表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/274

5.裸族の男

裸なのだー

「んんっーなぜ裸だ!この屑召喚者が。

もうやだ、こんなはずれの面倒みるの」

ドアを開けて、召喚者のいる部屋に入ると

開口一番、紺のフードを着た女性は叫んだ。


「あのすみませんが、召喚者とは僕のことですか?

何か着る服を貸して頂けませんか?

それと、入室前にノックして頂けると助かります」

素っ裸のままで、落ち着いて、そう話すと、

その女性は、真っ赤になって返してきた。

「この変態がぁ。貴様の性癖なのか

文化なのかわからぬが、その粗品をひとまず、隠せ。

今、ローブを取ってくる」


女性は、部屋を慌ただしく出ていった。

多分、ローブを取りに行ってくれたのだろう。

生存本能に呼応して、そそり立つものに

汗で湿ったシャツをかけて、彼女の戻りを待つ。


しばらくすると、紺のフードを着た女性は、

ローブを持って部屋に戻り、

召喚者の腰のあたりのシャツの膨らみを

一瞥して、それを召喚者に渡した。

「とりあえず、名前はなんという?

召喚審問では聞いていなかったので。

あと、身体の調子はどうだ?

あの怪我では、しばらく動けないと思っていたが、

随分と回復していないか?」


「まず、断っておきますが、素っ裸を女性に

見せるのは文化でも性癖でもないので。

部屋に入る前にノックをしたほうがいいですよ。

名前は、稲生 竜矢。

体の調子は歩けるくらいには、良さそうです。

お名前をお伺いしても?」

ローブを羽織りつつ竜矢は答えた。


「ふむふむ、回復力が若干、早いくらいか。まあ、いいや。

稲生のほうが呼びやすいな。

ここでは、稲生と呼ぶようにするかな。

私は、ヤンデルフォン・リン。

どのくらいの付き合いになるかわからないが、

リンと呼んでくれ。

色々と問題が起きているから、

しばらくこの地を離れる予定だ。

ここの守備隊主任が君の面倒をみるだろう。

聞きたいことは、彼から聞いてくれ。

それと先ほどは、屑呼ばわりしてすまん。

変態に関してはあやまらんけど」

言いたいことだけ、言い残すと、リンは、部屋を後にした。


残された稲生は、自分のいた社会で

照らし合わせて考えると、彼女は、これから先ほどの

戦いの報告に向かうのだろうと判断した。

先ほど考えていた項目の大半は、回答を

得ることができたが、5項に関しては、いずれ、

落ち着いてからにするかと思いつつ、眠りについた。




稲生さん、寝るときは裸かも

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ