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34.助け船

九之池さん!

お金持ちかも

「とりあえず、才籐さん。

いくら足りないですか?」

と九之池は尋ねた。


「えっ、あっ、金貨3枚ですけど」

と才籐が言いにくそうに言った。


「それって、すぐに調達できる金額じゃないですし、

値上げっているレベル金額でなく、

単に全然、足りないではないですか?」

とルージェナが突っ込んだ。


「違います違います。

前の金額なら、金貨が少し足りないだけです。

それをつけにしてほしくて」

ともごもごと説明する才籐。


「つけ?」

とルージェナが首を傾げる。


「そう、つけだって言っているんですよ。

そんなシステムないし、これから、

キリアに向かう奴に担保もなしに

貸せる金額ではないでしょう」

とハーフエルフのビルギットが言った。


「おっさんなら、分かるよな!

つけが立派なシステムとして成り立つことを!」


「才藤さん、ドラマか小説の影響を受けすぎです」

とため息をつく九之池。


「つけってなんですか?」

とルージェナ。


「簡単に言うとなんの担保もなしに

金貨2枚を借金させてくれと言うことです。

まー担保はお互いの信頼関係ですかね」

とため息をついて説明する九之池。

 

「仕方ないですね。

僕が出します。

金貨3枚。

それを才籐さんお貸しする形にしますよ。

エルフさん、それでいいですか?」


「ビルギットだ。お代を払うなら、

そちらの事情には干渉しない。

ちなみに金貨3枚が総額だからな」

と余計なことを付け加えるハーフエルフだった。


「ちょ、才藤さん、それって、

いわゆる文無しで買い物を

しようとしたんですか?」

と九之池が突っ込むと、


「いや、ちょっと、その。

教団に所属しているから、

給金が固定制なんだよ。

金貨3枚なんてそうそう

貯まるわけないじゃんか!」

と逆切れする才籐。


「あんた、逆ギレするより、

九之池さんにお礼をいうのが筋でしょう!」

とルージェナ激おこだった。


「確かにそうだぞう。

才籐、礼はちゃんと言え。

そして金はちゃんと返せよ」

とビルギットが才籐を諭した。


「ううっ、九之池さん、ありがとうございます。

必ず借金はお返しします」

となぜか悔しそうに頭を下げた。


九之池はそのセリフが何という妙に

面白く、笑ってしまった。


魔術の封印される魔石は、

3日後に準備できるようだった。

才籐はその日に受け取りに

来ると伝えて、店を去った。


九之池はビルギットにルージェナの魔術を

魔石に封印できるかどうか相談しようと思い、

お店に残った。


才藤さん、、、カッコ悪いなー

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