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102.別れの挨拶(九之池)

胸中はわからずです!

「ふむ、貴様らが戻るなら、私も一旦、戻るかな。

色々と検討すべきことがあるしな、稲生、同行するぞ」

すらりと伸びた脚をソファーで見せつける様に

組みながら、アデリナが答えた。

九之池は、視線を合わせることなく、

盗み見るようにアデリナを私姦していた。


「では、商館で今後の打ち合わせをして、

ベルトゥル公国からキリアに向かいますかね」

稲生はアデリナに再確認を取った。


九之池は、美しいエルフと違和感なく

会話している稲生に何故か怒りを覚えた。

キリアまでの道程でお楽しみなんだろうなと

勝手な妄想に耽っていた。


九之池さん、九之池さん、九之池さーん。


ん?誰かに呼ばれたような気がした。

九之池は、妄想から、現実に引き戻された。

呼んでいるのは、稲生だった。

「何?」

妄想を中断されたせで、

若干、不機嫌な九之池は、短く答えた。


「いえ、あのご婚礼の際には、

是非とも私や才籐さんにも

ご連絡をください。

それでは私たちは、商館に戻りますので。

また、お会いできることを楽しみにしています」

爽やかな言葉と共に一礼をする稲生。


「そっそうですね。ではでは」

慌てて、立ち上がり、たどたどしく答える九之池。


「次回、お会いできることを楽しみにお待ちしています」

ルージェナが九之池の言葉を補足するように答えた。


シリア卿の館を離れるとアデリナが

大いに笑いながら、稲生に尋ねた。

「おまえは、本当にあの男にまた、

会って旧交を温めたいのか?

それほど魅力的な人物には思えなかったがな」


「まあ、同じ世界から召喚された誼ですから。

しかし、あまり関わりたくはありませんが、

ベルトゥル公国の内情を知るには、

容易な人物ではないでしょうか?」

稲生が容赦ない意見を述べていた。


「あの舐めるような視線には耐えられないわ。

稲生、頼んだ。

しかし、あの男に内包されている化け物じみた力は、

なんなんだ?

稲生、お前の世界には、ああいった手合いがいるのか?」


稲生はかぶりをふった。

「以前も話しましたが、全くみたことがありません。

ただ、召喚された際に眠っている何かしらの力が

発現したのではないですか?

弱いながらも私も身体能力が向上しましたから」


最後にアデリナが稲生にここを出る前に

挨拶へ向かうのか尋ねると、稲生は苦笑しながら、

短く、必要なしと答えた。


表裏がある稲生さん?感情のままにの九之池さん、、、どっちも微妙だー

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