表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/276

18.女性の扱いは難しい

稲生さん、恋愛奥手だけど、、、お店は玄人なり

「会食のマナーがわかりませんが、

参加は、必須でしょうか?」

なんとなく、リンには、聞きにくかったため、

ドリアムに尋ねる。

「当たり前でしょう。あれ程の雄姿を

お見せになったのですから!

このドリアム、稲生様を見るたびに

思い出しましょうぞ。

マナーに関しましては、さほど、気になさらずに。

宮廷ではありませんので。

周りに合わせていれば、

問題ございません」

笑いながら、言い残し、すたすたと

会食場の準備に向かってしまった。


その言葉に稲生は、やれやれ、困ったなと思い、

ひとまず、自室に戻ることにした。


自室に戻ると、リンが狭い部屋の中で

所在無げにうろうろしていた。

「あっ、稲生、戻ったのか?

鍵は、ちゃんとしないと駄目だろう」

リンは、先ほどのショックから立ち直れていないのか、

元気なさそうな声で答えた。


「いやいや、ここで何をしているのですか!

一応、ここは男性の部屋ですよ。

あらぬ疑いをかけられますよ。

会食までいろいろと午後の会議等、

準備があるでしょう。

さっ、執務室に戻りましょう」


「さきほど、告白もされたし、

ふっ、そんなふうに思われるのもありかな。

稲生、先ほどは、すまぬ、迷惑をかけたな」

無理にだろうか、ほんの少しだけ微笑みながら、

答えた。

それが稲生には、泣きたいのを一生懸命、

我慢している少女の表情に見えた。


「なにも迷惑はかかっておりません。

あなたの代わりに、我々の持論を述べただけですから。

ですから、何かしら思うところがあるのでしたら、

そんな時は、ありがとうと言えば、いいのですよ」

彼女より年上の稲生が諭すように答えた。


泣き笑いの表情の見られたくないのか、

彼女は、稲生に身を寄せ、小さな声で、

「ありがとう」

と言い、何か私にできることは

ないかと尋ねてきた。


前世界でもあまり女性との恋愛の経験が

ほとんどない稲生は、ぎこちない仕草で

リンを軽く抱きしめた。


稲生は、鼓動が非常に早くなるのを感じた。

その状況から、時間にして30秒ほどであろう、

何か言わないと、と稲生は焦った。


「リン、午後から私は、どうしても

外せない予定があります。どうでしょうか?」


えっ、言う表情で稲生を見上げるリン。

そして、稲生は、その表情を見て、

どうしよう何か言わないと、と更に焦る。

彼は、場に応じて臨機応変に対応できるほど

女性の扱いにたけていなかった。


「いえ、あの、その、そうです!

二人で会議をさぼりましょう。

私の予定につきあってください」


リンは、きょとんとした表情から、

一転、ほがらかに笑いながら、

「ふふ、さすがあれ程、心のこもらない告白を

面前でするだけはありますね。

いいでしょう、稲生に付き合います」

と答えた。


会食中、リンが午後の会議の事態を申し入れ、

エイヤは、眉間に皺を寄せながら、

しぶしぶという感じで了解した。


午後は、到着している兵の兵舎の割り振り程度と

事務官とエイヤ・ワイルドの両将軍で

打ち合わせを行い、明日から獣討伐の具体的な予定を

摺り合わせることとなった。

なぜかワイルドは終始、この件に関しては、

無言であった。


稲生は、宿舎の入り口でリンを待ちながら、

さっきのリンは魅力的だったなとか

これって初デートかなと思いを巡らせていた。


 しばらくすると、リンが顔をひきつらせながら、

向かってきた。

そして、稲生の視界には、リンの後ろに

ついて来ている巨漢の男が目に入った。

「俺も会議はめんどくさいから、行く。いいだろう、稲生」


稲生は、心の底から思った「どうしてこうなった」



ドキドキの展開に邪魔者が、、、

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ