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3.森の獣外伝 メープル司祭の奮闘記。ああっ、早く帰りたい。メープルさん、お仕事です

人使いの荒い上司だ!

 メープルは目覚めると、辺りを見回した。

一体、意識を失ってから、どのくらい経ったのだろうか。

起きた部屋より、外を覗くと、天空には星々が輝いていた。

メープルは星の光を照り返しで燦然と

輝く右腕をみて、現実に引き戻された。

痛みはないが、何かが蠢くような違和感を

右腕に感じていた。


「どうしよう、この右腕」

ふと、側のデスクを見ると、魔道義手取扱説明書と

書かれた書物が置いてあった。


「うっ胡散臭さ過ぎます、ルナリオン様―」

独りで絶叫した。そして、何かを諦めたように

再び、眠りに落ちた。


翌日の4刻にデリアは、メープルに会いに来た。

「調子はどうだ?悪くないようだな、よしよし!」


「勝手に決めないでください、ルナリオン様」

とジト目でデリアを見つめるメープル。


「よい、気にするな。それより、任務だ。

どうやら、現帝王の指示により、

2日後に召喚の儀を行うようだ。

しかも人の魂を用いてな。

場合によっては、召喚された者は死んだ方が

ましな状態になるかもしれぬ。

判断は任せるが、召喚者を保護しろ」


「はっ、謹んでお受けいたします。

そのような召喚の儀は、碌なことにならないのが

目に見えているのですが、、、、」

メープルは歯切れの悪い口調で述べると、


「たぶんだ、内実は別として、キリア王朝の

召喚者稲生が思いのほか有能との判断を

したからであろう。

何十年もまたずとも優秀な手駒を

得られるなら、やるだろうな。

犠牲者は、多分、牢に繋がれている者どもになろうかと。

あと、2日しかないが、その取説はちゃんと読んでおけよ。

ドルグほどの使い手ではないが、戦士を数人、付ける。

それと城内への手引きは確実にしておく。では、後は頼んだ」

言いたいこととだけ言って、デリアは部屋を出て行った。


「はあっ、こっこれを今から読めと。

ううっ稲生様、早くお会いしたいです」

独り言が多くなっているメープルであった。


2日後、大して右腕を使えるようになるわけもなく、

メープルは、数人の戦士と共に召喚者の保護に向かった。


メープルさん、真面目だ!

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