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8.懊悩

九之池さん心労

九之池は、部屋でルージェナに今後、

どうするか話しかけた。


「私に聞かれても困ります。

この国に留まるのもどうかと思いますけど」


「それはなぜ?」

と九ノ池は尋ねた。


「この国では、今まで召喚者を

得たことがないので、どのような扱いになるか

掴めませんし、役立たずと認定されたら、

本当にどうなるかわかりませんよ。

できれば、諸国を巡って知見を広げながら、

この国に十分に寄与したとか適当に

理由を付けて、一旦、離れた方が

良い気がします」

ルージェナは一応、自分もこの国から一旦、

離れたいためにそのように提案してみた。


「おおっ!そうか、そうしよう。

確か、近隣とはいえませんが、

近くの国に僕と同じような

風体の召喚者が確かいると

言っていましたよね。

会いに行きましょう!

僕らの助けになってくれるかもしれません。

ルーたんありがとう」

妙案、妙案と呟いて、ルージェナに

シリア卿へ話してくるといって、

再び、執務室に向かった。


執務室にはまだ、シリア卿がいた。

九之池は、結構、この人も暇なんかなと

思いつつ、先ほどの件を話した。


「ほほぅ、噂の召喚者に会いに行きますか。

それはそれは、悪くありませんねぇ。

しかし、あの娘はどうします。

諸外国へあの娘を連れて行くのは、少々、問題が。

逃亡されて、変に利用されても困りますので。

死刑確定の大公への反逆罪は重いですよ」

へらついた表情でなく、真剣、そのもの表情で言った。


「そっそれは、僕が責任をもって、

どうにかしますので」

九之池はあやふやな答えをした。


「まあ、どのような形であれ、

あなたが彼女を必ず殺してください。

そういう契約をしていますから、

まあ、いいでしょう」

とシリア卿は答えた。

「それと、九之池君には、一つ、面白いことを

伝えておきましょう。

彼女の一族は5歳未満児を除いて、

死刑になりました。まあ、5歳~15歳まで

子供は苦しまずに刑を執行されましたが、

それ以外の方々は、、、」


シリア卿は、一旦、言葉を切った。


「それ以外の方々は、、、」

オウムのように九之池は、つぶやいた。


「あなたが殺害しました。

もちろん、彼女の両親も兄もね。

あの監獄の闘技場で!」

くっくっくっとくぐもるように笑って、

シリア卿は、旅費は十分に準備して、

国の紹介状も準備しよう、

そして、召喚者の研究している技術でも

盗んで来てくれと言った。

出発までの段取りはエドゥアールに

するように伝えておくと言って、面会は終了した。


九之池は、頭が真っ白になり、

どこをどう歩いたかわからなかったが、

とにかくルージェナの待つ部屋に着いた。


「九之池さん、さっき、エドゥアールさんが

準備金と言って、金貨を10枚ほど

置いていきましたよ。

私も同行できるようですね。

明日にでも旅路に必要な物を

買いに行きましょう」

と言った。


 声をかけられた九之池は頷くのが精一杯だった。

さっきの話をどうするべきか判断がつかず、

ルージェナの顔をまともに見ることができなかった。

この娘にとって、自分は親の仇になり、

憎むべき敵であるのか。

九之池はルージェナの話に集中できず、

あやふやな答えに終始してしまった。


「九之池さん、目的地のキリア王朝は、

バルザース帝国の先になりますよ。

それなりの旅路になります。

かなりの距離になりますから、

もう少し真剣になってください!」

と言って九之池を叱責した。


「すみません」

と九之池は謝るのが精一杯だった。


キャパを超えています!

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