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27. 光銀のざわめき2(才籐)

久々の更新!

翌日、才籐は当てもなく街中を

ぶらぶらとしていた。

無論、調査への当てもなく、

調査をしているアリバイ作りだった。

イラーリオはメープルと何やら

話し込んでいるようだった。


 街のいたるところに見える煙突からは、

煙がもくもくと噴き上がっていた。


「折角のドワーフの街だし、武器でも見てみるかな」

才籐の思いも虚しく、忙しそうに働く鍛冶屋の職人たちは、

じっと見ているだけで話しけもしない一見の客を

無視するか胡散げに見るだけであった。


才籐の態度は、怒鳴られて追い返されないだけましであった。

「まあ職人気質だし、しゃーないか。

武器屋や防具屋にでも行ってみるか」


才籐は、職人たちの態度を気にした風でもなく、

飄々と街の商店街に向かって歩き始めた。


「どうでしょうお客様。

この剣などお薦めでございます。

名工の工房で鍛えられた剣でございます。

鋼すら容易く斬ります。

ここだけのお話し、お客様の腕に

相応しい一品でございます。

普段の価格よりお勉強させて頂きます」


才籐が大きめの武器屋に入店し、

飾られた剣ばかりを眺めていると、

突然、話し掛けられた。

うざっとしか才籐は感じられなかった。

必要以上に客に近づき、聞いてもいないことを

延々と話し続ける押し売り営業を何故か思い出していた。

他の武器屋の価格でも言えば、

更に安くするのだろうかと才籐は元の世界の

購入ルールを思い出し、懐かしく感じていた。


「そうですね。

先ほどのお店でも同じような剣を

薦められましたが、価格の折り合いが

付かなかったんですよ」


表情が柔和のまま店員の目が一瞬、鋭く光った。

「差し支えなければ、少々お話を

伺ってもよろしいでしょうか?」


才籐は心の中でほくそ笑んだ。

うまい具合に安くそこそこのクオリティーの剣が

手に入りそうだと皮算用した。


「まあ、良いですけどね」


「では単刀直入に伺います。

あちらさんは如何ほどの価格を

提示しましたか?」


「金貨1枚に銀貨70枚だ」

才籐は別の店で提示された価格より低めに答えた。


店員が薄笑いを浮かべていたが、目は笑っていなかった。

「それはそれは中々良い見識をお持ちでございますな。

しかし、その売価では当店は潰れてしまいます。

ですが今後、御贔屓にして頂けるのでしたら、

赤字覚悟で値引きいたします。

お客様のご予算は如何ほどでしょうか?」

店員は才籐に近づき、他の客に聞えないように

耳元で囁いていた。

周囲を見渡してもこのような接客をしている店員は

皆無のようだった。若干、才籐は気圧されていた。

才籐は難敵を前にしているような気分だった。


「金貨1枚に銀貨30枚までだ」

きょどりながらも才籐は思い切った金額を伝えた。

店員は周囲を見渡して、才籐の右手を取り、

才籐の手の平に人差し指で文字を書いた。

それは金貨1枚に銀貨40枚だった。


「金貨1枚に銀貨35枚」

才籐は短く低い声で店員に伝えた。


店員は難し気な顔で才籐を見つめて、

にこやかに笑った。

「今後も当店を御贔屓して頂けるなら、

その価格でお譲りしましょう」


才籐はにんまりとした。

その心中は、難敵を倒した時のように高揚していた。

鷹揚に頷き、革袋から金を出した。

金を受け取った時の店員のいやらしい笑みが気になったが、

剣を鞘に納めて腰にかけるとそんな気分も消え去った。

才籐は意気揚々と教会に戻った。


才藤さん、買い物上手なのかな???して、その結果!

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