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【連載版】双子の姉が神子として引き取られて、私は捨てられたけど多分私が神子である。  作者: 池中織奈


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少女と、民族 8

 私は甘い、という事を理解した。私はこのままではいけないのだとそんな風に考えて悶々としてしまう。ドングさんたちが彼らのことをどうするか、というのを話し合っている。私はその間にグリフォンたちとシーフォと、フレネと一緒に過ごしていた。



 今回、どうしてロマさんが亡くなる事になったのか。それは、私が彼らに接触した事が始まりだ。私は彼らを見捨てるべきだったのかもしれない。考えても仕方がないことが、頭の中を巡ってる。

 彼らは―――決して全員悪人であるというわけではない。ううん、今まで私が出会ってきた人たちだって皆そうだ。色々な要因が重なってそういうことをしてしまった。だってシレーバさんたちだって私がシレーバさんと話して説得が出来なければ私たちを生贄に捧げていたことだろう。結果的に私や獣人たちとエルフたちはともに道を歩むことになったけれど、少しでも何かが違えば私たちはともに歩めなかっただろう。



 私には、正直なことを言うとロマさんを受け入れておきながら、こちらの希望通りの結果が伴わなかったからと排除するという考え方は理解出来ない。でもそういうことを出来る人たちが世の中にはいるんだって、そう思った。私には想像も出来ないことをする人たちが世の中には沢山いる。そのことも含めて、これからを考えなければならない。



 ロマさんが亡くなってしまったことが悲しい。もう会えない。死んでしまったということはもう話すことも出来ないこと。それが悲しい。喪失感が私の心にある。ぽっかりと、穴が開いたようなそんな気持ちになっている。



 ランさんは、私がいるのといないのとでは違うといっていた。私は……、私の力を正しく理解しなければならない。確かに私の中にある他の人とは違う部分―――それを正しく知らなければならない。そして知らないとかではなくて、ちゃんとその力を使わなければならないのではないか。もし、私が正しく他の人と違う部分を知って、その力を正しく示して、上手く使うことが出来たのならばもっと良い結果を上手く引き出せたのではないか。



 私は、ルルマーの背に寄りかかってそんなことを思考する。例えば、私が周りにいる家族たちの力を使えば――――もっと穏便に済んだのではないか。



「ねぇ……脅しとか、って私はしたくない。でも……それをしたほうがいいのかも」

「ぐるぐるうるるる(難しいことは分からないけれどレルンダがしたようにすればいい)」

「うん……どれが正解か分からない……でもそうしたほうが、上手くいく気がする」



 私は―――話し合いで終わらせるなら話し合いでどうにかしたいと思った。もし、話し合いが駄目だった時の、その先を考えられてなかった。私が出来るその先の選択―――、それを考えなければならない。話し合いだけではどうにもならないことがある。だから、ちゃんと私の他の人と違う部分を使おう。きちんと使って、上手くいくようにしよう。

 ちゃんと力を上手く使う、って、それをした時に色々言われてしまうかもしれない、でも———何か言われたとしてもそれよりも結果が大事なんだ。



「――――頑張る」



 悲しいけど、悲しいとずっと落ち込んでいるわけにもいかない。それよりも、前に進んでいかなければならない。それよりも考えなければならない。このまま立ち止まっていても仕方がない。ただ、亡くなってしまった人たちのことをちゃんと心に留めていこう。私は誰のことも失いたくないと思っているけれども、全てを守りながら、失わずに生きていくのって難しいんだと思う。でも——なるべく、誰のことも失わなくていいように、守れるように、そんな風に願うけれどすべては無理だって思った。



 私は私の力をもっと正しく理解して、それをもっと上手く使って―――そして守るために使う。

 私はそう決意する。そして、その事を皆に言おうと思って私は立ち上がった。




 そして私がドングさんの元へ駆けつけた時、あの人たちをどんなふうにするかが決まっていた。

 結局このあたりから追い出すことも、彼らを排除するというのはドングさんたちも選べなかった。でもこのまま甘いままでは駄目だということで、彼ら側から人質を取ることになったらしい。人質、という言葉には忌避してしまうけれども……でも、このままではまた悪い結果になってしまうだけだというのがわかるからこそ、そういう選択になったということだろう。その人質の事は彼ら側から言い出したことであるようだ。彼らは深く頭を下げていたのだと。



 そして自分たちが命を差し出しても構わないから子供などだけは助けてほしいとそんな風に言われて、その結果、人質が差し出されることになったという話だった。

 


 ―――少女と、民族 8

 (多分、神子な少女は自分の力を正しく理解して、使っていかなければならないということを決意する。そして獣人と民族たちの関係も変化していく)




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