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31.必殺の一撃(九之池)

なんだろ、雑魚ぽい。

「はあはぁ、疲れた」

とヘーグマンに追いつくと開口一番に言った。

「あれっヘーグマンさん、

何でこいつ、まだ、生きているの?」


「ふむ、九之池殿が何か聞きたいことが

あるかと思いまして、逃げ出さぬように

牽制しておりましたので」

とその男から目をそらさずに飄々と言った。


「いや、特にないけど。

拘束してからでいいかなと。

さっさと、捕らえるなりしましょう」

と呼吸を整えながら、のたまう九之池だった。


九之池に余裕ある態度を見せつけられ、

男の顔は真っ赤に変わっていた。


「あれっ、表情が変わっている。

なんだー怒っている顔が

デフォルトなだけだったんだ」

と九之池は単なる感想を述べた。


侮辱されたとう受け取った男は、顔を更に赤くして、

「貴様、コロス。恥辱に塗れ後悔の果てにㇱね」

男はうめき声と共に何かを詠唱した。


大地より鎧を纏った何かが這い上がってきた。


「ふむ、それが切り札ということですね」

相手の実力を見切っているのだろう、

ヘーグマンは、落ち着いていた。


鎧が俊敏に動き、九之池に襲い掛かる。

しかし、鎧は上半身と下半身が別々に動いていた。

下半身がそのまま、九之池に向かって、

ふらふらと歩いてから倒れた。

上半身は、自重落下し、地面で蠢いていた。


「もうやだ、こんなグロばかりで」

九之池は、蠢く上半身を棍棒で

動かなくなるまで、叩きつけた。


もう一体は、頭から真っ二つになっていた。

そちらに目をむけた九之池は、再度、

「もうやだ、こんなグロばかりで」

と言った。


「ふむ、この程度ですか。

たまには活躍しないと、九之池殿にも

見くびられてしまいますので」

と二体を各々、一太刀で裂いた

ヘーグマンが事も無げに言った。


「ぐぬぬ、この痛みさえなければ。貴様らなど」

男は苦しそうに負け惜しみを言い出した。


「これって、さっさと、気絶なり何なりさせた方が

良さげな感じですよねぇ?

ヘーグマンさんはどう思います?」

と九之池が男の様子を見て、ヘーグマンに相談した。


「九之池殿にお任せします。団長ですから」

と言うと、にょほほと笑っていた。


九之池は頷くと、男に突進して、

棍棒を振り上げた。

武術の素養もなく、加減も良く分からないため、

取り敢えず、思いっきり右肩辺りを目がけて振り下ろした。


男の動作はとろく、九之池の一撃を

避けられなかった。

鈍い音がして、右肩、鎖骨が粉砕された。


「ぐぎゃあー」

男は終わることにない叫びを

上げながら、地面でのたうち回った。


「くそがぁ。この世界の住人に恐怖を後悔を

この俺を召喚したことを。貴様もㇱね。

この世界に絶望を。

キサマに絶望をくれてててて」

と支離滅裂な呪いの呪詛を吐きながら、

地面に這いつくばって、転がっている。


「コンナクソッタレナ世界で

むざむざと死ンデタマルカ」

震える身体で何かを唱えると

一条のカーテンが男を包み、

その場から、消えていった。


九之池さん、弱きに強く!


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