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27. 光銀のざわめき3(才籐)

久々の更新。

その夜、バリオス領の教会には

笑い声が響き渡っていた。

笑い声の主は、教区長ジャバルと

イラーリオであった。

メープルは、気難しい表情で

才籐の購入した剣を見つめていた。


「騙されてねえって!

お値段以上かお値段相応だ」

才籐は、笑いとメープルの表情に込められた意味を

受け入れることができずに語気を強めた。


「購入してしまった物は仕方ない。

才籐、その剣を儂に預けよ。

多少はましにしてやろう」

笑いを収めて、苦笑しながら、

ジャバルは才籐の剣を受け取った。


メープルの表情は、険しさを増した。

「ジャバル司祭、分かっているかと思いますが、

才籐の剣をだしにして、日々のお勤めを

蔑ろにすることは許されませんよ」


釘を刺されたジャバルであったが、

その表情には余裕があった。

「これはしたり!

まさかアンカシオン教のメープル司祭の

言葉とは思えませんな。

何よりもまず召喚者様のお力に

なることこそ我らが教義。

まさにこの塵同然の剣を鍛え直すことは、

召喚者様のお力になることでは?」


「うっうぐっ」

ぐうの音も出ないジャバルの理屈で

言葉に詰まったメープルは、

ぎろりと才籐の方を睨みつけた。


「おっ俺は悪くないぞ。

目利きは確かなはずだったんだけどなぁ」


「くくっ、旦那。もうその辺りにしておけって。

その鈍らじゃどうにもならんな。

司祭も分かっているだろう」

イラーリオが何とか場を纏めた。


その夜、才籐はどうも落ち着かない

光銀の左脚を何度か制御しながら、

ベッドで横になっていた。

光銀のざわめきが収まらず、

眠りに落ちることができなかった。


「くそっ、寝れねえな」


才籐はベッドから起き上がった。

少し尿意を感じ、部屋の扉を開けた。

星の明かりは教会の廊下まで届いていなかった。

そこは真っ暗な世界が広がっていた。

廊下へ足を踏み出すと、

暗闇に吸い込まれるような錯覚に才藤は囚われた。

暗闇の深さに怯んだ才籐は、光銀の左脚を伸ばして、

何もないことを確認した。

その時、闇に紛れた左脚が激しく震えた。


「うおうっなんだなんだこれは!」

才籐は慌てて左脚を戻した。


「ちっなんだよここは」

才籐は、舌打ちすると、魔灯を灯した。


「便利というか何というか」

才籐は魔灯を左手で持つと、

足下を照らしながら、便所に向かった。


「あーいつになっても慣れないな、はああっ」

振動する左脚を落ち着かせながら、

才籐は小便をした。


便所から出ると、尿意から解放された才籐は改めて、

魔灯を照らして、周囲を見渡した。

特に注意を引くものはなかった。


「ったくそれにしても落ち着かねえな」

普段にも増して、才籐の独り言が多くなっていた。


何故か自然と才籐の脚は寝室と別のところに

向かっていた。

「なんだかな。

どうもこっちに自然と向っちまうが、何かあんのかよ」


「さあ、どうでしょうね。

でも引き寄せられる何かはありそうですね」


ぎゃあああー、才籐は

言葉と形容し難い叫び声を上げた。

無論、教会中に響き渡った。


後ろを振り向いた才籐の目に映ったのは、

メープルだった。


「はあ、驚きすぎでしょう。

流石にさっきの音量だと、教会の皆さんは

何事かと騒ぎ出すでしょうね」

仕方なしという風にため息をつくメープルだった。


「ちょっと司祭、少しは反省しろよ。

後ろから突然、話し掛けられたら、びっくりするだろ。

まあ、それはいいんだけど、それにしても

なんか光銀が騒がしいんだよ。

司祭の右腕もそうか?」


「ええ、そうね。何故か引き寄せられるわ。

それがどこなのか何なのか分からないけど、

自然と引っ張られる様な感じかな」


才籐の叫び声に教会の人々が集まって

来ることはなかった。

代わりにジャバル一人が暗闇から現れた。

「教会の朝は早い。

勿論、メープル司祭もそれはご存じだろう。

みだりに夜中、騒ぐのは控えて貰いたい」

暗闇に浮かび上がったジャバルは

不気味そのものだった。


「ああ、すまない。

司祭が暗闇で驚かすから」


「なっ。

いえ、ジャバル司祭、

お騒がせて申し訳ございませんでした」


ジャバル司祭の険しい表情を見ると、

メープルは、才籐に反論することなく、頭を下げた。


「まあよい、早く部屋に戻って身体を休めなさい」

そう言うと、ジャバルは闇に紛れるように姿を消した。


風邪で自宅待機のために少し更新です。


森ケモは、(*´ω`)更新まったりです。

気長にお付き合いください。


早く体調戻れー。


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