持ちをランさんたちは応援してくれた。



 ガイアスや子グリフォンたち、他の獣人たちやエルフたちだって自分がきちんと何が出来るかを把握していきたいとそういっていた。

 出来ることを把握するために私とガイアスは、大人のエルフの人と一緒に村の外に出かけていた。シーフォも一緒だ。



 私たちは森の中にいる。自然を感じられることに何だか穏やかな気持ちになれる。このあたりはとても自然豊かで、私はこの村での生活がとても気に入っている。これから何があるか分からないけど、この場所で過ごしていけたらいいと思う。



「私、出来る事……神聖魔法、風の魔法、身体強化の魔法……あと、契約している皆がいる」

「俺は……今の所、身体能力が上がったことぐらいか。あとは身体強化は使えはするようにはなったけど……」

「レイマーも……色変わって強くなった」

「それだけなのか? そもそもそれに関しても本当にそれだけしか出来ないってことはあるんだろうか?」

「どうなんだろ? レイマーは体、大きくなった。でも、ガイアス、体は大きくなってない」



 私はガイアスと二人で自分たちがどんなふうに、何が出来るようになったかという話をしていた。

 私が何を出来るか。それをまずは考えて、その後何をしていきたいか。何を目標と定めるか。私は少しずつでも出来ることを増やしていきたい。そう思うからこそ考える。



 一緒に森にやってきたエルフの人は、魔法の練習を必死にしている。まだ、精霊樹は育っていない。毎日、魔力を込めているけれどもまだ精霊たちは休んでいる。エルフの人たちにとって契約をしている精霊たちもまだ休んでいるままだ。だけど、そんな状態でも魔法が使えるように、強くありたいとそうエルフの人たちだって願っている。



 皆、少しずつ自分が出来ることをやろうと必死だ。皆立ち止まろうとはしてなくて、私たちの目標を叶えるために行動しようとしている。

 ―――少なからず、皆、前に進もうとしている。目標を叶えようと必死に行動している。

 そういうのを見ると、私も頑張ろうという気になる。

 私はふと、ガイアスに思ったことを言ってみる。



「ガイアス、魔力、込めてみる?」

「魔力込めて何かなるかな?」

「わかんない。でも……魔法、ガイアス使えると思う」



 私の言葉にガイアスは、少しだけ何とも言えない顔をした。身体強化の魔法以外はまだガイアスは自分が魔法が使えるなんて思えないようだった。

 私はガイアスは魔法使えるようなそんな予感がしてならないのだけど。



「そうか……ならやってみようかな」



 ガイアスは私の言葉にそんなことを言う。そして私の言葉通りに、魔力を込めてみようと目を閉じる。目を閉じて、魔力を込めてみようとガイアスはしているようだ。



 ガイアスの魔力が、ガイアスの体を覆っているのがなんとなくわかる。ガイアスの魔力は、とても暖かい。暖かい魔力を感じると、嬉しい気持ちになる。ガイアスの魔力が体の周りを取り巻いていて、その大きな魔力はどんなふうに形作っていくのだろうか。どのような魔法になっていくのだろうか。私は、ガイアスが思いっきり魔力を込めたら、何かしらの属性の魔法として形になっていくのではないかと思っていた。



 でも、その予想とは違った結果が私の視界には入ることとなる。

 

 

 しばらくして、ガイアスの体が光った。

 光ったかと思えば、次の瞬間驚く光景がその場に映ったのだ。




 ――――少女と、変身 1

 (多分、神子な少女は出来ることをもっと増やすために獣人の少年と行動を起こす。そしてその結果、何が視界に入るのか)



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