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5.興奮

九之池さん、我慢できず!

囚人は九之池に残り1m程度まで近づいた。

しかし、九之池は、その場に固まってしまっていた。

パクパクと口が動くだけで、悲鳴も上がらず、

恐怖に引き攣る九之池であった。


囚人は、うわ言のように何かをつぶやきながら、

更に近づき、両腕で九之池の首を絞めようとした。


その瞬間、九之池は突然、囚人に体当たりをした。

囚人は何の抵抗もなく地面に叩きつけられて、

そのままぴくりとも動かなかった。


「えっ」

我に返った九之池は、

倒れた囚人に

「大丈夫ですか?起きられますか」

と必死に声をかけた。

囚人は倒れたままで、なんの反応も示さなかった。


執事が拍手をしながら、闘技場に入ってきて、

「その囚人はもう、死んでいますよ。

さて、本日の訓練は終了です」

と言った。


「いや、倒れただけで、ぼくは何もしてません。

早く、治療をしないと。はやく、早くしろっ」

と九之池は、絶叫した。


「死に損ないの囚人とはいえ、

あなたが止めを刺したんですよ。

明日からも続きますので、

早々に身体を休めてください」

と執事が言った。


 この訓練が始まって、一体、どのくらいの日が

過ぎたのだろうか。

九之池の心は摩耗しきっていた。

最初の頃は、九之池の行動が

囚人の死へ偶然、繋がってしまった感じであったが、

いつの頃からか、虫を殺すように囚人を殺していた。


「今日は、若い女性を用意しました。

最後に殺すのであれば、どのようにするのも

あなた次第です」

執事の言葉をぼんやりと聞きながら、

九之池は、武器を両腕で持ち、ふらふらと闘技場に入った。


 闘技場の隅にぼろぼろの服を纏った

碧眼、緋色の髪の女性が震えながら、

へたり込んでいた。

九之池はその姿を見ても何の感情も沸かず、

棍棒を肩に担ぎながら、近づいた。

九之池は両腕で棍棒を振り上げ、女性の前に立った。

九之池は露わになっている太ももや

ぼろ服から露わになった隠し切れぬ胸に

視線が向かい、最後にまじまじと女性の顔を凝視した。


九之池の感情は久々に何かを

思い出したように動きだした。

そして、先ほどの執事の言葉を思い出した。


確か、最終的に殺すなら、どのようにしても

いいと言っていたな。

九之池は、棍棒を放り投げると、

へたり込む女性に襲いかかった。


「いっいやあ」悲鳴を上げる女性。


たるんだ腹を震わせながら、その女性へ

馬乗りになり、無理やり押さえつけた。


ふうふうと息を荒げながら、九之池は、

女性を押さえつけ、耳元でささやいた。

「うまくすれば、助かります」


「いや、触らないで。絶対にしないし、

絶対に許さない」

と言って、九之池に噛みついた。


「ぐわわっー痛いっ」

と言って、九之池は、女性の顔を

身体から離して、無理やり、接吻をして、

腰を振るった。


執事を含む闘技場で観戦している面々は、

この状況に哄笑した。


「ふううっ、気持ち良いーーー」

と大声で言って、女性が意識を失う程度に締め上げた。

そして、女性が意識を失うと、担いで、

執事のいる方に向かった。


「たまには楽しませてくれよ。

それに最終的に殺せばいいんだろ。

ここでなくともいいだろうよ」

と九之池は言い放った。


「くっくっくっ、その通りですね。

確かにその通りです。

あなたの部屋に連れていきますか?」


「そうさせてもらう」

と言って、九之池は、部屋に向かった。


「エドゥアール様、大丈夫でしょうか?」

と城の管理者たちが執事に尋ねた。


「まあ、大丈夫でしょう。

ふん、あの下種のお楽しみ後の部屋の清掃が

大変だろうけど、頼みます。

そろそろ、シリア卿の元へ戻ります」

執事が伝えると、城の管理者たちは

笑いながら、頷いた。


エロエロー

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