表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
166/277

32.討伐完了(九之池)

大活躍の九之池さんなのかな

「えっ?まじっ?どうしよう?」

九之池は討伐の成果として、男を帝都に

連れていくつもりだったが、

まさかの消失に焦っていた。


 しかし、その思いも一瞬で消えた。

あれのかわりに魔獣の遺体を持ち運ぼうと

気を取り直して、魔獣の方に目をむけると、

魔獣が凄まじい勢いで蒼い炎に包まれて、

燃えていた。


 灰を残して、魔獣は跡形もなく無くなってしまった。

ルージェナの周りで冒険者たちが勝利の雄叫びを

あげていた。


 その光景を目にして、九之池は目眩を感じ、

ふらふらとして、その場にへたりこんでした。


「証拠どうしよう」


勝利の雄叫びを忌々しく聞く九之池だった。


 男は叫び声をあげていた。

その男は、右肩と鎖骨を砕かれ、隷属の縛りの苦痛を

上手く抑えられず、苦しみでおかしくなりそうだった。

目は血走り、鼻や耳から、血が垂れ流れ、

口から泡と血を噴き出し、糞尿を漏らしているが、

気絶することなく、のたうち回っていた。


 その男の周りをぱたぱたと妖精にしては

多きい何かが飛んでいた。


「うーん、これで分かったでしょ。

縛りを解かないと、強者には対抗できないよ。

契約するなら、その縛りを解いてあげるよ。

どうするの」

男の苦悶を観察して、ニマニマと笑った。


 男にはその言葉が伝わったのか、顔を前後に何とかふった。


 妖精もどきは、新しいおもちゃを手に入れて

無邪気に喜ぶような表情をした。

「いいよーじゃあ、始めるけど。

苦痛で狂ったら面白くないから、

がんばってねー」

と言って、大量の魔晶、魔石を

男の周りに放り投げて、詠唱を始めた。


 バルザース帝国に建つアンカシオン教会の

一室にて、一人の司教が一つの封緘の水晶が

砕けているのを発見した。


「ルナリオン様、これは」

と砕けた水晶の確認に集まった一人の大司教が

ルナリオンに話かけた。


「常識的に考えれば、行方不明になっていた

召喚者が亡くなったのであろう」

とルナリオンが答えた。


「では、捜索に出ている者たちに帰還の連絡を?」


「いやまて、捜索はいましばらく、続ける」

ルナリオンはどうも何か気にかかるのか、

探索の継続を指示した。


ふううっー戻れるっ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ