21. 視察の準備2(九之池)
暫く転職活動のために更新ペースはめっちゃ落ちます。
うおっ、九之池が奇声を発した。
「如何いたしましたか?」
ジューヴェが慌てた。
「いやもう何かね。すみません。
今まで会ったエルフさんの中で
最もエフルさんらしいので、
ちょっと感動してしまいまして」
九之池が慌てて、見繕った。
「そうですか、九之池様は、どういったエルフの方々に
お会いされてきたのでしょうか?」
ごく自然で如才の無いジューヴェの態度と言葉に
乗せられるように自然に九之池は饒舌になっていた。
「そうだね。
バルザースで魔具を売ってるビルギットさんや
確かキリアの将軍だったような、アデリナさんかなあ。
あとは方々を旅しているメリアムさんあたりなか」
ルージェナが驚いたように九之池を凝視してしまった。
メリアムに関しては、話を少し聞いただけのはず。
話を盛るために九之池が平然と嘘を交えていることに
ルージェナは愕然とした。
ルージェナは、どうか早々に襤褸を出しませんように
と心の中で祈っていた。
彼女たちの名前を聞いたジューヴェの表情が
一瞬だが、鋭いものになっていた。
しかし、この場にいる者たちは、誰もそれに
気づくことはなかった。
「これはなかなか、エルフ族の中でも変わり者で
有名な者たちばかりとお知り合いであるとは、
九之池様の交友は中々、お広いですね」
にこやかな表情でジューヴェが答えた。
「もうそろそろ、世間話はいいでしょう、先生。
私たちが公都を留守にする間、先生に政務をとって頂きます。
いいですね」
ヴァレリーの有無を言わせぬに凄みに九之池は
萎縮してしまい、椅子からさっと立ち上がり、
ジューヴェに執務室のテーブルと椅子を譲ろうとした。
誰もが彼の行動についていくことができなかった。
「いや、九之池様、そのテーブルとイスは
唯一無二、あなただけがそこで執務を
取ることができるのです。
留守の政務を任せて頂けるなら、
別に部屋を用意して頂きたく願います」
九之池はこくこくと頷いた。
「いやもう、よろしくお願いします。
ちょっと乗馬の練習に行くから、
後はヴァレリーと打ち合わせておいてね。
よろしく」
九之池らしからぬ軽快な動きで、執務室を後にした。
慌てて、茶器を片付けて、その後を追うルージェナであった。
ヴァレリーは執務室の閉ざされたドアを見て、
ため息をついた。
どこまでも愚鈍な婚約者の男に呆れていたが、
阿呆な分、御しやすいと思い、どの道、
政略的な婚姻と割り切っていた。
あの男といずれ寝室を共にすると思うと
ジューヴェの前であっても震えが止まらなかった。
ジューヴェは執務室の閉ざされたドアを見て、
猜疑の目を向けた。
愚鈍そうに見えて、抜け目ない男に違いない、そう思った。
エルフ族でも有名であり、普通に生活していては、
接点の持ちようのない者たちの名をさりげなく出し、
己の知見と交友の広さを誇示した。
更に己の執務室を明け渡すことで、
度量の広さとヴァレリーへの信頼の高さを示した。
見た目とは裏腹に侮れぬ男よと感じ、
ヴァレリーとの関係にも感づいているかもしれないと思い、
ジューヴェは彼を警戒した。
震えるヴァレリーがジューヴェに身体を預けると、
ジューヴェは、彼女の背中に両手を回し、抱きしめた。
ジューヴェは、上目づかいに
彼を見つめるヴァレリーをそのまま、
ソファーに押し倒した。
二人は熱い抱擁を交わし、2時間ほど執務室で
様々な激務をこなした。
ニーハオ資本の会社、、、大丈夫かなあ。
茨城県、、、ゴミ袋と水道代が高いおー
異世界に召喚されたいっ!