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35.決戦前の仲間集め

討伐のための仲間集め!

「稲生様、討伐に向かわれるのですね」

会議が終わり、メープルを見舞うと

念を押すように聞かれた。


「ええ、明後日には向かいます。

また、お会いできれば、討伐後ということになります」

稲生は、分っている限りで答えた。


メープルは瞳を閉じて、左腕を胸に当てて、尋ねた。

「召喚者、稲生様、どうか私があなたに

仕えることをお許しください。

そして、討伐に参加させて頂けるようお願い致します」


突然の告白に稲生はどう答えて良いのか分からず、

ひとまず、討伐を思い留まらせようとした。

「メープルさん、森の進軍にはまだ、

耐えられないですよ。

まだ、体力が回復することに努めて下さい。

今の状態では、逆に足手まといとみなされます」


「生き残った一人の神官戦士が私をサポートします。

さほど、奥地に進まずとも獣は現れますから、

進軍の足でまといになることはございません。

是非ともお許しを」


メープルからの強烈な意思を感じ、

あきらめさせるには、どうしたものかと思い、

一つの提案をした。


「明日の午前中に練兵場で試験します。

行軍が可能か、戦闘に耐えうるかを。

その結果次第でお答えいたします」


「わかりました。その時、全ての件に関して、

ご回答をいただきます」

微笑みながら、メープルは答えた。

稲生は、うーんうーんと頭を抱えながら、

部屋を後にし、ノーブルに会うために正門へ向かった。


正門付近では、揉め事が起きているようだった。

「駄目です。二人の参戦は認めません。

メリアムさん、ノル爺、聞き分けてください」


「いや、なぜじゃ?戦力になるぞ」


「リン、ここの森を案内するのに

私は最適ですよ。理由を話しなさい」


面倒ごとに巻き込まれたくない稲生は

声の主たちに見つからぬように

別のルートから町に出ようとした。


目ざとく稲生を見つけたメリアムは、

「稲生、私を討伐に連れて行ってもらえませんか?」

とお願いした。

ノルドも「わしも連れて行け」と一言、続けた。


稲生は知らんふりをして、逃げ出そうとしたが、

リンに捕まった。

「稲生、何とか言ってくれ。私では無理だ」


先ほどに続き、またかと思い、

メープルと同じように試験で

諦めて貰うように誘導しようと考えた。


「明日の午前中に練兵場で試験します。

行軍が可能か、戦闘に耐えうるかを。

その結果次第でお答えいたします」


二人は、各々、「おう!」「了解しました」

と言って、戻っていた。


リンが心配そうな面持ちでこっちを眺めている。

稲生は一言、

「大丈夫ですよ、最後に不合格と

伝えればいいのですから!」

と答えた。


稲生さんに一案ありっ!

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