少年マノンと勇剣の英雄譚 序章「少年と剣の旅立ち」第三話
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文脈や言葉遣い、構成などの知識を持ち合わせていない素人が書いた作品です。
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やぁ!読んでくれてるみんな初めましてだな!俺の名前は皇 流星【スメラギ リュウセイ】
現代日本から女神に剣と魔法の異世界にあるシャングリヤ王国で召喚され勇者になった男だ!…った。
俺は女神に頼まれて、この世界に長年君臨した悪の魔王を打ち倒すために呼ばれたんだ。
長い旅路、気の許せる仲間との冒険そして強敵との激闘の末、俺は魔王を倒すことに成功した!
そのあとはパーティメンバーの聖女と結婚しこのシャングリヤ王国に戻り英雄扱いされて、像や本の題材なんかにもなって、面白おかしく暮らしました。めでたしめでたし…とはいかなかった。
俺はそんな豪華絢爛、甘美な生活のせいで堕落し増長していった。
やりたいことはなんでもした、だが妻やともに冒険した連中には諫められた…しまいには俺を召喚した女神様も、俺が第二の魔王になることを危惧した。そんな話を仲間の賢者から聞いたとき俺の中の悪い感情が一気に爆発したのを俺自身は感じた。
そして俺は俺に心酔した者たちを率いて女神を倒し世界の神になろうとした!
だがそれは失敗に終わった…女神は勿論、元仲間達の抵抗もあって完全敗北した。
今となっては何でそんなことをしようとしたか俺も分からないくらいだぜ全く。
敗北した俺を女神は哀れんだ…なぜそんなに悪に染まったんだと。そして女神は俺を殺さずに俺が魔王討伐の際に使っていた聖剣に俺の自我を封印し、奈落の渓谷に封印した。
封印されてからもう何十年経ったかわからなかった…何人かは俺が封印されている聖域に入って来た者もいた、だが誰にも俺は引き抜けなかった。引き抜けなかった者たちは、転移の魔法が発動し渓谷のそばに飛ばされるらしく永遠ともいえる長い時間俺はほぼ1人で奈落の渓谷の聖域にいた。
女神は俺を封印したときにこう言った。
女神「貴方を引き抜けるものは、やさしさと心の強さを持つ純白な者です。その者と心を通わせられた時貴方はこの聖域より出て引き抜いた者と共に代えがたい多くのことを体験するでしょう」と。
まぁそんなこんなで俺の身の上話は、ここで終わりってことで本編に戻るがその稀に現れる俺の持ち主候補が、こんな幸が薄そうなガキなんて…こりゃまただめだろうな。
そんなことを考えているとガキが口を開いた。
マノン「あの…さっきスメラギって言ってましたけど、もしかして二百年前に魔王を倒した英雄「スメラギ リュウセイ」なんですか?もし本当なら何で生きてる…生きてるかどうかわからないんですけど、そんな姿になってるんですか?」
俺はありのままあったことをマノンに教えてやった。
スメラギ「ってぇ事だ。 笑えるだろ?世界を救った英雄が魔王と同じことをしようとして封印されてこのザマだ。」
そう言った瞬間俺はぎょっとした。マノンの目には涙がたまりぼろぼろと雫が零れ落ちていた。
スメラギ「何で泣いてんだお前、俺が全部悪いのに それはどういう涙なんだ?」
マノン「確かに…ぐずっ スメラギさんは悪いことをしたかもしれません。 でもそれでこんなところに二百年も1人でいたってことを考えると。どうしても悲しくなっちゃうんです。」
俺は心底呆れたさ こんな事で会ったばかりの俺に感情移入して、ボロボロ泣くなんてな。
でも同時に俺はなぜか少しうれしい気持ちになった。今まであった数少ない者たちは、罵倒する者や嘲笑する者ばかりだったからな。
スメラギ「そういえばマノン…だったか?お前は何でこんな奈落の渓谷のどん底に来たんだ?話してみろ聞いてやるからよ。」
俺がそう言うとマノンはこれまでの自分の境遇、昨日今日起こったことをすべて話した。
正直驚いた、こんなまだまだ子供なマノンがここまで壮絶な生活、体験をしていることに。その上このマノンは不意にこう言いだした。
マノン「僕がここに落ちる前にレッサーワイバーンに襲われてたあの女の子や、皆は無事かな… 無事だったら嬉しいなぁ」と。
なんてことだ!こいつは底抜けにお人好しで、自分よりも他人を心配するあんぽんたんだ!俺はこう思った「こいつには厳しくビシッと意見を言える相棒が必要だ」と…それと同時に俺がなれねぇか、そんな淡い期待を抱いただがそれは幻想だ。俺はここから出ることはできないそれを理解しているからこう言い放つ。
スメラギ「もうじきこの聖域に仕掛けられた転移魔法が発動する…渓谷付近に出ると思うから当初の目的地にしっかり向かうんだぞ。」
その一言を俺が言うのを待っていたかのように聖域が魔法発動に備えて光りだす…その瞬間!
マノンは俺が刺さった台座に駆け寄り、柄を握りしめこう言った!
マノン「ならスメラギさんも一緒に行きましょう!僕は何も力を持っていませんし、多分甘ちゃんです でもそんな僕でもよければ一緒に冒険しましょう!こんなところにずっと1人だなんて寂しすぎます…それに 僕が読んだ御伽話に出てくる英雄スメラギはこう言ってます!【困っている人がいたら助けるのは当たり前!方法がわからなくてもとりあえず首を突っ込め!なるようになる!】ってね!」
そう言い切るとマノンは俺を台座から引き抜くため上向きに力を入れる!
スメラギ「抜けるわけねぇ!女神が言うには【やさしさと心の強さを持つ純白な者】は俺を引き抜けるらしい。お前は優しいし、心は強いかもしれねぇ!でも純白ではないだろ!ちょっと薄汚れてるしよ!」
マノン「んぐぐぐぐぅ!やってみないとわかりません!僕は非力で、非才です スキルも何も持っていません!でも放っておく訳にはいきませんんんん!!!」
そう言った瞬間!俺の刀身がずずずっと音を立てた!それはどんどん台座から抜けついに!
「シャキーーーン!」と甲高い音と共にマノンが俺を天高く振り上げた!
マノン&スメラギ「ぬ…抜けたぁぁぁぁぁ!」
驚きの声と共に転移の魔法が発動し、気が付くと俺とマノンは奈落の渓谷の付近の草原に立っていた。
スメラギ「ま…まじか、俺 ついに封印から解放されたのか…でもなんでだ!?優しいだけで抜けるような生半可な封印ではなかったはずだ。女神の言っていた純白ってのがキーなのか?」
そうぶつぶつ俺が言っているとマノンが大きな声を出した。
マノン「え…えぇぇぇ!」 スメラギ「どうしたマノン!?怪我でもしたか?」
マノン「いや それが なんか妙に体が軽いから自分のステータスを見てみたんですよ…そしたらスキルに。」
マノンの冒険者カードのスキルの欄に「勇剣を携えし者」というスキルが表示されていた!
スメラギ「こりゃどういうことだ…まさか!純白ってスキルを何も持たないもののことか! なるほどなこりゃ誰も俺を引き抜けないわけだ!」
マノン「でもここに書かれている「勇剣」ってスメラギさんのことですよね?聖剣じゃなかったんですか?」
スメラギ「ん?あぁ別にこだわりはないし、元勇者の現在剣だ!いいじゃないか勇剣で!まぁこんなことになっちまったけどよマノン 俺は今後どんなことがあってもお前の味方をしてやる!それと同時に甘すぎるお前の性格も直してやるぜ!」
マノン「はいっ!これからよろしくお願いします!いろいろな場所を回ってスメラギさんに色々な景色や体験を見せてあげます!」
そう言い合うと俺とマノンは隣町に歩を進めるのであった!
こうして1人と1振りの剣が英雄になる物語が動き出すのでした
今回のお話はここまでです。また次回お会いいたしましょう。
キャラ紹介
マノン
年齢15歳身長158㎝ 見た目 銀髪碧眼 ジョブ 冒険者見習い スキル 勇剣を携えし者
性格はいたって真面目で誰にでも分け隔てなく優しい
両親が過去に魔物に殺されてから天涯孤独
都市マッシモから逃げ出し勇剣スメラギと出会う
体力武力魔力ともに人並以下
勇剣スメラギ スメラギリュウセイ
年齢不明 見た目 豪華な装飾が施された剣
過去に魔王を倒した異世界より召喚されし勇者の自我が宿った剣
世界を救ったあと増長し性格がかわってしまい召喚した女神をも打倒し
その力を奪おうとして逆に女神に封印された。
使用者に封印前に自分が使っていた技を伝授することが可能