うさ耳少女とヨダレ
うさみみ少女は、町を見下ろす小高い丘のお屋敷に住んでいます。
うさみみ少女は、いつもひとり。
誰もいなくなったお屋敷で静かに暮らしていました。
ある日、ヨダレが訪ねてきました。
ヨダレはうさ耳少女に言いました。
「君、胸無いね。友達になってよ。」
心優しいうさ耳少女は驚きましたが、ヨダレと友達になることにしました。
ヨダレは毎日色とりどりのヨダレになり、うさ耳少女を喜ばせてくれます。
うさ耳少女はヨダレと友達になったことに感謝しました。
うさ耳少女はお菓子作りが得意でした。
毎日、クッキーやパイを焼いてヨダレと食べました。
暑くなると、一緒に庭のプールで泳ぎました。
時々、ヨダレがプールに混ざってしまうこともありましたが、笑いながら電気分解して、分離しました。
秋になるとヨダレはいいました。
「秋になると、いろんな動物がうさ耳少女を襲いに来るから気をつけて!」
ヨダレは、必死にうさ耳少女を守ります。
戦う度にヨダレは小さくなっていきました。
ヨダレは敵をすべて倒し、とうとう見えないくらい小さくなってしまいました。
うさ耳少女は、ヨダレが消えてしまうのではないかとわんわん泣きました。
そのうちに冬がやってきました。
冬になると、ヨダレがだんだんと冷たくなって、動かなくなっていきました。
うさ耳少女はその度にお湯をかけます。その時はヨダレは普段通りに戻るのですが、
少し経つとまた、凍っていきます。
うさ耳少女は毎晩お月様に願いました。
「どうかどうかヨダレと一緒に春を迎えられますように」
ある日、うさ耳少女は夢を見ました。
お庭の噴水が凍るような寒い夜のことです。
うさ耳少女は鳥のさえずりで起こされました。
周りを見るとお花畑が広がっています。
れんげにタンポポ、花が一面にひろがっています。
綺麗な小川が花畑を縫うように流れています。
うさ耳少女が驚いていると、女の子が声をかけてきました。
聞き覚えのある声です。
「ねぇねぇ、君小さい子の場所知ってる?会いたいんだー。」
うさ耳少女は首を振ります。
女の子は
「なーんだ、そっかー。じゃあ、私の、ヨダレが、どこかに行ったみたいなの。どこか知らない?」
と言いました。
うさ耳少女は、その女の子の声に、自分についてくるように言います。
そうして、家に着いた時、うさ耳少女は目を覚ましました。
まだ、辺りは暗いままです。
自分の爪をも見えないくらいの闇の中で、自分がみた夢を不思議に思ったうさ耳少女は、ヨダレの寝床を見に行きました。
ヨダレは、そこにはいませんでした。
うさ耳少女はヨダレがいないことを、不思議だとは思いませんでした。
なぜなのでしょう。
また、朝がやってきます。
すると家のドアをノックする音が聞こえました。そして、あの、女の子の声が聞こえます。
夢の女の子です。
ドアを開けたらそこにはヨダレを口から垂らしたかわいらしい女の子が立っていました。
「ただいま!」
その女の子は言いました。
うさ耳少女はそのこの正体がヨダレだと確信しました。
ヨダレは今まで、液体だったため、見せられなかった、満面の笑みをうさ耳少女に見せました。
完