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1.森の獣外伝 才籐さんの何気ない一日 訓練1

ついに来た!才籐さんが主人公だー

 バルザース帝国には、現在、二人の召喚者いる。

召喚されて、生存している者は、3名だが、

一人は長く行方不明となっていた。

帝国の魔術師が他国に利用されぬように

隷属の縛りを常に発動させているようだった。

恐らくその苦しみからまともに活動できずに

どこかで野垂れ死にしているだろう。


 バルザース帝国所属、アンカシオン教の保護の元で、

生活をする才籐は、その召喚者の噂話を耳にして、

昔は眠れぬ日々を過ごしたものだった。


 九之池たちがバルザースを去り、

また、日々、変わらぬ日常が始まった。


3刻に起床。3刻半まで教会でお祈り。

その後、教会でただ飯にありつく。

4刻に助祭から本日の奉仕活動について、

説明を受ける。

なければ、自由時間と思いきや、

帝国軍駐屯所に向かうことになる。


「おはろう、今日は特に何も無し?」

軽い口調で、助祭に尋ねると、

特に何もなしとのことだったので、

才籐は、軽い足取りで駐屯所に向かった。


 良くわからないが、メープルより、

旅の報奨金として、金貨15枚も支給され、

懐に余裕があるためか気分も上々であった。

九之池に施されるばかりだったが、

最後の呑み会で1次会から3次会まで、

全ておごり、土産まで持たせたことが、

この男の自尊心をいまのところ満たしていた。


 才籐は、召喚されたが、当初、何の特異能力もないと

目されていた。

そのため、今後の生活に困難をきたすと

メープルが判断し、武術を磨く目的で

バルザース帝国の駐屯所に行かされていた。

魔術に関しては適性がほぼなく、魔石を

利用するしかなかった。


 駐屯所に到着すると、才籐は、練兵場に向かった。

最初の頃は、挙動不審者のようで、よく絡まれていたが、

今では一兵士のように扱われていた。


「げっ、皇子がいるじゃん。今日は厄日だな。

見つからないように端でトレーニングを

したほうが良さそうだな」

才籐が独り言を呟いていると、顔見知りの兵士が、

「才藤さん、久しぶり!

皇子も会うのを楽しみにしていますよ」

とでかい声で話しかけてきた。


その声に気づいた皇子がゆっくりとした

足取りで近づいて来た。

けっ、転べ転べと心の中で悪態をつく才籐であった。

「やあ、才籐さん。お久しぶりですね。

旅はどうでしたか?旅は人を成長させる。

そして、新たな出会いが心を豊かにします」

と才籐より若いくせに説教じみたことを皇子が言った。


「ああ、今回の旅で色々と経験できたぜ。

皇子様との差もだいぶ縮まったと思うぜ」

と気負うこともなく、才籐が言った。


以前なら、才籐のこの手の発言は、

虚勢と取られて、周りの兵士たちの哄笑を

買っていたが、

才籐の落ち着き具合のためか

今日は、笑いが起きることはなかった。


「ほう、これは、なかなか良い経験を

してきたようですね。

私も同行したかったですね。

さて、始めましょうか」

と皇子はおもむろに模擬刀を担ぎ、

練兵場の中央に向かった。

才籐も模擬刀を受け取り、中央に向かった。


おおっ余裕な才籐さん!

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