表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/277

31.デート途中

ラッキースケベ発生かも!

「リン、もうすぐですが、大丈夫ですか?」

稲生がリンに声をかけた。

二人は門を出てから、しばらく街道を歩き、

小道に入っていった。

しばらく歩くと、川のせせらぎが聞こえてきた。


「せせらぎの音が気持ちいいな。

もう少し歩くのか?」


「ええ、もう少し歩きますと、川辺に出ます」

稲生は説明しながら、周囲を見渡した。

川辺が見えてきており、目的地についたようだ。


「ここです、気持ち良いでしょう」

その川は、川底が見えるくらい綺麗で、

触れるとひんやりとして、気持ちいい水が流れていた。

時節、魚が泳いでいるのが見えた。


腕を大きく後方に広げて、背筋を伸ばし、

リンは、一言。

「うーん、気持ちいいなー」


「森林浴と言って、森のマイナスイオンによって、

心身をリラックスさせる方法です」

稲生は、ここに来た目的と

その効用について、リンへ説明した。


「マイナスイオン?なんだそれは?

稲生のいた世界の言葉なのか?どんな意味?」

リンは初めて聞く言葉にリラックスした表情で尋ねた。


「すみません。森の清浄な空気を身体に取り入れ、

香気を浴びることで、心身をリラックスさせる方法です」


「まあ、でも場所を選びそうだな。

獣いる森だと、逆につかれそうだな。

ここは明るく、爽やかな感じがするよ。

森林浴とは稲生の世界の人々は、面白いことを

思い付くな」

にこやかに話すリン。


そして、稲生は、こういった場所について、

ドリアムが相談にのってくれたことを感謝した。


遠目から、彼ら二人を観察する邪悪なエルフがいた。

「くっくっくくっ、ここは、二人を後押しせねば」

何事か、唱えると風の精霊がふわりと二人の周りを舞った。


「えっ何、ちょっ、急に風が」

慌てて、スカートの裾を抑えるリン。


「ぐわっ」


稲生は、何故か強風に背中を煽られて、

リンへ思いっきりぶつかってしまった。

そして、リンを押し倒してしまい、

覆いかぶさるようになってしまった。


リンを抱きしめるような感じで地面に

押し倒してしまったためにお互いの耳元に吐息を感じ、

胸の鼓動が重なりあい、しばし、無言になった。


「すみません、リン。

怪我はないでしょうか?」

稲生は、名残惜しい気もするが、

先に立つと、リンを助け起こした。


リンは心ここにあらずと言った感じで、

「ありがとう」と一言。


おおっ!予想以上の展開になったのう、大成功じゃ。

と遠くでニンマリするエルフ。


「稲生、楽しいひと時ではあるが、

魔術を行使して、痕跡を探します。

今の風は、明らかに不自然だ。

何かしらの監視か、それとも暗殺か」

リンは、真剣な面持ちで魔術を唱える。


「リン、何か見つかりましたか?」

と尋ねる稲生。


「いえ、何も見つかりません。

もしかして、精霊の加護かもしれません。

それだと、魔術の痕跡が残らないので」

リンは、うーんと考えて答えた。


稲生は大げさなと思い、

「リン、もし、監視ならあのようなことはしないかと。

暗殺にしても自ら、その存在を示すようなことは

しないと思います。

多分、風のいたずらですよ」


「そっそうだな。そういうこともあるかもな。

稲生、次はどうするのだ?」

綺麗な女性がそう答えた。


そして、次はどうしてくれようかなと

邪悪なエルフが独り呟いた。


稲生さん、ラッキー(^^♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ