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<完結> 知らないことはお伝えできません  作者: 五十嵐 あお


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あなたが知らないあなたの母のこと Side story オスカー・イスカラング10

スプラルタ国王は己の欲に忠実な人物だった。欲しいものは手に入れる。

しかし、そこは国王。欲を国の方針という言葉へ挿げ替える術に長けていた。更に上手かったのは、交渉をするにあたり国庫にあまり手を付けず贈り物を用意すること。


相手が欲しいものを、欲しい条件を見抜き用意した。それがイザベラのように年端も行かぬ子供を使おうとも。

国としての利益を追求する宰相や大臣達はそのやり方に何も言わない。自分達が痛まなければ利益を享受するだけだ、何か言う必要はそこになかった。


それに宰相達は知っている。国王は闇雲に使う駒を選んでいるのではない。マロスレッド公爵のように娘を使うことで利を得ようとする者と、家族を大切にしている者とを見分けているのだと。


大臣の中には自分の地位の為にどこかの王族へ娘を嫁がせたいと目論んでいた者もいる。国王はそれを理解した上で、その大臣の願いを叶え絶対的な忠誠を得ることもあった。


ところが、最初はあんなに使い勝手が良かったはずのイザベラが今では使い物にならない。

最初の婚約者とは死別。その孫、マクスウェルからは婚約破棄。その後やって来た、美しいイザベラを貰い受けたいという話はイザベラが私兵に入れ込んでいるという噂のせいで流れてしまった。噂は時に真実を喰う。どこまでが本当かは分からないが、もうイザベラを王族へ嫁がせるのは側妃だとしても難しくなってしまったのだ。


そこで国王は別の使い道を考えた。それが他国の侯爵家へくれてやるというものだ。

大国ではないが、政治が安定した国家にカリスター侯爵という男がいた。スプラルタ王国にも小さな商会を持ち、他国との中継地点として運営している。

しかし、本国では力のある大きな商会を営み、スプラルタ王国とは友好関係にない国との交易も行っている。


国王は友好関係にない国が扱う商品が欲しかったのだ。そこでカリスター侯爵へ持ち掛けた。スプラルタ王国での商売の権利を。

国王が望む商品を献上すれば、カリスター侯爵家には商売を営み易い環境を与えようと。その環境の一つが公爵家との繋がり。即ちイザベラだった。


カリスター侯爵にも利の大きな話は直ぐに纏まった。イザベラが嫁いでくることは、カリスター侯爵が頭を悩ませている問題も解決してくれるからだ。困ったことに息子は何の後ろ盾もない男爵家の娘に現を抜かしている。兎に角正妻として大国出身の公爵令嬢をもらい受ければ世間体が保てるどころか、それ以上になるだろう。


こうしてマロスレッド公爵家の誰もがあずかり知らないところで、イザベラの婚約話が進められていった。

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