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1. 遭遇

物凄く久しぶりの更新です。

ペース遅いですが、再会です。

晴天のなか、心地よい風が街道を

巡る旅人たちの良い癒しとなっていた。

大陸は、風の刻であり、人々が比較的、

過ごしやすい時期であった。

 急ぐでもなく、馬車に揺られながら、

キリア王朝への旅路につく3人がいた。


「のどかですね」

心地よい陽光と爽やかな風のせいか、

馬の手綱を握る男が大きな欠伸をした。


「アルバン、そのまま眠りに落ちないでくださいよ。

こんなところで立ち往生とかご免こうむりたいですので」

荷車の方より馭者に声がかかった。


馭者は、はいはいと生返事をしつつも

しっかりと手綱を握り直した。


馬車の速度に合わせて、馬に乗り、

追走している美しい黒エルフがいた。


彼等は、ベルトゥル公国からキリア王朝への

帰国の途についている者たちであった。


異世界より召喚された男、稲生。

そして、その従者であるアルバン。

キリア王朝の一柱である黒エルフの女性、アデリナ。


各々がベルトゥル公国及びバルザース帝国で

得た情報等を持ち帰るための帰国であった。


彼等は、現在、バルザース帝都から

キリア王朝の王都へ向かう街道の丁度、

中ほど移動中であった。


先日の大戦のせいか、バルザース帝国のどの街も

あまり明るい雰囲気はなく、

どこかぎすぎすした雰囲気に覆われていた。


野盗や魔獣に襲われることも無く旅自体は

順調であったが、現在の街の雰囲気がどうも

稲生たちには合わず、自然、足は早くなっていた。

本来なら、帝都で一度、十分な休息を取り、

旅立つはずが、休息もそこそこで出立した。

しかし、稲生が出立を急いだ理由は、

才籐や特にメープルが帝都を留守にしており、

私用がなかったためとアルバンは思っていた。

所詮、メープルがいなければ、逢瀬を楽しむことも

出来ず、稲生に滞在のメリットがなかったのだろうと

意地悪く考えていた。


 稲生が荷車でごろごろしながら、

夜営時の警護のためと称して、

昼寝を始めようとすると、アデリナが

馬車を追い越し、突然、先行した。


「稲生さん、アデリナさんが突然、先行しましたよ。

何かあるのかもしれませんので、お昼寝タイムは

中止してください」


稲生は先行するアデリナを目で追いながら、武器の確認をした。


アデリナが馬を止めた。


そして、馬車に停止するよう指示を出していた。


街道は風によって、擦れ合う木々の音と

パタパタと羽根の擦り合うような音が流れていた。


稲生とアルバンは、アデリナの後方で武器を構えて、

周囲に警戒を払っていた。


アデリナは、馬から降り、細剣を抜き、

直立不動の姿勢から、細剣を十字に振るった。


久々の更新です。読み返して楽しんで頂ければと思います。

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