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28.探索開始(九之池)

九之池さん、ホッとしているかも

 問題の廃村より2㎞ほど離れた場所から、

九之池、ルージェナ、そして3人の冒険者が調査に向かった。


 先頭を歩くのは、狩人の男だった。

軽装の剣士が続き、九之池、ルージェナ、

そして、最後尾を神官戦士が続いた。


 廃村に近づくと、狩人が右手で止まるように

合図を後方に送った。そして、九之池に判断を仰いだ。


「ん?なんかいるの?ルージェナ、

何か生き物を感知できる魔術ってない?」


「すみません、習得していません。

魔術の痕跡なら、感知できます」

とルージェナが言うと、九之池は、

じゃあ、それをお願いと言った。


 ルージェナが集中して何かを唱えた。

唱え終わると、

「魔術的な何かはあるようですが、

ただ人もどきとも妖精もどきとも違うようです」

と伝えた。


「うーん、またあの類のやつじゃなければいいけど、

ちょっと近づいてみようか」

と言って、狩人に前進することを伝えた。


 村の敷地内に侵入すると、長らく補修されていない廃屋が

至る所に見えた。

そして、ゆったりとした生暖かい風が彼らを包んだ。

周囲を見渡すが廃屋以外に何も見当たらなかった。

彼らは慎重に村の中央らしきところに進んだ。


「なんだ、何にもないじゃん。

もう、どこかに行った後だよね」

不快な気候と雰囲気を打ち消すように

九之池が言ったが、どうも失敗したようだった。


「九之池さん、一旦、ヘーグマンさんと合流して、

改めて、調査を始めませんか?」

ルージェナが提案して、ヘーグマンたちと

合流することにした。


 気候のせいか、気分と体調が優れない九之池だったが、

明日の進軍に備えて、愛用の棍棒の手入れに余念は無かった。

何も見つからなかったが、どうも腑に落ちない気分だった。


「なんか気になるよな。なんだろこの気分」

と一人、棍棒を振り回しながら、拭えぬ思いに囚われていた。


 翌日、九之池傭兵団は、進軍を開始した。

廃村の中央らしい辺りに到着し、

九之池は団員たちの前に立ち、廃村の探索を指示した。


「えーえー、みなさん、よろしくお願いします。

怪我無きように行動をををを」

 九之池を見る団員が驚きの表情に囚われていた。

九之池は団員の表情の変化に驚き、

言葉を詰まらせてしまった。


 ヘーグマンだけは、行動に移っていた。

九之池を追い越し、巨大な剣が横なぎに振られた。


「野郎ども戦闘だ。武器を取れっ」

グレッグが絶叫した。

各々、武器を構え、周囲を警戒した。


 九之池は恐る恐る後方を振り向き、

ヘーグマンの一振りを逃れた男に目を向けた。


 憎しみの表情をした男、

そうとしか表現できぬ男が立っていた。


 ぎりりっと歯ぎしりをならし、

苦虫を噛み潰したよう表情になり、言った。


「貴様、召喚者か?」


九之池は返答できずに高速で首を上下に振った。


仕事がーサビ残祭り

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