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24.血流増大

稲生さん、気合一発!

血管が浮き出てるー

「なんとか助かった」

うまくリンを言いくるめて、

執務室から生還した稲生は、

ノルドの店に向かっていた。


「これはこれは、偶然でしょうか?

それとも運命でしょうか?

稲生様ではありませんか。

どちらにお出かけでしょうか?」

道中で巨乳神官が稲生に声をかけてきた。

稲生は、先ほどの忠告が頭をよぎるが、

視線の先には豊かな胸があった。


「改め、ご挨拶させていただきますわ。

アルカシオン教の司祭、

メープルと言います。

召喚者様を等しく神に近し方々として

崇めております。

召喚者さまがお望みなら、

我が身を捧げることも厭いません」


その言葉にごくりと唾を飲み込む稲生であった。

この言葉がハニートラップに違いないと思うも

抗しがたい魅力を如何ともできなかった。

メープルが豊かな胸を強く稲生の右腕に

絡めてくると、どうしようもないくらい、

身体中の血流が早くなり、全てがどうでも

よくなりつつあった。


メープルが身体を稲生に密着させて、

耳元でささやく。


「稲生様が望まれるなら、」


最早、稲生にうなずく以外の選択肢は、

思い浮かばなかった。

そして、逆の耳元に大音量の叱責が伝えられた。

「ばかもの、道中で、何をしておるのか!恥をしれっ!」

その言葉と同時に紺のローブが

ふわりと舞い上がり、稲生の左腿に

強烈な蹴りが炸裂した。

「きゅっうぅー」

稲生は謎の言葉を残して、

あまりの痛さに地面に膝をつく。


「はぁ、宿舎を出て、20mと

離れずにもうこれかぁ。

稲生、どういうことか教えて貰おうか?

ノル爺に用事があったのではないのか?」

鉄面皮リンが現れた。


「召喚者様、大丈夫でしょうか?」

とメープルが膝をつく稲生の顔を

胸に納めて、尋ねる。

そして、その稲生の首根っこを引っ張るリン。


「ふん、獣を討伐する前だというのに

男にちょっかいを出すとは、随分と余裕だな」

とリンがメープルを嘲る。


「召喚者様は、神に近し方々。

等しく尊敬に値する召喚者様なら、

なお更、お声をかけて当たり前でしょう」

メープルは臆面もなく答える。


「むぐむぐ、もぎゅもぎゅ」

メープルの胸から離れて何か言っているが、

無視して続けるリン。


「あなたは、召喚者を二名も

連れているじゃないですか!

当国の召喚者にちょっかいを

出すことはやめて頂きたい」


「召喚者様を獣の餌にするような

国の方々にそのようなことを

言われたくありませんわ。

不幸な稲生様をお助けするのは、

我らが教義に合致いたします」

さらりと言ってのけるメープル。


「うるさいっ。

獣を討伐してきてから、

そのようなことは言え。

話はそれからだっ」

理屈では敵わないと思ったのか、

暴論をリンが言い放った。


メープルはその言質、取ったりと

にんまりして、宿に戻っていった。


稲生は、他人事ながら、思った。

なぜ、リンは、自ら地雷をふむのだろか。


リンは暇なのか、ノルドの店に行くと宣言した。

それから、ひたすらお説教が到着するまで続いた。

稲生は美人の説教に興奮するタイプではなかった。

しかし、前世界では有り得ないほどの

美人の女性たちが身近にいることに正直、

戸惑っていた。


色々な思惑が飛び交うなか、

とりあえず、バルザース帝国の傭兵たちが

近日中に獣と相見えることになった。


エロ稲生

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