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72.夜の会話

ドキドキの状況

「おい、九之池、明日には帰国の途につくから、

一応、忠告しておく。

バルザース帝国に到着するまでに

報告する内容をある程度、纏めておけよ、いいな?」

とエドゥアールが九之池へ指示した。


「うえっ、なんでバルザース帝国までで?

ベルトゥル公国までで良くない?」

と九之池が反論した。


「おまえは、ここでの件を忘れたのか?

バルザース帝国で一旦、逗留して、

お前の草案をチェックしてやる。

その後、大公にもシリア卿にも

報告できるように道中で更に纏めて、訓練しておけ。

大公を前にまた、同じ轍を踏みたくないだろう」

とエドゥアールが説明をした。


ヘーグマンは穏やかな微笑みを崩さずに

九之池にエドゥアールの案を進めた。

九之池は何となくエドゥアールの提案だったため、

難癖をつけて回避しようとしたが、

ヘーグマンが賛成しているため、渋々、頷いた。


主にヘーグマンの人柄のためか、

九之池は、何となく彼の言うことには素直に頷いていた。


「さてさて、明日からの旅に備えて、

老体はそろそろ、寝かせて頂きましょう」

と言うと、ヘーグマンは部屋に戻った。

エドァールも同様に部屋に戻った。


宿のエントランスには、九之池とルージェナが残っていた。


「ルージェナ、もう寝よう。

明日からまた、旅が続くよ」

と九之池が言った。


「九之池さん、元の世界に戻りたいですか?」

とルージェナが真摯な表情で尋ねた。


「えっ、まあ、戻れるなら、戻りたいような

戻りたくないような」

と九之池があやふやなことを答えた。


「もう、どっちなんですか?」

と微笑みながら、ルージェナが言った。


「いやさ、戻ってもさ、

何て言うのかな、何もないから。

勿論、この世界より安全だし、もう一度、

食べたい物や疎遠になっている両親や

見たい番組とかあるけど。

生きているって実感がないんだよね。

毎日毎日、10時間も同じ作業の繰り返し、

帰って食べる寝る起きるの繰り返し。

なんか意味ないじゃん。

だから、戻りたいと言ったら、微妙な答えになるし、

かといって、稲生さんや才籐さんのように

この世界で生きる覚悟があるかと言われると、

それもちょっと何とも言えないから、

微妙な答えになってごめんね」

と九之池が申し訳なさそうに言った。


「九之池さんも稲生さんみたいに

美人の奥さんを捕まえれば、

この世界で生きる覚悟が出来るかもしれませんね」

と寂しそうに笑った。


「まあ、少なくともルージェナの身の振り方が

きちっと定まるまでは、この世界にいることは

確かかなぁ」

ののほんと答える九之池だった。


「身の振り方も何も私は、九之池さんが

刑を執行しない限り、こうしてお側にいるんですよ」

とルージェナが言うと、

「そだった!じゃあ、戻れるなら、

一緒に僕のいた世界に行こうか?

そしたら、ルージェナは自由だよ。

改めて、稲生さんに相談してみようよ。

あくまで稲生さんの主張は仮説ですからね、

僕も戻れるかもしれないし、ルージェナも

一緒に行けるかもしれないよ」

と九之池は努めて明るく答えた。


「そうなったら、まず、美少女戦隊エイトシックス

(活動8時から18時まで♡)を見ないとですね」

とルージェナが言った。


ルージェナは一連の会話で納得したのか、

あわあわと弁解しようとしている九之池に

おやすみなさいと伝えて、部屋に戻った。


最後までお説教!いらっ

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